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2冊目の本が出ました。

1月30日、朝日新聞出版より2冊目となる著書を上梓しました。
タイトルは『もっと、京都のいいとこ。』
2019年に出版した『京都のいいとこ。』の続編です。

現在も連載中の、朝日新聞デジタル「&Travel」のWEBコンテンツ「京都ゆるり休日さんぽ」の記事を大幅に加筆修正し、テーマ別に再編集した1冊です。MAPも付いていて、ジャンルでいうとガイドブックに分類されると思いますが、「読み物」であることも大切に制作しました。

京都旅行をひかえている人はもちろんのこと、旅する予定がすぐになくても、時々開いて京都の街を感じてもらえるような1冊にしたい。店主の言葉やその場の空気感を伝えつつ、WEBの記事よりもさくっと読めて余韻のある文章になるよう工夫しました。友人が京都に来るときに連れていきたいような、親密で、地元感があって、でもちゃんと京都らしさも感じられるスポットが約100軒、掲載されています。

思えば、初めての著作を世に送り出すときは、とにかく無我夢中で、自分の本と胸を張っていえる1冊にしなければと必死でした。発売当時に投稿したnoteには、うれしさと同時に緊張、愛着とコンプレックスが入り混じった複雑な気持ちが記されています(ちょっと青くさくて恥ずかしいのでリンクは貼りませんが、興味のある方は過去投稿を遡ってみてください)。そんな1冊目でしたが結果的に多くの人に手に取ってもらえ、5刷を重ねる本に成長したことは、何よりの喜びでした。

2作目は、いい意味でもっと素直に、力まずに制作できたと思います。

この本は、「京都の本」です。
私自身の創作物ではないし、人生や暮らしを表現したものでもない。
京都という街や人の魅力がまず先にあって、私はそれを編集して書かせてもらっているにすぎません。
日々の仕事を通してわかっているつもりでしたが、1作目を評価していただいたことで、思いはますます確かになりました。
「自分の本」という力みが抜けたのはきっと、それが理由です。

1作目、2作目とも、担当編集者さんに伴走していただきつつ、編集も私自身が行ないました。この一人二役、執筆の苦しみと編集の事情がお互いに主張し合い、且つどうしても自分の輪の中から抜けられないので骨が折れるのです。だから今回は、自分の中に書き手と編集者がそれぞれいて、対話するような意識で制作しました。同じ人間である以上、完全に客観視することはむずかしいのですが、自分の中に2人分の視点を持つことで、無我夢中ではなく静かな情熱を灯して、制作できたように思っています。

そして、本作りは一人ではできません。
フォトグラファーやブックデザイナー、イラストレーター、出版社の編集者や営業さん、校正師さんなどたくさんの人を経て、かたちになる。そこにはさまざまな視点と感性があり、自分で感じたままを発表できるSNSやnote、YouTubeとはまったく違います。使われなかった写真、削った文章、選ばれなかった表紙案…。どれも、できあがった本の中にはいないけれど、サブリミナル効果のように無意識のメッセージとなって、本の質を支えてくれています。

京都の人々と、敬愛する制作陣と作った本が、多くの人に手に取ってもらえることを願っています。

そしていつか、私自身のテーマで本を書くことができたらと…。
小さな目標を抱きつつ、この本の未来をフレー!フレー!と見守っている今日この頃です。

『もっと、京都のいいとこ』こぼれ話
インスタグラムでご紹介しています。よろしければこちらもご覧ください。

『京都のいいとこ。』はこちら。
『もっと、』より定番スポットが多く、京都を訪れるなら外せない店や場所が掲載されています。最新版では移転や閉店情報もできる限り反映しています。


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