未経験での特許事務所の仕事

未経験者から特許事務所に入って、約半年が経過しました。
半年間いろいろ経験してきて、書きたいことはちょこちょこありますが、その中でも、
・特許事務所に入所が決まってからやったこと​
・初めて仕事(中間対応)をするときにどうやって進めたか
を中心に書いてみます。
それではLet's get started!

簡単な私の経歴

最初に簡単に経歴を記載します。
詳しいものは下記をご覧ください。

私は今年の4月から、関西の某特許事務所に入り、約半年が経過しました。
私の入所した事務所は、特許を主に扱っており、分野は化学・構造系です。

元々、私は製薬会社の研究開発をやっていて、特許実務(例えば、意見書書いたり、明細書書いたり)は、未経験でした。
ただ下記に少し詳しく記載しますが、弁理士試験には合格していたので、実務修習は受けていました。

研究開発の仕事の中で、特許に触れていたことといえば、大きく二つあり、
・研究内容が他社の特許を侵害していないか、といった簡易的な調査
・他社の基本的な特許の調査まとめ

まず一つ目は、現在やっている研究が他社特許を侵害していないか確かめる、「簡易的な」調査です。これは、あくまでも「簡易的な」調査であり、私の調査を元に「侵害していない」という会社判断が下されるようなものではありませんでした。
実際に、研究が進んだ段階で、特許事務所にしっかりとした侵害調査は依頼していました。

二つ目は、他社の基本的な特許を読み、標準的なものをまとめる、といったことをしていました。これは、今後の研究で取り入れられるところを探すといったイメージです。

上記したように、特許を書いたことはありませんでしたが、一応、適当なキーワードや特許分類を使った特許調査(J-platpat使用)、そして、特許をある程度読む、といったことはしたことがありました。


また、途中少し記載しましたが、私は特許事務所に入る前に弁理士試験に合格していました。そのため、最低限必要な特許法の知識は持っていました。
加えて、実務修習も受けていました。
実務修習とは、下記のような弁理士になるための研修です。

適当にアガルートさんの記事を取ってきました。

実際にどんなことするかと言うと、知財系の実務(主に特許、意匠、商標)についての研修です。
特許であれば、実際に、意見書や補正書、明細書の一部を書いてみると言うような研修でした。

なので、一応特許の実務はこんなことをするというイメージはできていました。

特許事務所に入所が決まってからやったこと​

一つ目のメイントピックです。

私は特許事務所に入るにあたって、事前にしたことは下記になります。
・化学系のちょっとした復習
・特許実務に関する勉強

入所にあたっての面接時に、「何かしておいたほうがいいことはありますか?」と確認したのですが、そのときには、「特にない、まとまった休みが取りづらい職だから、遊んでおいて」と言われました(笑)
ただ、コロナ下だったので、ほとんど遊びには行けず・・・

そのため、上記した勉強は私が、何となくやっておいたほうがいいかな、ということで取り組んだことです。
ただ、結果的にこれらは、取り組んで本当に良かったです。

まず、一つ目の化学系のちょっとした復習です。
私は化学系の大学院を出ていたので、一応バックグラウンドはありましたが、はっきりいって、ほとんど忘れている状態でした。
(アルカン?アルキン??エステル???エーテル????って感じでした、レベル低すぎる・・・)

そこで、とりあえずの復習として、危険物取扱者の勉強をしました。
化学系の大学院を出ているということで、甲種の受験資格があり、甲種の勉強をやりました。
正直に言うと、化学の勉強なのか?これ?という部分が多かったですが、リハビリにはなったかなと思います。
実際に実務で構造式や、化合物名がでてきても、なんとなく思い出せるようになっていました。
そして、甲種にも合格しましたよ(祝)

次に、特許実務に関する勉強です。
これは、はっきり言って何をすればいいかわかりませんでした。
私としては、
「お金をあまりかけたくない」
「詳しい内容というよりは、とっかかりのような内容をしたい」
という二点を望んでいました。

そこで、選んだのが、大瀬さんのUdemyの講座でした。
実務修習の復習でも良かったのですが、テキストだけで復習するのは何とも厳しい(性格上)ということ、何よりクーポン使用でのコスパが良かったことで、受講を決めました。

講座の内容について、詳細を書くことはできませんが、個人的にはちょうどいい内容で、求めているものに合致していました。
今でも、ここで紹介されていた手順等を元に、実務をしています。

こんな感じで、入所までに、一応の準備?はしていました。

初めて仕事(中間対応)

事務所に入って、初めて任された仕事は、中間対応でした。
中間対応は、読んでいる方はご存知かと思いますが、拒絶理由通知があった時に、どのように対応するか考える仕事です。

事務所での対応としては
①対応案(コメント)を作る
②企業からの指示に基づいて意見書・補正書などの庁提出書類を作る
という感じかと思います

私は、事務所に初めて勤務した日に、中間対応からやってみようか、まずコメント作ってみて、という感じで、いきなり渡されました。
正直、これが普通だと思っていましたが、そんなことないようですね。

渡された私としては、コメント???何じゃそれは???、って感じでした(笑)
実務修習でもコメントなんて出てこないんですよ。

何もわからない私がしたことは、
・とりあえず、コメントとはなんぞ?ということを、確認
・過去のものがある場所を聞く
・適当なものを10本くらい、読む
という感じですね。

それでなんとなくコメントのイメージを掴んで、実際に検討を始めました。

検討は、
・拒絶理由が出された特許出願を読む(読み方は、西弁の若手の会?で、かねぽんさんが説明してくれたものを参考にしていました)
・引用された文献を読む
・拒絶理由通知を読む
・上記三つを照らし合わしながら、拒絶理由が正しいか、検討する(ここをどうやってしてるかは、上記した大瀬さんの講座を参考にして、検討しています)
・拒絶理由が正しい時は、避けるための補正等を考える
こんな感じで進めました。
ここで、実際に文献を調べたりする必要があると思いますが、J-platpatについて、触ったことがあったので、まぁまぁスムーズでした。
調べ方もわからんーーーーってなると、確かに大変かもしれませんね。
(まぁ特許調査についての基礎的なところは、タダでいろいろ講座などがある気がしますし、youtubeとかでもあるのでは?)

はっきりいって、手探りだったので、割とこまめに、先輩や所長に進め方や方向性の確認・相談をしながら、やりましたね。
確認・相談する場合でも、
「自分がどこが、どういったように、わからないか」
「自分がどう考えて、このような方向性にしているか」
など、自分がやろうとしていることについては、ほとんど理由づけしていました(ただなんとなくやりました、というのを、ないように心がけました)
まぁ当たり前か・・・
だいたい、ここまでで、入所1~1.5日くらいたっていたはずです。

そして、対応方針の合意が所内でとれてから、コメントを作成しました。
コメントは、テンプレートがあるということだったので、テンプレートに従って、作りました。
この時は、ある程度、形が出来てから、所内で確認してもらいました。
まぁもちろんですが、訂正モリモリで返ってきましたよ(笑)
ただ、対応の方針としては合意済みですし、なぜこの文章を書いたか(理由づけ)等は説明できる状態だったので、ほとんどが、文書構成にかかる訂正でしたね。
「論理的に文書を組み立てるなら、この文章は前に持ってきた方がいい」
「この言い回しは、わかりにくい」
などなど・・・

このとき、訂正はありましたが、私の書いた文書をなるべく生かした状態で、訂正(指示)をしてくださったので、私としても、非常に訂正しやすかったですね。

そんなこんなで、初めてコメントを作り始めて、提出するまでは、だいたい3~4日くらいだったように思います。

そして、その後は、数件まとめて渡してもらって、同じ要領で進めました。

最後に

なんか割と煩雑になってしまったし、伝えたいことは、うまく書けてないし・・・という感じですが、初めての仕事はこんな感じでしたね。

個人的には、事務所の仕事にあまり抵抗感なく入れたのは良かったように思います。

どうやって仕事を進めているか(もっと具体的に)知りたいとか、そうゆう人いれば、連絡いただければ、協力したいと思います。

まぁ私より、この業界には、実務についてめちゃめちゃ詳しい方がたくさんいると思うので、誰かに相談すれば、解決するかもしれませんね。

では、あでゅー

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