見出し画像

#20 自分の体を信じること

自分が罹患した難病ALSのことを書き残していこうと始めたこのnote。
なんか構成とか、時系列にこだわり出したら、書いていく順番やらを考えだしてなかなか更新出来なくなってきた。

なので、初心に帰り、その日思い出したこと、書きたくなったことを自由に書いて行こうと思う。

今日は、自分の体のことを書いておこうと思う。

体の異変に気づいたのは、10数年前のある日、背伸びして届く棚にしまっていた洗剤を取ろうとした時に、つま先立ちができないことからだった。
最初は、産後太りの運動不足だと思いこんでいたが、次第にヒールの靴が履けなくなったり、友だちと一緒に歩いていても、並んで歩くのに必死で歩いてもついていけなくなったり…と、どんどん下肢筋力が衰えてきた。

でも、妻であり母であり嫁である自分が動かないわけにはいかない。

そうすると、動けなくなった筋肉を使わずに動ける方法を、頭を使わなくても勝手に自分の体が選択してくれる。

例えば、下肢筋力が衰えたため、トイレでズボンの脱ぎ履きで手すりから両手を離さなければならなくなった時、勝手に体が判断して、トイレの壁におでこを付けて、三点起立をして、両手でズボンが下ろせるようになった。

これも「どうしよう?」と頭が考える前に、勝手に体が動いているのだ。

自分の体のことなのに、自分の感覚でできるようになっている。
それってとても不思議だったが、気づいてからは、自分の体のこうしたい…に任せている。

今は、足はほとんど動かず、上肢が一部と体幹がかろうじて支えてる体だが、安全に介助してもらうために、介助者の動きに、自分の体が合わせてくれている。

「こりゃ、バランス崩すかも…」

と、瞬間思ったものはだいたい失敗している。

人間の体は、動けなくなった部位を補助する筋肉を使って動く選択をどうもするようだ。
知識や情報はいらない。
自分の感覚でできる方法で動いてくれる。
これも、健常者の時にはわからなかった感覚だ。

但し、後で必ず使い過ぎた筋肉のケアをしなければ、使い過ぎで進行が進むことがある。

また、自分の体は動きやすく動いてはいるが、理学療法士さんに見てもらうと、もっと効率のよい動き方を教えてくれることもたまにあるので、必ず理学療法士に確認している。

自分の体のことはやはり自分自身が一番よくわかる。
自分の感覚を信じること、内観することはとても大切にしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?