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【2022年4月開講】先行技術調査ゼミで学べること

こんにちは、(株)知財塾 運営チームです。
私たちは演習形式にこだわった、「知財実務で本当に使える」オンラインゼミを主催しています。

今回のブログでは、2022年4月開講の『先行技術調査ゼミ(酒井 美里先生)』で学べる内容について、具体的にご紹介していきます。

1、ゼミで学べる内容とゴール

本ゼミには、よりキャッチーであるだろう「特許調査ゼミ」という名前をあえて使わず、『先行技術調査ゼミ』という名をつけています。

この先行技術調査とは、特許調査のうち、「出願しようとする発明が、他人によって既に出願されていないかを調べる調査」を指します。

特許調査は、大きく分けて4つに分類できるとされています。

<特許調査の分類>
① 技術動向調査:研究の開始時や途中で、研究テーマに関係する公知技術がないかを調べる調査
② 先行技術調査:出願しようとする発明が、他人によって既に出願されていないかを調べる調査
③ 侵害防止調査:発明品を製造・販売する際に障害になりうる他人の特許権がないかを調べる調査
④ 無効資料調査:発明品を製造・販売する際に障害となりうる他人の特許権を無効化できる証拠資料があるかを調べる調査
☆日本弁理士会 関西会HP Q&Aより

②の『先行技術調査』は、知財実務の現場で最もニーズが高い調査であり、「出願しようとする発明」という調査の出発点が明確であるために、初心者でも体系的に調査スキルを身につけやすいことから、知財塾ゼミのテーマに置きました。

『先行技術調査』のスキルをしっかりと身につければ、他の特許調査のパターンにも応用を効かせることができるでしょう。

では、どうやって『先行技術調査』スキルを効率的に身につけるかですが、ゼミ受講者には以下の4つのステップに従い、実際の調査にチャレンジしていただきます。

<先行技術調査ゼミ 4つのSTEP>
STEP1:発明を特定する
STEP2:調査検索式を作成する
STEP3:検索結果から関連する公報をピックアップし、評価する
STEP4:調査報告書にまとめる

STEPにまとめるとシンプルですが、それぞれのSTEPで身につけるべきスキルは盛りだくさん。

STEP1:依頼者に提供された情報を元に、調査対象の技術分野や構成要素をまとめるスキル。

STEP2:技術分野と構成要素の類義語をリストアップし、さらに検索式に使用するキーワードや特許分類を選定して、予備検索を経て検索式を構築していくスキル。

STEP3:検索結果から関連する公報をピックアップし、さらに関連度を評価するスキル。

STEP4:これまでの調査結果を依頼者に伝わるよう、わかりやすく報告書にまとめあげるスキル。

・・・うーん、こう書くと学ぶこと、結構ありますね。調査経験者ならまだしも、初心者がいきなり調査報告書まで書き上げるのは重そうです。

そこで知財塾では本ゼミを企画するにあたり、各ステップに必要なスキルを分解し、『手順書』に落とし込みました。手順書には複数の小問が含まれており、出された事例に即して、1つ1つ問いかけに答えていけば、無理なく4つのSTEPが完了し、調査報告書の完成までたどり着く仕組みです。

例:ステップ1 発明の特定
小問1-1 発明イの技術分野、課題、構成要件/解決手段、作用/効果を、指定された数だけ書き出しましょう。
小問1-2 先ほどの記載を参考に、検索キーワードを決める準備として、自分なりにこの発明を50文字程度でまとめてみましょう。

・・・

こんな感じで細分化しています。

実際のゼミでは、まずは自分で小問に取り組んでもらい、書いた内容をファシリテーターや他のゼミ生と共有。良い点や改善点、また調査のコツをアドバイスしてもらうという流れで進みますので、座学とは一味違った、「生きた検索スキル」が身につきます。

取り組んでいただく事例は、全部で5事例。内容は酒井先生が鋭意選定中ですが、最初はとっつきやすい事例として「消毒液スタンド」、「コーヒーメーカー用のカプセル」、「底面給水の植木鉢」を準備しています。

これらは技術としては理解しやすくても、実際の調査の過程ではキーワードである程度検索できるもの、FI・Fタームといった特許分類を用いないと検索がうまくいかないものなどバリエーションを設け、ある程度調査の経験がある方でも新たな学びがあるように工夫しました。

カリキュラムも全12回(4月6日~6月29日)と約3か月かけて、毎週1回ずつじっくりと演習していきます。また、調査報告書フォームなど、そのまま実務で使えるドキュメントも用意していますので、受講終了時にはご自身でも、基本的な先行技術調査が可能になります。

2、酒井美里先生にファシリテーターをお願いした理由

知財塾ゼミの指導者は「講師」ではなく、「ファシリテーター」と呼んでいます。

ファシリテーター:問題解決・アイデア創造・学習など、あらゆる知的創造活動を支援し、促進する役割を担う人
日本ファシリテーション協会HPより要約

知財塾ゼミは「一方的に知識を与えられる場」ではなく、あくまでゼミ生が主役。ゼミ生が自身で取り組んだ課題のアウトプットに対し、ファシリテーターがコメントし、その情報を生かしてゼミ生は次の課題に取り組む・・という「自己成長のサイクル」を意識した呼び方です。

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この流れをデザインできる方として、昨年に引き続き、酒井美里先生にファシリテーターをお願いしました。

<酒井 美里先生 略歴>
スマートワークス株式会社代表取締役社長。
国内大手精密機器メーカーで出願権利化と特許調査を担当し、その後独立。学生や専門家へのセミナーや講演、雑誌への寄稿も多数。AIPE認定 知的財産アナリスト。

経歴
2005年 スマートワークス株式会社 設立
2007年 第1回特許検索競技大会 優勝
2018年 特許情報普及活動功労者表彰 特許庁長官賞受賞
奈良先端科学技術大学院大学 非常勤講師

著書
日本でできる韓国特許調査 (情報科学技術協会)
特許調査入門(発明推進協会) 他

酒井先生は、企業で何年も特許調査実務の経験を積まれたあと、特許調査や特許情報分析サービスを専門とするスマートワークス株式会社を設立。ご自身も第一線のサーチャーとして活躍されると共に、学生や専門家向けのセミナー講師も多数、務められています。
執筆された『特許調査入門 第三版(発明推進協会)』は、調査スキルが体系化されたわかりやすい入門書として、広く実務家に支持されています。

ご多忙な方ですが、今回、知財塾の『座学だけではなく、自分で実際に演習しないと本当の調査力は身につかない』という理念に共感頂けたことにより、ファシリテーターを引き受けていただきました!

酒井先生より、

「知財塾のオファーを頂いた際の、『たくさん生徒がしゃべれる英会話スクールのほうが、文法をいっぱい教える学校より受講生のためになるよね』という話にはっとしました。単発の講座では、時間的にどうしても座学中心になりがちですが、知財塾では全12回という余裕があり、討議の時間もたっぷり取れるので、いいゼミにできるのではと私もワクワクしています。」

というメッセージも頂いています。

特許調査のプロフェッショナルであり、サーチャー指導の経験も豊富である酒井先生にファシリテーターとして入って頂くことで、ゼミの学習効果を最大化できると考えています。

3、先行技術調査ゼミ生に向いている方

本ゼミのターゲットには、以下の方々を想定しています。

① 特許事務所や企業知財部員で、調査経験がないか、経験が浅い方
② 特許調査は業務としてやってきたものの、さらに「体系的な特許調査スキル」を身につけたい方
③ 普段は、明細書作成や特許事務など別の業務を担当しているが、この機会に業務の幅を広げていきたい方

本ゼミはご自身で演習をまずは行い、ファシリテーターや他のゼミ生と議論し、スキルを伸ばしていくものですので、率直に言って、「業務終了後の夜の時間を一部使ってでも、特許調査スキルを向上させたい!」というエネルギーが必要になるとは思います。

一方、そのエネルギーさえ準備いただけるなら、知財塾の特徴である、

・通学不要、オンラインで学べる環境
・豊富な事例と、STEPに分かれた体系的な学習
・ファシリテーターによる演習アウトプットへの的確な助言

により、3か月でも効率的・飛躍的に調査スキルを向上できるように講座をデザインしています。

お時間が合わない方のためには、「自主演習コース」もご用意しました。企業・特許事務所の研修などのため日中に学びたいという方にはこちらもお勧めです。

※ 自主演習コースとは、動画を見て実際に調査報告書などを作成し、さらにその成果物に対してファシリテーターである酒井先生よりフィードバックを行うサービスです。動画にはオンラインゼミ生&ファシリテーターの議論の様子が含まれていますので、「自主演習コース」だけでも疑似的なゼミ体験が可能です。

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<知財塾の公式ホームページはこちら>

知財塾は、先行技術調査だけでなく、明細書作成、中間応答での意見書・補正書作成、商標調査・権利化など、様々なゼミを用意しております。

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