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試行錯誤という遊び。

最近、自分の子ども時代を
より詳細に思い出す遊びをしている。

図書館で借りて来たのは、
一番古そうなお菓子のレシピ本。

洋菓子の草分的存在、今田美奈子さん著
(1993年初版)

私が見ていたのは、もっと古いから、
さすがになかった。

レシピの写真は古いけれど、
材料や、工程は今と全く同じで、
完成されていて、驚いた。

新しいレシピが良いとばかり思っていたが、
違った。


それにしても、
子どもの頃サッパリ分からなかった、
リキュールの名前や、道具や型の種類が
分かる!分かる!!

大人になって、分かるー

普通は、"文豪の小説"とかでする
体験のような気がするが、
私はレシピ本でそんな体験をした。

あまりに懐かしくて、
子どもの頃作っていたようなクッキーを
作りたくなり、当時使っていた材料を
買って来た。

マーガリンなんて、25年ぶり位に買った。

チョコベビーは、自分のお小遣いで、
チョコチップの代わりに買っていた。


オーブントースターしかなかったから、
チビチビと何回にも分けて焼くんだけど、
集中力が切れると、真っ黒に焦がしたり。

みんなが寝静まってからも、
薄暗いキッチンであくびしながら
焼いていた。

オーブンさえあれば、一度に沢山焼ける。
あれも、これも、作れるのになぁ〜
お菓子の本で、私が作れるレシピは、
あまりに少なかったのだ。

高校生になった頃、電子レンジが壊れ
とうとう、念願のオーブンレンジが来た。


ーでも、その後
ほとんどお菓子を作らなくなった。

忙しかったのか…
食べて欲しい人がいなかったのか…


今日、その答えが分かった気がした。

きっと、子どもの頃から、


試行錯誤するのが好きだったのだ。


無謀にも、トースターで
パイや、シュークリームも挑んだ。
温度調節できないから、失敗した。

小麦粉、マーガリン、砂糖、卵以外の
材料は、ほとんど自分のお小遣いで
買っていた。
パイの為に、1ヶ月分のお小遣いで
無塩バターを買って撃沈もした。

型抜きクッキーは、数えきれないくらい
作ったけど、どうやったら、
生地を無駄なく型抜きできるか
いつも、ちゃんと考えていた。

これはアイスボックスクッキー


今になって思うのは、
私がお菓子作りに夢中な頃に、
うちにオーブンが無かったことは、
大人になって、すごくすごく役に立った。

二度の海外生活では、
キッチンのデッカい備え付けオーブンを
何不自由なく使っていた。

子どもの頃、試行錯誤したお陰で、
短期間でオーブンの癖や、
最適な使い方をマスターして、
好きなお菓子を思う存分作れた。

周りには、現地のビルトインオーブンを
使いこなしている日本人は、
ほぼ、いなかったなぁ。

口を揃えて

日本のオーブンじゃないと出来ない。
日本の材料じゃないと出来ない。

って言ってたけど。

私には、全く関係なかった。

不自由の先には、自由があった。

試行錯誤を遊びにする。
好きなことだけは、とことん。

今も、中身は
小さな頃のわたしのままだ。

子どもの頃の自分を
褒めてあげたい。

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