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角川『短歌』2023年12月号

TULIP(チューリップ)の唄に編み物する女性をりをりにゐて今宵も聴けり 栗木京子 チューリップの曲の女性像は、ジェンダー的にステレオタイプだと気付く。でも聴く。古馴染みの曲への愛着は中々捨てられない。チューリップ以外の歌詞にもよくあったことだが。

目をはなせるあひだにわづか移りたるましろき船はなにを運べる 横山未来子 かなり遠い距離にある船だろう。じっと見ていると動いているように見えない。しばらく目を離した後見るとわずかに移動している。海と空の青、白い船の対比。船の運ぶものに思いが及ぶ。

③川田由布子「黒縁の眼鏡がスゴい!」〈高瀬さんのトレードマークは黒縁の眼鏡で短歌のモチーフのひとつでもあった。
どうもどうもしばらくしばらくとくり返すうち死んでしまいぬ 高瀬一誌〉  高瀬の韻律。最初詰まるがだんだんクセになる。またまとめて読みたい。

④「短歌の底荷「まひる野」」
大下一真〈篠弘の短歌史に関わる膨大な著作も、この伝統の中から生まれたもので、現在でも年間テーマを設定して継続的に評論活動を行い、「書ける人」を育てている。〉
 この姿勢、尊敬する。よその結社のこと案外知らないと気づいた。

2023.12.31. Twitterより編集再掲

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