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ゴジラ-1.0を観て改めてヤマト(実写版)を見返してみた

ゴジラ-1.0(以下マイゴジ)が米アカデミー賞を取るまで評価されヒットしました。
素直に日本人として、特撮ファンとして、ゴジラファンとしてとても嬉しいです。
これを撮られた方は山崎貴さん。監督、脚本、VFXとほぼほぼ全てにガッツリ関わったのですよね。凄いです!

山崎貴さんと言えばですね、今まで沢山の映画を作ってきたのですよ。いくつもあるのですが、今回は2010年に公開された…
SPACE BATTLESHIP ヤマト(以下ヤマト)
を改めて見返してみました。
というのもですね、この作品、今から約14年前もの作品になるのですが…はやいですねえ💦、山崎貴監督の当時の渾身の一撃の作品だったと思うわけなんです。で、これがそんなにヒットしなかった、後に語られもされない、どっちかって言うと低評価、ガッカリ映画…という扱いなんですよね…
私も当時リアルタイムで観ましたが、正直世間と概ね同じ評価でした…
だけども、私そこまで詳しい訳ではないですが、そこそこヤマトという題材は好きなのです。当時、実写化されると聞いてとても驚いたし大変楽しみにしていました!
ところが公開されるとスットコドッコイな事になってしまいました…
いや公開前の時点でですね、色々不安要素があったんですよねえ…それこそ色々…ここではその点は省略しますが、その中の一つに、山崎貴監督であったことです笑

私が山崎貴監督作品に最初に触れたのはですね、
リターナー(2002)という映画でした。ええ、劇場で観ましたよ。予備知識なく。
このリターナーがですね、まず、褒めます、VFX(特撮)とアクションは素晴らしかったです。当時としては。お金のかけ方が桁違いなハリウッド映画全盛の中、日本で恐らく十分の1ぐらいであろう(想像)予算でここまでできたのか!と感動、感心しました!
ところがですね…そこだけなんです、役者さんは普通に良かったですよ、あとは…
もうね、信じられないぐらいいろんな映画をパクってるんですよ笑 たぶん、監督からしたらオマージュなのでしょうが…いやあれは駄目です、パクリすぎです笑
マトリックス、ターミネーター、インデペンデンス・デイ…あとはなんだろな、とにかくどこかでみたような展開しかないのです。
マジでどっかで見た展開しかない。
でもですね、この映画そのパクってる技術が…というかコピー能力ですね、が凄かったんです。
でその当時はですね、ここまで技術をコピーできた映画って無かったんですよ。そこがですね、素直に凄いなあ!って思えるぐらいのレベルで。
ですから私は割り切ったんですよ、ああ、この映画は日本でもここまでやれるんだぞっていうのを見せる為の映画だと。そうでも考えないとオリジナリティーがなさ過ぎて、どう処理して考えたら良いのかわかりませんでした…
案の定、公開後はマニア向け映画となり、普通の世間の人は誰も知らない、聞いたことない、なにそれ?状態の映画となりました…
でも私はね、この映画のあとから山崎貴監督は本気を出すと思ってたんですよ。オリジナリティー溢れる凄い映画を作ってくれる、そう信じて見守っていました。いや、見守っていこうと思ってました…
そこからALWAYS.3丁目の夕日シリーズというヒット作を出しましたね。いや正直ですね、これは観てないんですよ。個人的に刺さる要素というか題材ではなかったので…でも、いつか観なきゃなあと思っています。

で、前置きが長くなりました、ヤマトです。
あのヤマトが実写で作られる!!しかも豪華キャスト!!と胸踊りましたが、監督の名前を聞いて…え?あのリターナーの山崎貴??
一気に不安に変わりました…
他にも不安要素はあったんですけどね、キムタク起用によるジャニ事務所の注文が多いとか…
まあなにはともあれ、完成しました!公開されました!結果…今の評判なんですよねえ…
私のリターナーを観た後の目線で観ると、ああ、やっぱり山崎貴だった…っていう初見の感想でした。
ただしですね、やっぱりVFXは物凄いんですよ。
ただですね、演出やアイディアがやはりどこかで見たような物ばかりでした。スタートレック、バトルスターギャラクティカ等々でこのアイディア見たなってものばかりで…
技術は凄いんですよ、技術は。
そしてストーリー.脚本。これもなんだかリターナーから進歩してないなあと…でも原作ヤマトの名シーン名台詞なんかはしっかりとされていて、これはコピー能力が良い方に作用されたんだなあと思います。
そんな印象だったヤマトを、今改めて見返してみたんですよ。まあそりゃ今まで思ってた感想ではあるんですが、あれから14年後に観るとなかなか味わい深いものもあるんですよねー。
まずキャスト陣が素晴らしい。配役もバッチリです。
キムタクの古代ですが、当時言われてましたが原作と違ってキムタク過ぎるんですよね笑
いやでもここはキムタクの才能ですね、キムタクの古代かっこいいんですよね!
沖田艦長の山崎努も実に良い、森雪がパイロットになってましたがこれも許容範囲。あ、脚本は駄目ですよ、恋愛要素がトレンディでヤマトに合ってません笑。でも役自体はよかったです!黒木メイサさんだったのですが、当初は沢尻エリカが演じる予定だったそうで。でもあの騒ぎのせいでポシャったんですね笑。佐渡先生は女性となり高島礼子に。この他にも男性キャラが女性に…相原だったでしょうか?この辺はよく批判の的になったようですが、私は全然オッケーでした。機関長徳川さんの西田敏行、あれも良かったですねー!島の緒形直人は意外な配役でしたが、バッチリハマってました。斎藤の池内博之、良かったですねー!山本が斎藤工とは今まで気が付きませんでした笑。アナライザーは声が昔と一緒!いいですね!!
いやキャスト陣はホントに良いんですよ。書ききれませんが。配役も演技も素晴らしい!
で、あえてここまで出し惜しみしましたが、一番最高だったのが、
真田志郎、柳葉敏郎です!!
いやもう完璧すぎますよ!!真田さんそのものですよ!!声なんかアニメと似すぎて!え?吹き替え??と思ったぐらいです!!もう出で立ちも喋りも真田さんすぎる!!「こんなこともあろうかと…」ってもう完コピじゃないですか!!いや生身の分アニメを超えています!!柳葉さん、ヤマトが本当に好きなのか、はたまた知らなかったとしてもコピーしたのか…とにかく柳葉さんの真田さんというキャラへの愛情と思い入れがハンパありません!!パーフェクトすぎるパーフェクトです!!

ストーリーについてはもうここでは割愛します…少なくとも原作ヤマトを知ってる人からしたらまあ、うん…って感じです笑。ヤマト初見の人にも、興行成績やレビューを観ると刺さらなかったんだろうな…。
この映画はVFXと役者が素晴らしい映画だと、改めて思いました。惜しい、非常に惜しい映画です…。
あれから14年、ゴジラ-1.0を撮ったあとにもしヤマトを撮っていたら…どうなんてしょうね、変わんないのかなあ…

ゴジラ-1.0は、評価が高いシン・ゴジラの後という順番で作られることになり、山崎監督は相当考えに考えたようですね。シン・ゴジラがなければ恐らく山崎貴監督版ゴジラは、ヤマトの頃のようにスットコドッコイ映画で終わってしまっていた気がします…。

何故かシン・ゴジラの話になってしまいましたが笑、実は私シン・ゴジラ大好きでして…しかしですね、大衆受けするのはマイゴジの方だと私も思うのです。
山崎貴監督は、ストーリー脚本は奇をてらったものより、オーソドックスで王道の話が好きなんですよねーきっと。マイゴジはシンゴジのプレッシャーを受けて、ひねり出して考え創られた傑作になったのだと思います。
もしこれがゴジラではなくヤマトだったら。
ヤマトの評価も今とは違う作品になっていたのではないでしょうか。

長くなりましたが、ヤマトは山崎監督が覚醒前に創られた非常に惜しい作品だったと思いました。


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