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[旬杯:短歌] 勝手に大橋ちよ賞

これは私が勝手にやっている私設賞です☆
一覧からお名前伏せた状態でスキって思った短歌を選びました。
※投稿順

◎勝手に大橋ちよ賞【金賞】


浴衣きた きみのうなじの 後れ髪の
あせばむ肌に 鳴きやまぬ蝉

詠み人:okonaさん

どうしようもなく溢れ出そうになる気持ちをぐっと飲み込んでいるさまが、「鳴きやまぬ蝉」に凝縮されていてすばらしいです。
この情景を妄想して悶絶しました。



◎勝手に大橋ちよ賞【銀賞】


あの夏を忘れられずにつきつきとサイダーの泡の消えるのを追う

詠み人:佐竹紫円さん

忘れられない想いとサイダーの泡が重なって溶けていく時間を連想するステキな短歌です。
泡がはじける小さな音も聞こえてきそう。
ぽんもさせていただきました。


夕焼けの中を疾走少年は疲れることがキライくやしい

詠み人:ジーボウさん

少年の二つの矛盾する気持ちが同居している感じでとても好きです。
少年ならではですね。


思い出のソフトビニール人形は日に焼かれつつ出窓にて逝く

詠み人:SFさん

時間の流れを感じられる哀愁漂う短歌でとても好きです。
同時に心の変化も思われます。
諸行無常。


かげもなくかたちもなくゆらゆらと
こころもとなくただようものを

詠み人:春~と共に🌸さん

ひらがなであることが、どちらつかずの曖昧な感じですばらしいです。
混沌としたマインド…。

今回、短編でぽんさせていただき、主人公の人格描写の大きなヒントとなりました。
ありがとうございます☆


鉢の横
居場所見つけてしがみつく
かよわき蔓に我が身託して

詠み人:ning(ねい)さん

みんなの仲間でありたくて、必死でくらいついていく女子…というイメージが湧きました。
力を抜いて、ありのままでいいだよって応援したくなります。

ning(ねい)さんの記事を見に行きましたらスイカちゃんが網に絡みついててほっこりしました^^


自転車の
列の最後に
夜の手が
触れなんとする
夕焼けの空

詠み人:Momocoさん

なんとも絵画的な一首でうっとりです。
夕方に部活帰りの少年少女が自転車に乗って次々通り過ぎり光景に遭遇します。
そうした背中を思い起こしました。


寄せる波 言葉の海へ飛び込んで ただ響き合う音を求めて

詠み人:ニートン。さん

これはまさに、創作の時の私たち。
私はずっと言葉の海を漂っています。


君が見ていない間にゆっくりと腐敗してゆくトマトと私

詠み人:新原わたりさん

トマトと私が一緒になっているところがグチャっとしていてよいです。
ゆっくりと腐敗しているところがまた…。君はきっと気が付かないでしょう。


人魚を食べ続けた女の肉は中から爆ぜて柘榴になった

詠み人:につきさん

ホラーでよいです。
人魚の肉を食べると不老不死なると言います。
それなのに、この女は爆ぜてしまったということで、肉体に入りきらない怨念のようなものを感じました。

人魚の肉ではなくて、人魚を食べた女の肉…という表現になっているところがまた怖いです。

絵でぽんさせていただきました。


青空や飛行機雲が引いていく君と僕とのボーダーライン

詠み人:こたろうさん

青い感じがとても好きです。
飛行機雲で大胆に線引きされているようで、意外とふわっとしてる感じもいいです。

君と僕との関係もあれこれ妄想してしまいます。


あの日から止まったままのカレンダー主のいない寝室に夏

詠み人:akarikoさん

物語のある一首です。寝室の主はどうしてしまったのでしょうか。
いろいろな妄想が炸裂しそうです。


沈黙を埋めるがごとく夕立の降りしきるさま二人見つめる

詠み人:花風さん

情景が目にうかぶような一首です。
この二人の関係は、恋人とか? 恋人未満だとか…? それとも友達か、親子か…いろいろ物語を考えられそうです。


手のひらを太陽にすかしてみれば
神よ僕らはみんな無様だ

詠み人:砂の三郎さん

かっこいいです。

太陽にすかして見える血潮、命の実感を見ながら懺悔のような気持ち。
複雑な人間の心情を詠っているように思いました。

短編小説でぽんさせていただきました。
キャッチコピーのように物語全体のテーマとなりました。
ありがとうござます🌈


いつまでも点かぬ花火を持ちてまつ
逆さに気づく夏の始まり

詠み人:だいなさん

ヒラヒラしてる方に点けたくなるんですよね火。
夏休みの一コマ。哀愁も感じる一首です。


0歳が点滴をする病室で
遠くに打ち上げ花火を聞く

詠み人:みーくっくさん

私の息子も0歳のころ入退院を繰り返してました。
まさにこの状況です。

大きい手術したのがちょうど夏でした。

たまたま4人部屋に1人になってしまって、夜は電気を消した静かな病室で、息子の寝息を聞きながら窓のカーテン全開で夜景を眺めるのが私の楽しみでした。
野球場の花火が遠くに見えた日もありました。

この短歌で詠われていることは、フラッシュバックか…というくらいに私の心情に刻まれている光景です。

赤ちゃんの点滴って、腕にシーネという添木みたいなものをして固定するので、寝てるときとかに、ゴンって顔に当たってきていたいんですよね。
※添い寝できるベッドでした。


嘘だろ水を忘れた焦げた飯
野外学習一番の思い出

詠み人:セブンソードくん

これはマジで「嘘だろ…」ですね。
ご飯が炊けてないのって本当にヘコむし、なぜか笑っちゃいますよね。

その現場の様子を妄想してむふふとなりました。

きっと一生の思い出になることでしょう。


しけってる
恋とわかって
続けてる
たまに散る火が
愛と呼べそうで

詠み人:yuhi(ゆひ)さん

ニンゲンはチラッと見える本物に弱いものなのでしょうか。
わかっちゃいるけどやめられない。
恋の相手は人でなくても同じかも…と思いました。

飽きずにずっと続けていること。最初のころのように情熱はもうないけれど、時々火花が散るんです。

そんなことを考えちゃいました。


灰色の泣けない空が重たくて
渇いたままの飛べない花は

詠み人:すうふ。さん

これは歌の歌詞になりそうな一首です。
「飛べない花」という表現で、この「花」は実際の花でもあるし、誰かのことかもしれないと想像を膨らませました。


カナカナの透明な声に目覚めれば
朝か夕かも分からぬ異界

詠み人:ミモザさん

子供ができてからなかなかないですが、起きたら夕方ってこと、よくありました。
朝か夕方なのか本当にわからなくて、トワイライトゾーンに入ってしまったかのような感覚。

カナカナの声だけで人の気配がない…。そんな不思議な一瞬を思い出しました。


推しの子に SPY×FAMILY チェンソーマン鬼滅の刃 水星の魔女

詠み人:chitoseArkさん

全部見てます。全部好きです。
今年もよいアニメがたくさんですね。

夏アニメまだチェックしきれてないですが、無職転生、呪術廻戦、アンデッドガール・マーダーファルス、ゾン100、わたしの幸せな結婚などにワクワクしてます☆


以上です。

◎勝手に賞は誰でもやっていいのです~

◎旬杯 決勝ラウンド

投票は、本日 8/1 21:00まで!


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