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風通しの良い職場に必要なもの

今日から新年度だ。
つまり、昨年の異動からちょうど一年になる。
気の合う先輩が異動になってしまい、いよいよこの職場で働くのはものすごくストレスになりそうだ。
新体制になる前に、この職場の何がストレスなのか、何が気に入らないのかを文字に起こしておきたい。

それはズバリ、「とにかく率直なコミュニケーションが図れないこと」だ。
この職場は、会議や協議の場で率直な意見交換や議論がしにくい。
実際、係長級は、私が異動する前から会議時の発言が少ないことを課題と感じていたらしい。そのため異動してきた私が初日から率直に意見を言うことをありがたがっていた。同じことを言ってくれる人は他にも複数いた。

それが、職場に慣れてくるに従って意見を言いづらくなっていった。言いづらくても思ったことはなるべく言うようにはしていたが、時間が経つにつれて発言はどんどん減っていった。

人の発言を否定する人がいるわけではない。ただ、誰かが意見やアイデアを出した時にその場にいる人がその発言を受け止めている感じがしないのだ。
誰かが発言すると、その発言が宙に浮くような感覚がある。自分とは違う意見が出されたときに、これという反応がなく聞き流すような雰囲気がある。

発言する側としては、何かまずいことを言ったのではないかと不安になる。反応が表には出なくても、心の中でジャッジされているような感じもしてしまう。

この職場に長くいるなどで立場の強い人たちは、空気を読んで気を遣った振る舞いをすることに長けている。しかし気を遣ったつもりでも、相手はその気遣いを欲していないことが多々ある。勝手な憶測で話を進めて、どこかのタイミングで矛盾が生じて、その段になってお互い考えていることが違うことがわかる。
思ったことを直接言えず、それで不機嫌になっていることもある。
そんな職場でストレートに発言をすると、びっくりさせてしまう。

それに、立場が上の人には気を遣っても、下の人には気を遣わない。
役職や年齢を含めて人をジャッジする。立場が下の人に特別横柄な態度をとるわけではないが、他人に優劣をつけて接し方を変えていることが、その言動から漏れ出ており、非常に不愉快だ。
役職が上の人でも、人柄を見てその人を舐めてかかるような態度をとっていることもあり、それも不愉快だ。

要するに、この人たちは他人に対するリスペクトが圧倒的に足りていないのだと思う。
相手と自分が等価な人間であるということがわかっていないように感じる。
相手も自分と同じように大切であれば、発言の居場所がなくなるような反応はしないだろう。誰かの言葉を一度は聞きとめるような雰囲気が生まれるだろう。

議論は勝ち負けじゃない。仲間探しでもない。他人と自分の意見が違うのは当然で、どんな意見も等しく尊重されるべきだ。聞き流したり自分の意見を被せたりしてはいけない。意見を採用するか否かではなく、どんな人のどんな発言にも敬意を払い、尊重される環境でないと、誰も何も言わなくなるのではないか。
他人へのリスペクトが欠けていることが問題の根源ではないか、そう思う。

率直な意見を言い合う環境が絶対的に正しいというわけではない。旧来の、立場が下の人が黙って業務を遂行することが完全に間違っているとは思わない。そういう組織があっても良いと思う。なぜなら、そのような文化が残っているということは、それが最適な方略だったということだから。

ただ、この職場が未来を生きる大人を育てる専門職集団であるならば、時代の流れや今の子どもたちの感覚に敏感になり、そこにチューニングを合わせた方が良いというのが私の考えだ。というのも、この問題は何も職員間だけではなく、顧客である子どもに対する見方にもつながっていると思うから。

子どもは確かに未熟だが、それは一人の人として我々大人とも等価であるということと矛盾しないはずだ。


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