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トラウマ治療のその後②今も困っていること


1.トラウマ治療について書くとき、大切にしたいこと。

トラウマ治療の経験を少しずつ綴りながら、
「ああ、書く上でこういうことが大事なのかも…」と分かってきたことがあります。

それは「読んでいる方が、実際以上の効果を期待しないように気をつけたいな」ということです。

トラウマ治療の経験が書かれたものは、私にとっては「ただの私自身の経験」に過ぎないとしても、藁をもすがる思いでそうした情報を探している方もいるだろうなと…。

そういう方たちを、かえって失望させるようなことは書きたくないと思いました。
どんな人にも効果がある治療はないと思うし、そもそも「今、その治療を受けられる状態じゃない」という人もいるはずです。


そんなわけで、だいぶ前にこんなnoteを書きました。

この記事は、トラウマ治療を受けて数年たった私の現在地というか、
「完全に精神科医療と縁が切れたわけではないけど、折り合いをつけられるようになった」という話を書いてきました。

元々はこのnoteに続けて、
「トラウマ治療後の今も困っていること」
「トラウマ治療を受けて、改善したこと」

をまとめていく予定でした。
私が経験したトラウマ治療で変われた部分と限界(あくまで私1人のケースでしかありません)をきちんと書いておきたかったのです。

でも、そのときは上手くまとめられず、あっちの話を書き、こっちの話を書き…と来てしまいました。
ここ2、3日、ようやく考えをまとめられたのでつづきを書くことにしたわけです。

というわけで、いざ本題です。


2.トラウマ治療から数年、今も困っていること…

私が今、(おそらく虐待サバイバーであることの影響で)困っていることは大きく3つです。今回は症状面に絞ります。

2-1.温度差、気圧差に弱い

お天気の悪い日、気温の大きなアップダウンが続いた日は身体が重いし、頭もぼーっとしています。今の主治医に相談したことがあります。

「そうした訴えをもつ患者さんはとても多いです。ただ避けがたい困りごとであるのも事実。
今のちくわぶぶさんは、動ける日がかなり増えてきていますよね。
その流れで、段々気圧の調子の悪さも下げ幅が小さくなって、平気な日も増えてくる。その過程にいると思ってください」

と希望を持てつつも、即効性のある魔法の薬はないらしいという少しガッカリな答えが返ってきました。

ただ、お天気に影響されやすい自分の扱い方も分かってきたのは事実です。

(休養が必要な状態のときは、休養を取ることが大前提ですが)
私は「動き始める」ときに一番エネルギーを使います。だから調子が悪いときは、「動き始め」のハードルをメチャクチャ下げます。

やらないといけない内容を細かく分割して、その一欠片を目標にすることで、とにかく動き出してしまう。
そうやって一日の終わりには、
「今日も、のろのろなりに意外と動けたな」
と思えていることもあるんです。
(もちろん、あー、ダメだったら…と思う日も多いです)

とはいえ自分を扱うコツをつかむには、自分のことがよく見えることが大切で、それができるようになったのもトラウマ治療のおかげかなと思います。

危険を知らせるアラームが誤作動しなくなったので、いろんなものがクリアに把握できるようになったからです。トラウマ治療で「楽になった」理由としては、これがかなり大きいです。


2-2.怒りをめぐる悩み

治療前の私は、自分の中の激しい怒りを抑えるのに苦労してきました。治療後は「今の怒りとあいまって、怒りが増幅される苦しさ」に苦しむこともなくなり、だいぶ楽になったと思います。

ただ、今でも「怒りの扱い」は下手くそです。
まず、怒りを感じるのが遅れます。

その場で怒りを感じることができないせいで反応できず、怒りを小出しにする機会を逃して、怒りをためてしまいます。

でも怒りはどこかで決壊します。
(母のような関係を壊す怒りかたはしないけど)本当にこればかりは困っていて、対処法もまだ見つかっていません…。

つぎに、私も「怒りの表現」を練習するには、歳をとりすぎたし、守るものができてしまったということです。
怒ったりケンカしたり、抗議したり…。
こういうのはもっと若いときに試行錯誤して、失敗したかったです。

今は子どもがいる身なので、子どもが関わってくると、
「ああ今の私、失礼な対応されてるわ…」
と気づいても、ひたすら受け入れてしまう。
もっと器用にさらりとできないかなあ。日々、悶々としています。


2-3.健康体の人よりも、キャパが少ないと感じることも…

そして最後…。
私がトラウマ治療まえよりも動けていることは間違いないです。ただ健康体の人たち並みに動けているわけでもないし、常にエネルギー不足を感じながら暮らしています。

症状のなごり、というのも勿論あると思います。今での天候の影響を受けやすいから、自律神経も弱いのでしょう。

それ以外に、地味に尾を引いているのは
「20代、寝込んで過ごしてしまった」ことなのかなとも感じています。
同級生たちが、必死に自分のキャパを広げていたころですよね。やはり悔しいです。


3.キャパの少ない自分を認めて、工夫をするしかないけれど…

そんなわけで、未だに「健康体」というにはキャパの少ない私です。つい最近まで、がんばればキャパも広がるだろうという気持ちでいました。

でも、きっと「キャパがないのを前提に、エネルギーを無駄遣いしない」ほうが効率が良いんだろうな…。そんなことを気づいた今日この頃です。

今の私が、エネルギー無駄遣いしてると思うのは、怒りを小出しにせず、押さえつけること。
怒ることと、抑えつけることとで二重にエネルギーを使っているんですよね…。
その場で怒れるようになるだけで、使えるエネルギーも増えるだろうに…。

そんなことに悩みつつ、ビビりつつ、まあまあ動きながら毎日を過ごしています。
つぎのnoteでは、「それで、具体的に改善したことは?」という話をしていく予定です。よかったら、お付き合いください。


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