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台湾のコメダで過ごした母親節

今日は「母親節」。台湾の母の日だ。
台湾に嫁いできてすぐに生まれた娘は3歳半になり、母として過ごす4回目の母の日。
旦那にどこか行きたいところはあるかと尋ねられ、間髪いれずに「どこにも行かなくていいから1人の時間がほしい」と答えた。
家族3人でどこかへ出かけるつもりだった旦那はその返答にがっかりしていたようだが、旦那に有料の遊び場に娘を連れていってもらい、3時間の1人時間を確保することに成功した。

1人でコメダ珈琲店に入る。
店内のBGMは日本語の曲ばかりで、置いてある雑誌も日本語のものがある。
店員がカタコトの日本語で「いらっしゃいませー」「ありがとうございまーす」と叫んでいる。
外は暑いが店内は冷房がとても効いていて、薄着で来たことを後悔する。
汗で首に張り付いた髪の毛が煩わしくて、何か結べるものがないかとバッグの中を探していると、店員がやってきて、母の日のプレゼントです、と言ってコメダ珈琲と書かれたシュシュを持ってきた。
タイミングの良さに驚きつつ喜んでいたら、プレゼントを受け取った証にサインをするよう言われる。日本なら、お店でプレゼントをもらってサインさせられることはきっとないだろう。
こんなにすぐプレゼントを開けて使う人なんて他にいないのではと思いつつ、さっそくもらったシュシュで髪を結ぶ。
 
コーヒーゼリーのパフェを注文して、食べながら京都を特集した雑誌のページをめくる。
静かな雰囲気の京都のカフェをおしゃれに撮った写真を見ながら、今わたしはそこにいると空想する。コメダの音の大きすぎるBGMを、脳内でシャットダウンする。

久しぶりに娘と離れて、1人きりになれた。
私自身が子どもの頃、週末に父がスキーに連れて行ってくれたが、母が一緒に行ってくれないことが不満だったのをすごくよく覚えている。
でも母になった今、あの時の母の気持ちがわかる気がする。
娘のことは大好きだし、一緒にいて楽しいけれど、こうしてたまに1人になるとほっと一息つける感じがする。
あの頃、母は私たちが出かけたあと、家で1人きりで何をしていたのだろう。
家の掃除や片付けに追われていたのではなくて、滅多にない子どもたち不在の時間を楽しんでいたのならいいなと思う。

この夏から娘は幼稚園に入る。私立の幼稚園で夏休みや冬休みといった長期の休みはないので、もし日本に帰省したければ、幼稚園を休ませるしかない。
もう今までみたいに長期で帰省するのは難しいかもしれない。
それを聞いた父は、やっと重い腰を上げて台湾に遊びに行くと言ってくれたが、母は台湾の暑すぎる気候が嫌なのと、足の調子がよくないらしく、冗談なのか本気なのかよくわからない口調で「お父さん1人で行ってね」などと言っていた。

母は本当に台湾には来ないつもりかもしれないし、父だってこれから歳をとっていけば飛行機に乗って海外へ来るのは辛くなるかもしれない。
これから両親と一緒に過ごせる時間はあとどれくらいあるのだろう。
そんなことを思いながら、母にLINEで母の日のメッセージを送った。
私が台湾で楽しく過ごしていることがわかるように、コーヒーゼリーのパフェと一緒に撮った自撮り写真も添えて。





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