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黒単貴重品室を使ってみて。~前編~


はじめに

こんにちは。ちょこづけ。です。
主に晴れる屋大宮店でモダンを中心に遊んでいます。以前はレンアンドオムナスを愛用していましたが、最近は環境にいるデッキやMOで結果を残したデッキ、はたまたオリジナルデッキを日替わりで回してエンジョイしています。

そんな私ですが、前から勝ちたい大会がありました。

それは晴れる屋大宮店のモダンタイトル戦「彩強決定戦」です。

4月20日に第8回目を迎えたこのタイトル戦、これまでSEや決勝に残ることはありましたがなかなかタイトルを取ることができませんでした。

そこで3月末から調整したのが『黒単貴重品室』です。
結果から言うと見事優勝し、八代目モダン'彩'強になることができました。調整中に出た休日大会でも、準優勝、優勝と調子がよく、自信をもって臨むことができました。

そんな一ヶ月間を振り返りながら各カードと対〇〇についてまとめていけたらと思います。

なぜ貴重品室になったのか

優勝時リストはこちら。

メインボード60枚
サイドボード15枚

カルロフ邸殺人事件発売後、メタゲームトップに躍り出たのが《ギルドパクトの力線》《ドラコの末裔》を組み合わせたデッキ。私も発売直後この組み合わせを取り入れた『ドメインズー』や『カスケードクラッシュ』、『カウンターモンキー』を回していました。

しかし、周りに同デッキの使用者が多く、すぐに《毒を選べ》等の対策カードが流行り始めたこと、何より使用しててあまり楽しくなかったことから、対策する側に回ろうと決心しました。

黒単貴重品室は先のコンボに対して強い布告系除去や全体除去を無理なく搭載でき、また《ギルドパクトの力線》によって1枚減った手札を《思考囲い》で狙えることからゲームを優位に進めていくことができます。

ちょうど《暴力的な突発》が禁止カードとなり、元々戦いやすかった『ラクドス想起』が一定数残り、苦手としていた《ティシャーナの潮縛り》が環境から減ったことも黒単にとっては追い風でした。

採用カード説明

土地

《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
デッキの核となるカードの一つ。重ねて引いたときに弱いため3枚のリストも見かけますが、セットしたときの爆発力が段違いなので個人的には4枚必須だと思っています。
ときどき相手を助けてしまったり、割られて困ったりするときもあるので、手放しに1ターン目には置かないようにします。
2枚目の使用が紛争達成ぐらいしかないのが今の構築だと悲しい。

《陰謀団の貴重品室》
デッキ名にもなっているカード。中盤以降、とてつもない量のマナが出ます。気持ちいい。単体ではマナが出ず、沼が少ないと基本地形より弱いときがあるのはご愛嬌。あと小学生の頃のカード使えるのうれしい。

《廃墟の地》《解体爆破場》
相手の特殊土地を破壊するカード。単色デッキかつ《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を採用しているためたくさん入れられます。モダン環境には多色ランドや《ウルザの物語》《墨蛾の生息地》のようにゲームを決めうるもの、トロンランドやバウンスランドのように複数マナを生み出すものなど割る対象は数えきれないほどあります。
ただ暇だから起動するのではなく、
《ウルザの物語》やトロンランド等キーカードを待つ
・ 多色デッキの版図達成を妨害、また特定の色を狙い撃ち、動きを阻害する
・ 環境デッキの基本地形採用枚数を覚え、ランデスを狙う
・ 諜報や占術での積み込みを妨害する
《ティシャーナの潮縛り》《救済の波濤》等をケア
《塵へのしがみつき》の脱出コストの確保
・ 自身の紛争を達成する
・ 自身の沼カウントを増やす
と起動には考えることが多いちょっぴり面倒なカードです。

《沈んだ城塞》
こちらは採用不採用の分かれるカード。1ターン目の横置きが響いたり、4枚目の土地がこれで動きが遅くなることも。しかしそれ以上に《廃墟の地》を2ターン目に使用できることで、後手番でもトロンランドの妨害や2章前の《ウルザの物語》の破壊ができたり、城塞+アーボーグ+貴重品室で3ターン目に4マナ生み出せたりと強みを感じています。また状況によっては"黒"以外を指定し、《仕組まれた爆薬》の烈日を調整することができます。いぶし銀な良いカード。相性の良い《ロークスワイン城》《爆発域》を合わせて採用しているリストも見たことがあります。

《沼》
好きな絵の基本土地たくさん使えるっていいですよね。今は8枚。

僕はこれ!

クリーチャー

《オークの弓使い》
モダンレガシーで猛威を振るうカード。ドローを咎めるのはもちろん、中盤以降が強いこのデッキの序盤をしっかり支えてくれます。しかし、これだけで相手を倒せるわけではないので、2マナ余って暇だから出すのではなく、タフネスが1~3の生物を狙える場面や、《大いなる創造者、カーン》を守る場面でキャストします。特に相手も採用しているときはじっくり我慢。

《黙示録、シェオルドレッド》
《一つの指輪》との相性は抜群。全フォーマットで使われる最高のカード。ですがモダン環境は速く簡単に除去もされるため過度な信頼はできません。貴重なライフ回復手段の一つなので、ある程度安全が確保されてからキャストするようにしています。3枚採用してみたこともありましたが、攻めるデッキでもないので2枚と控えめ。

呪文

《致命的な一押し》
多くのデッキに効く除去カード。とりあえず4枚。《廃墟の地》でお手軽紛争達成。対『トロン』ではハンドで溜まってモジモジ。

《シェオルドレッドの勅令》
対象も取らず、PWも倒せ、トークンにも邪魔されない令和の布告除去。完全体となった《ドラコの末裔》《一つの指輪》を止めてくる《大いなる創造者、カーン》《カルドラの完成体》の細菌トークンなど、どのモードも活躍します。特に簡単にアドバンテージを稼いでくる《レンと六番》はすぐに対処したいです。

《不憫な悲哀の行進》
このデッキで大活躍するPWも狙える除去。後半莫大なマナから平気で10点以上ゲインします。相手によっては使いづらい除去や後半余ったハンデス呪文をコストに充てられるのもグッド。《一つの指輪》の誘発で死にそうなとき、アップキープに引き込んで耐えることも。しかし、序盤は使いづらい除去のため3枚のみ採用。なるべく後半まで温存、確実にライフ回復できるようハンデスを絡めたり、《大いなる創造者、カーン》の能力で生物化した《一つの指輪》を対象に取ったりすることもあります。

《滅び》
貴重な全体除去。現在のモダン環境に横に並べるデッキはあまり多くないですが、あると安心。メインサイドに1枚ずつですが、環境によってはメインの枚数が増えていきそうです。
新戦力《死人に口無し》との比較ですが、対『ドメインズー』における1マナの軽さを大事にみてこちらの採用。《死人に口無し》の方が強いマッチももちろんあり、現状のリストでは証拠収集6が難しいので、採用する場合は《カザド=ドゥームのトロール》を3枚くらいとりたいです。

《思考囲い》
万能ハンデス。カードパワーがインフレする中確実に1対1交換をしてくれます。昔から言われてますが唱えるタイミングが重要で、相手のキーカードの前のターンはもちろん、4ターン目にちょうど5マナ出ることがあるので《一つの指輪》《大いなる創造者、カーン》《黙示録、シェオルドレッド》と合わせて打てるとラッキーです。中盤以降ライフが厳しそうなときは無暗に打たず、初版のきれいなイラスト眺めるだけのことがあります。《一つの指輪》を使う都合上、2ライフ結構大事です。
サイド後《夏の帳》を構えている相手とは我慢比べ。フルタップしてくれ。

《コジレックの審問》
追加のハンデス。続唱デッキが多かったときは続唱スペルを落とすための採用でしたが、生物は触れる手段が多いので、《一つの指輪》《力線の束縛》を落とせる《強迫》と悩んでいます。

《塵へのしがみつき》
メインからやんわり墓地対策。ただその使用はあまりなく、序盤の山堀りと後半のリソース・ライフ回復で使うことが多いです。脱出コストが重いので相手が墓地を使うデッキの場合は安易に1ドローに変えないで手札で温存します。《レンと六番》の土地回収を妨害するとちょっと幸せな気持ちになります。また《大いなる創造者、カーン》のマイナスで追放された自分のアーティファクトを回収することができるのも忘れないように。

《不敬な教示者》
潤滑油。2ターン目に待機すると《一つの指輪》《大いなる創造者、カーン》を唱えるターンに丁度待機が明け、必要なものをサーチできます。土地、4マナの強力呪文、それらを通すためのハンデス、盤面を処理するための全体除去、本当にいろいろサーチします。続唱デッキが減り、《時を解す者、テフェリー》が環境にあまりいないことも嬉しい要素です。

《疑念の影》
『アミュレットタイタン』や『スケープシフト』など土地を使った一撃必殺があるデッキへのふんわり対抗策。フェッチランドや土地サイクリングにも効きます。強くもあり弱くもあり。今は抜いてしまっていますが、好きなカードではあります。

《一つの指輪》
説明不要な強さ。2回起動できたらそれだけでぐっと勝ちに近づきます。プロテクションを得るタイミングが大事なマッチもありますが、基本たくさん引いたほうが強いので、カードが引けそうなタイミングで出しちゃいます。《力線の束縛》《オークの弓使い》《ティシャーナの潮縛り》がある相手には、フルタップならすぐ起動、構えているようなら相手のアップキープに起動。1枚サイドボードにあることで実質7枚カウント。迷ったらこれをサイドボードから持ってきます。
《大いなる創造者、カーン》で生物化しても強いですが召喚酔いには注意。

《大いなる創造者、カーン》
このデッキのメインエンジン。ウィッシュボードと言われるサイドボードから相手に合わせたカードを持ってこれ、黒単色ですが柔軟に戦えます。
常在型能力は『緑トロン』『鱗親和』などのアーティファクト主体のデッキを機能不全に陥らせます。プラス能力は自分のアーティファクトを生物化して攻守に使ったり、《精力の護符》《アガサの魂の大釜》などの相手のやっかいなアーティファクトを対象にして除去スペルを当てたりします。マイナス能力で《力線の束縛》された《一つの指輪》を回収できるの忘れがちです。とっても大事。

サイドボード

《隔離するタイタン》
気持ちよさ100点満点の最大5ランデス。このデッキのフィニッシュはだいだいこのカードです。《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》があると、通常は沼タイプを持たない土地も破壊できます。対象を取らないので、選んだ後にマナを出すタイミングはありません。選ぶ前に相手に聞くと親切ですね。相手の挽回を防ぐために自ら破壊することもあります。

《ワームとぐろエンジン》
『ラクドス想起』のような追放除去を持たないデッキに強いフィニッシャー。持ってくる場面はそこまで多くないですが、ライフゲインも大事なため採用中。

《罠の橋》
攻撃を制限。相手によってはこれ1枚でかなりのターンを得ることができます。また《大いなる創造者、カーン》で持ってきたいカードはあるけどマナが残り3マナしかない、のようなときに《大いなる創造者、カーン》を守るために持ってくることもあります。《一つの指輪》との相性はあまり良くないですが、そのときはもう勝ってると信じて…。

《忘却石》
リセット呪文。置物やPWを使うデッキによく効きます。《一つの指輪》は破壊不能を持っているので自分の被害は最小限で済むのも嬉しいです。

《トーモッドの墓所》
墓地対策。0マナなので、サイドボードから持ってきてすぐ唱えられます。『死せる生』『御霊シュート』などはもちろん、最近復権してきている『果敢』デッキにも効くかも。

《石の脳》
相手のデッキのキーカードをごっそり抜きます。ヴァラクートデッキや同型に対しては強いですが、早いターンに仕掛けてくるデッキには間に合わないことも。起動によって追放されるので、《大いなる創造者、カーン》で繰り返し手札に加えることができ、勝ち手段の少ないデッキにはそれだけで勝てることもあります。無限ライフされても勝てる!
ときどき相手のハンドを確認したいときに持ってくることもあります。

《真髄の針》
主に《レンと六番》用。痒いところに手が届く一枚。魔術遠眼鏡でも良さそうですし、抜いちゃっても良さそう。

《仕組まれた爆薬》
『カスケードクラッシュ』や『果敢』、《ウルザの物語》に対して強く、0か1だと起動コストも軽く使いやすいです。沈んだ城塞と合わせることで2、3コストも狙えるときがあります。しかし、サイが減りそこまで強いマッチも多くないので環境に合わせて不採用もありそう。

《約束された終末、エムラクール》
苦手なカウンターの多いコントロールデッキやヴァラクート系デッキへ勝つための一枚。《ティシャーナの潮縛り》がいるのがつらい。

《虚空の力線》
『ラクドス想起』『御霊シュート』『死せる生』『ヨーグモス医院』によく効くサイドボード。すぐに対処されるので過信は禁物。4ターン目までの時間稼ぎくらいの感覚です。複数枚引いても《不憫な悲哀の行進》のコストに当てられるですが、なかなか4枚目の枠を作れず3枚。
《ダウスィーの虚空歩き》と比較されますが、お互い強み弱みどちらもあります。0ターン目に置ける強さに重きを置き、個人的にはこちら。

《屍呆症》
石の脳と同じですが、早いターンに仕掛けることができるのが強み。特に同型のカーンを抜くのには最適です。ですが素引きするしかないので採用するなら2枚は取りたいカード。夏の帳はごめんなさい。

採用検討カード

メインボード

《限りない強欲》
サンダー・ジャンクションから、《不敬な教示者》との比較。序盤の安定を図り、後半は5マナで好きなものを即座に加えられる協力カード。《オークの弓使い》《黙示録、シェオルドレッド》と組み合わせ、相手に引かせることでフィニッシャーにもなります。
と言うのは簡単ですが序盤にソーサリー3マナ何もしない、は今のモダンでは難しい。ドローに《オークの弓使い》を合わせられたら悲惨。『ドメインズー』と『ラクドス想起』が環境にいる間は少し難しいかもです。正直もう少し試してみないとわかりません。

《懲罰者、ケアヴェク》
同じくサンダー・ジャンクションから、長期戦に強い一枚。最近これを採用したリストも増えてきています。ハンデス呪文や除去呪文を後半の余ったマナで連鎖させられるのは強いです。はじめの悪事が余った《廃墟の地》で良いのもうれしいです。

《カザド=ドゥームのトロール》
土地枠兼フィニッシャー。マナスクとマナフラどちらにも対応でき、《死人に口無し》との相性は抜群です。ちゃっかり『リビングエンド』への牽制になることも。基本土地の採用を減らし、これにし過ぎると序盤もたつくことがあるのが悩ましいところ。

《見捨てられたぬかるみ、竹沼》
《沈んだ城塞》との相性も良くマナフラに強くなるカード。しかしこれを採用すると、沼カウントを減らさないために《廃墟の地》《解体爆破場》の枠を減らすこととなり、個人的にはいまいちです。

サイドボード

《液鋼の塗膜》
カーンボードと言えばこれ。みたいなカードですが、《大いなる創造者、カーン》が生き残って返ってくることが厳しく、2枚目を持っていないと手札で腐ってしまうので今は不採用。たぶん今後も不採用。

《虚空の杯》
《暴力的な突発》禁止前は続唱デッキが環境に多く、採用されることが多かったですが、《大いなる創造者、カーン》から持ってくるには間に合わないことも多く、さらに《活性の力》で簡単に対処されていました。最近の続唱デッキは緑が薄く少し割られづらいですが、それでも微妙なところです。

《街並みの地ならし屋》
《大いなる創造者、カーン》では触れないエンチャントや相手の脅威を破壊できるフィニッシャー。特に相手の《大いなる創造者、カーン》を破壊するのに役立ちます。唱えたときの誘発かつ蘇生持ちなのでカウンターの入ったデッキ相手にも強いです。

《歩行バリスタ》
複数枚のPWを出してくる相手に強く、後半有り余るマナから一気に勝負を決めることもできます。いつサーチしても強いカードではありますが、盤面を触るカードは豊富なため優先度は低めです。

《呪われたトーテム像》
『ヨーグモス医院』対策。以前は採用していましたが、これを置いている間に攻められる構築でもないので、あっさり割られたり、《飢餓の潮流、グリスト》と不死生物に襲われたりして、かみ合いが悪く感じています。これを置くより盤面流したいです。

《夢を引き裂く者、アショク》
クリティカルに効き対処もされづらい良カード。枠の関係で採用してないですが気になっているカードです。3マナが後手番のとき少し間に合っていないかなとも感じています。

《税血の刃》
力線ドラコパッケージに強い1枚。メインボードに布告系除去が多く採用されている場合は不必要です。

《真実の解体者、コジレック》《引き裂かれし永劫、エムラクール》
《不死の霊薬》
ほぼ勝てない『ライブラリーアウト』対策。これを取ったら勝てるのかというとそれもわからないです。まだ当たったことのない僕はラッキーです。

最後に

ということで各カードについて思っていることを書いてみました。かなり長くなったので、一度区切ります。後編で現状のデッキリストと環境デッキとのあれこれを書けたらと思います。モダホラ3発売まで残り短い間、今のモダン環境を楽しみましょう~。

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X:@chocozuke_   → https://twitter.com/chocozuke_ 
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