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「シックス・センス」(1999年)

公開当時は「まだ見ていない人にネタバレをしないでください」といった注意が話題になった本作。一度観たあとで、観返すと、シナリオのうまさがよくわかる。そういう意味でも、よくできた作品。
シナリオをほめた後でこう書くのもなんだが、映画全体としては、作りが粗い部分も多々ある、というのは一応書いておく。それでも、本作がよくできた作品であることに変わりはない。

ストーリーとしては、優秀な小児専門科医のマルコムが、ヴィンセント・グレイという男に撃たれるところからはじまる。ヴィンセントは、過去において患者だったのだが、マルコムは彼を救えなかったのだ。
場面が変わり、マルコムは、コールという少年に出会う。マルコムは、コールがヴィンセントと同じ特徴を持っていることを知り、接触する。コールは普段はおとなしいのだが、挙動がおかしくなるときがある。それゆえに、周囲からは気味悪がられ、いじめられたりする。実は、コールは幽霊が見えるのだった。その姿に怯える様子が、周囲からは挙動不審に見えるのだ。

本作は、主人公のマルコムと、コールが、それぞれ自らのトラウマを解消するというミッションを描いている。
おもしろいのは、スリラーとしての一面とハートウォーム映画としての一面をあわせもっており、両方のバランスがとてもいいところだ。つまり、ぞくぞくする描写と、感動的なシーンの両方が盛り込まれているということだ。
もちろん、「ゾンビランド」のようにゾンビ映画でありながら、人と人のつながりの大切さを伝える良作もあるのだから、「シックス・センス」のスリラー+ハートウォームという組み合わせはそれほど斬新ではない。それでも、ふたつの要素をどちらも存分に堪能できるサービスの良さは高く評価したい。

その結果が、59億円の製作費で1,000億円の興行収入だ。
本作は24年前の作品なので、今の作品とはヒットの要因は違うだろうが、どんでん返しのうまさだけでなく、古典的な家族映画としての一面も成功に寄与しているだろう。
さすがに古臭くはあるが、今観ても感動的なシーンがいくつもある。

数年前に、「ザ・ボーイズ」というテレビシリーズでハーレイ・ジョエル・オスメントを久しぶりに目撃して、時の流れを感じたものだ。また、ブルース・ウィリスも演技力はともかく、スター俳優としての存在感を示して、本作に華を添えている。
このように振り返ってみると、いろいろとうまくできている作品だった。

https://www.youtube.com/watch?v=GC1VuTcwu-g&t=3s

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