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『歌壇』5月号にて(過去ログ)
(過去ログ)現在発売中の『歌壇』5月号のトピックス欄にて現代短歌フェスティバルin奈良「激動する短歌ー歴史から未来へ」の報告記を寄稿しました。当日の熱気が伝わってほしい。皆様ぜひお読み下さい!
2024.4.15. Twitterより編集再掲
女性歌人という分類(後半)【再録・青磁社週刊時評第八十一回2010.2.1.
女性歌人という分類(後半) 川本千栄
現代において「女流」というのは廃れつつある言葉だろう。「男流」と
いう対になるべき言葉はない(フェミニストによる『男流文学論』という
本があったが)から、最初から男の視線の貼りついた言葉であり、廃れつ
つあるのもそのせいだと思う。(山田富士郎 角川『短歌』2010.2.)
山田の論は「女流」という言葉を的確に解説している
女性歌人という分類(前半)【再録・青磁社週刊時評第八十一回2010.2.1.
女性歌人という分類(前半) 川本千栄
(青磁社のHPで2008年から2年間、川本千栄・松村由利子・広坂早苗の3人で週刊時評を担当しました。その時の川本が書いた分を公開しています。)
角川『短歌』2月号の特集は「変わりゆく女の生き様と歌―女歌の現在(いま)」である。花山多佳子、今野寿美、栗木京子、小島ゆかり、米川千嘉子、俵万智、梅内美華子、駒田晶子、澤村斉美の9人の女性歌人に
『群馬県立土谷文明記念文学館 紀要 風 第26号2022年度』
①2023年3月発行の本誌を一年後の先日読んだ。当時の永田和宏の講演録を読むと、2022年時には、コロナの時代をどう生きるか、が本当に緊切の問題だったことが分かる。そして私たちがもうそれを忘れかけていることも。
②永田和宏「ことばの力ー言葉で思いを伝えること」
〈この新型コロナウィルスの流行も、世界史の中に残ると思います。たぶん数行で、そんなには残らないだろうけれども、歴史は、あったことはすべて
『現代短歌新聞』2024年3月号
①「インタビュー 永田紅氏に聞く」
改めて若山牧水賞おめでとうございます。
〈作者の属性や人生を詠むことを排除する向きがありますが、人生を詠んでいるからつまらないということは決してなくて。そもそもこの二分法が私は嫌いで。境涯派でも言葉派でも、いい歌はいいし、つまらないものはつまらない。〉
ほぼ同意。ただこの境涯派(人生派)と言葉派という用語は、用語だけが一人歩きしているようにも感じている。この
〔公開記事〕川野里子『ウォーターリリー』(短歌研究社)
世界の惨を感知する 川本千栄
この世界には様々な惨事が存在する。しかし目を凝らし耳を澄まさない限り、多くの人はそれに気づかない。この歌集で作者は、自らの存在の在り様を絡ませながら、時空を超えて、そうした惨に耳を澄ませ、受けとめてゆく。
あの川に兄が浮かんでこの沼に父が浮かんで 睡蓮咲いた
戦争に勝ちしにあらず絶望に勝ちたり 春巻きほんのりと透け
にんげんのにんげんによるにんげんのための虐殺