ちりこ

旅館若女将 忘備録と、 毎日の出来事にヒントをもらってストーリーを書いています。

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最近の記事

色男さん 

 常連客の横川様は、モテる男なのか、女性へのアプローチがスマートなのか、さまざまな女性と宿にいらっしゃいます。  横川様は既婚者ではないので自由に恋愛を楽しまれているタイプ。私達のスタッフの中にもお気に入りを作られているようで、かわいい新入社員が入ると、話しかけにいかれています。 よっ!狩人!  そんな横川様は朱鷺の宿の空室状況(どのお部屋が空いているのか)誰が出勤しているのかまで細かく、ホームページと電話で把握して来られて、正直怖いくらい。マメなのね。それに加えてご要望も多

    • 初釜

      今年も近くのお寺の奥様と先生が食事を用意してくださいました。蕪蒸しには鯛ときくらげ、銀杏が先生流。裏千家学園を出た頃料亭でいただいた味が忘れられないのだそうです。  今年はお茶のお稽古のエッセンスもnoteに書き留めていきたいです。 初釜といえば、花びら餅。ごぼうを甘く煮て白味噌の餡をお餅に挟んだもの。ご製は仙台の売茶翁というお菓子屋さんのもの。とっても美味しく頂きましたが、以前頂いた川端道喜の試み餅、また頂く機会があればなぁ。 売茶翁も、電話がなく、並ぶのが大変なお店として

      • 年末年始のあれこれ

        12月になるとソワソワ。 旅館は、年末年始が1番忙しいのです。  それは、いろいろな飾り物であったりお餅の手配や獅子舞やお花の打ち合わせ、スタッフさんの着物の着付けがあったり自分も今年はどんな着物を着るか、などなど、準備がいっぱい。調理場さんも1週間お泊まりされる方の為のメニューを考えたり、支配人はこの重要な時期をどう乗り越えるか、シフトの調整に余念がありません。  今年も無事松の内が過ぎていきましたが、自分なりの振り返りを。 まずは、飾り物の1つ、しめ飾り。新しい歳神様をお

        色男さん 

          富子さん

          富子さんと言う白髪でオシャレなおばあさん。久しぶりに旅館に泊まりにいらっしゃいました。空気の良いこのあたりに引越しして来てから20年近くなるけれど、一度も風邪を引かれていないんだそうです。凄く元気!「それは東京よりもずっと空気がいいからなのね。」とニコニコしてお話しされています。いつも一緒に来られていたお姉様がホームに入ってからは、1人で泊まりに行くのは宿に迷惑がかかると、ずっと我慢していたけれど、マンションのメンテナンスで電気も水道も来ないから泊めてもらえるかと電話がかかっ