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【フランスおいしい旅ガイド】リムーザンの郷土料理

スープ


○ブレジョードBréjaude

リムーザン地方で作られるキャベツのスープ。皮つきの豚の脂身を用いるのが特徴で、この脂身にたくさんの切り込みを入れて脂が溶けやすいように下ごしらえしてから湯でゆでる。1時間ほどでいったん取り出し、塩をふり、皮をはずして脂身をつぶし、再び皮とともに鍋に戻す。この戻した皮のことをリムーザン地方ではブレジューbréjouと呼ぶが、料理名はここからきている。このとき、キャベツ、カブ、ポロネギ、ジャガイモなども鍋に加える。そして1時間ほど煮込むと、野菜と皮はやわらかく煮え、脂の溶け込んだスープはこってりとしている。スープ鉢に並べたライ麦のパンの薄切りの上にこれをかける。ブレジョードの食事の最後を飾るのが、シャブロルChabrol(またはシャブロChabrot)である。皿にスープを数さじ分ほど残し、これに赤ワインを注いで、皿を洗うようにして口に流し込む。

○オート麦のブイイのスープSoupe Bouille d'Auvoine

リムーザンからマルシェ地方でかつてよく作られていた。ブイイとは雑穀の粉で作る粥のこと。押しつぶしたオート麦を温めた牛乳でのばしてから煮て、塩で調味したもの。いわゆるオートミールである。小麦のとれない荒れた地方の食卓に、第2次世界大戦前までのぼっていたようだ。

スペシャリテ


○国王風野ウサギの詰め物赤ワイン煮Lièvre à la Royale

ロワイヤル(国王風)の名が示すとおり、高級レストランに登場する豪華なスペシャリテ。出生地はリムーザン説、ペリゴール説などがある。野ウサギの内臓を取り除き、血を完全に抜いてとっておく。この内臓をみじん切りにし、フォアグラ、トリュフ、玉葱、パン粉などでファルスを作り、骨をとって1枚開きにした野ウサギに詰める。全面に焼き色をつけてから、よく熟成した赤ワインで、十分にやわらかくなるまで蒸し煮する。煮汁を煮つめ、血を加えてとろみをつけ、トリュフを加えてソースにする。

軽食類


○ファルシデュールFarcidure

リムーザン地方に古くから伝わるお好み焼きのようなもの。千切りにしたジャガイモと刻んだベーコンや野菜を混ぜて厚めに焼いたもの。小麦粉、卵などを丸めてゆでた団子をさすこともある。

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