魚亭ペン太(そのうち公開)

落語好きのペンギン。 趣味の日記やら詩やら文章を書きます。

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読書の苦手な人へ

厚かましい話ですが、読書が苦手な人へのアドバイスというか、楽になる考え方「読書してみようかな」むしろ「別に読書ができなくてもいいんだ」くらいの気持ちにできたらいいなという感じで記事を書きます。 もちろん持論ですから話半分に聞いてください。これから話す内容もそういうものです。 まず、読書は身構えるものではないんです。 例えばこんなふうに身構えてませんか? 読書は集中力が続かないと読み進めることができない。だから他人と比べて「読書が苦手」=「自分には集中力がない」とネガテ

    • 短編『何も気にならなくなる薬』その211

      ・深淵、お断り、成り上がり「成り上がりお断り」 お店の前に看板は事情を知らない人からすれば何のことだかわからないが、彼のことを知っていれば多少は理解ができるのかもしれない。 面白半分で入る人もいれば、少し考え込んでからお店に入るのを辞める人もいる。 彼は地獄の底にいた。 深淵といってもいい。 彼の人生には、栄光と衰退、そして裏切りがあった。 彼はこうして社会の一部として復帰を果たしたが、未だに成り上がりという人種を許せないでいる。 何も関係ない人までその看板を見て、店に足を運

      • 短編『何も気にならなくなる薬』その210

        ・二頭追うもの一頭も得ず よくそんなことを言う。 しかし、追うものがない人も多々いる。 とりあえず今の生活を何とかすることに精一杯で、趣味がどうとか遊びがどうとか考える時間もなかったりする。 私にもそういう時期があった。 そもそも一頭追ってもまともに捕まるかわからない。 同じ志、同業者に横取りされるなんてことはざらにある。 「あれは俺の狙ってた獲物だ」 そんなことを騒いでも世の中は甘くない。 「名前でも書いてあったのかい?」 子供をあやすように諭される。 この獲物というのは私

        • 短編『何も気にならなくなる薬』その208

          今日も今日とてジャーナリングをやっていく。 ・近所 最近では近所付き合いは減ってしまったと嘆かれているが、隣人を頼らなくてもなんとかなる世の中になったのかもしれない。 親しき中にも礼儀ありとはいったものだが、近所であまり仲良くしすぎると一人の時間が失われてしまうこともある。 また逆も然り、人の時間を奪うこともある。 とはいえ、近くに顔見知りがいることは少なからず安心できることなのだと思いたい。 今の世の中で近所付き合いが減ったのは単純にコミュニティを広げる為の体力が現代人に

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          短編『何も気にならなくなる薬』その209

          ・事務所 ・干しぶどう ・高層ビル 高層ビルの2階。 中途半端な階層に構えているのがこの事務所だ。 そして、コーヒーを片手に読書に耽るこの男こそ、この事務所のオーナー。片口美奈都。 字面だけみれば女性のように思えるかも知れないが立派なヒゲを携えた男性だ。 「書類、目を通して頂けました?」 「あぁ、そういえばそうだった」 親の持っていた土地。 そして、そこに建てられたビル。家賃のいらない事務所。世の中で人々があくせく働く中、この男は悠々自適だ。 かくいう私もこんな男のもと

          短編『何も気にならなくなる薬』その209

          短編『何も気にならなくなる薬』その207

          今回もジャーナリングということで各テーマについて適当に書き連ねていく。 ・戦国武将 歴史を紐解くというのはとてもいいことだなと今更ながらにそう思う。 歴史的な出来事が今もなお日本人のなかに残っていることは間違いない。 地方によって考え方や生活の仕組みが違うように、その土地々々で培ったものは少なからず無意識下にある。 親から教わったことが当たり前になるように、そうした考えが代々受け継がれているのだから、先祖からも知らず知らずのうちに考え方を受け継いでいるのかもしれない。 そう

          短編『何も気にならなくなる薬』その207

          短編『何も気にならなくなる薬』その206

          テーマをいくつかあげて、それについてあれこれ考えずに書いていくのを、ジャーナリングというらしい。本当は紙とペンでやるのがいいらしいが、頭を使うことには違いないので取り入れてみる。 ・ひとつ残らず。 宴会の席、食事を囲むのはもちろんのことなのだが、主役というのはやはり会話と酒なのだろう。 食事は二の次と言っても過言ではない。 現に誰も手を付けない最後の一つは未だにテーブルを占領している。 そういうときに若い人というか食い気のある人というのは重宝される。嫌な顔せずぺろりと平らげ

          短編『何も気にならなくなる薬』その206

          短編『何も気にならなくなる薬』その206

          余計なことを気にしない。 自己の精神を整頓するのに文字を起こすのは何より健康に良い。 つまりこれは私のための処方箋でもある。 五月ももう後半だ。 こうした言い回しは常套句なのかもしれないが、人は常にそれを感じながら生きていくほかない。 余命宣告でもない限り、日に日に寿命が縮んでいる実感はない。 しかし、確実に死へ近づいている。 テレビゲームのように人間の生命力を数値化できたらどうなるだろうか。 残り少ない命に悲観的になる人もいれば、自暴自棄になる人もいるかも知れない。 良い

          短編『何も気にならなくなる薬』その206

          短編『何も気にならなくなる薬』その205

          枝葉末節(しようまっせつ) 本筋から外れた些末なこと、 要は細かすぎることに気を止めすぎということか。 仕事でもよくあることだ。 細かいことにうるさい上司とか…… しかし私もそっち側だ。 割と細かいことを気にする。 性格は大雑把にクセに。 はたして細かいことは気にしないべきか。 それに対して正否を決めつけるのは早計だと思う。 伸びすぎた木をそのままにして、後から大掛かりに剪定をするよりも、普段からこまめに手入れをしていたほうが、些細な変化に気がつける。 それはもちろん全

          短編『何も気にならなくなる薬』その205

          短編『何も気にならなくなる薬』その204

          「何事も縁」とはよく言ったものだ。 様々な縁に囲まれている。 ご近所付き合い、職場、親、友人。 はたまた、飲食店などの店員、電車を待つ列、一緒に揺られることもまた縁なのだ。 しかし、ほとんどが他人に無関心なのだから、縁というのはこっちの心持ち次第なのだと思う。 どっちかというと「何事も円」ではないだろうか。 生活をするにも、娯楽をするにもお金がかかる。 だが、そのお金を稼ぐのもまた人との縁だ。 人が人にお金を持ってくる。 直接的に、間接的に関わらず。 個人的に仕事を頼まれるの

          短編『何も気にならなくなる薬』その204

          短編『何も気にならなくなる薬』その203

          老人ホーム 指紋認証 加害者 他の場所よりも薄暗い廊下に足音が響く。 足取りが遅いためかその音は不気味さをよりいっそう引き立てている。 お仕置き部屋と呼ばれるその場所は、老人ホーム内で問題を起こした加害者が連れて行かれる部屋だ。 もちろんそんな物は老人ホームのパンフレットには載っていない。 そんなものが載っていたら誰もそこに預けようとは思わないだろう。 薄暗い廊下の先からひたすらに謝る声が響く。 「私はこんなところはもう居たくない」 「でも、帰るところなんかないだろう」

          短編『何も気にならなくなる薬』その203

          短編『何も気にならなくなる薬』その202

          よくもまあこんなくだらないことを続けられるなと、つくづく思う。 しかしまぁ、物事を斜に構えてみると、世の中の殆どがくだらないということは間違いない。 スポーツに至っては互いに球を追っかけまわして目的地へ入れるだけなのだ。 「そんなことしなくてもいいじゃない」 そんな事を言う人がいるかもしれないが、 「そんなこと」が人生に変化を与えるし、また人を個性的にするのだと思う。 くだらない夢をたまに見る。 過去の出来事の中に放り込まれて、またあのときのような苦い思いをする。 ふと、自

          短編『何も気にならなくなる薬』その202

          短編『何も気にならなくなる薬』その201

          「とにかく沢山作品を作りなさい」 「とにかく一つの作品を丁寧に練りなさい」 そんな言葉に振り回されつつあるのだが、どっちも大切なことには変わりない。 ただ作るだけでは自分の中の印象も薄くなる。 かと言って練りすぎるといつまで経っても納得できない。 コンスタントに作りつつ、しっかり考える。 結局どっちつかずな感じになる。 とはいえ、私はどっちかというとポンポン文字を打ち込む方なので雑に沢山の印象が強い。 同時に飽き性なのだろう。 時々過去のメモを掘り起こして書き直しもするが

          短編『何も気にならなくなる薬』その201

          短編『何も気にならなくなる薬』その200

          宝石 空き巣狙い リップ 空き巣に注意。 剥がれかかった張り紙にはどこか説得力が足りない。 現に隣の家は昨日空き巣の被害にあった。 「気をつけないと」 「流石に昨日の今日で、ましてや隣の家に空き巣狙いをするわけ無いでしょ」 「でも、明日ちょうど二人共出掛ける用事があるから、とりあえず戸締まりはちゃんとしておこう」 そして翌日。 「せっかく待ち合わせまでしたのに直前で仕事が入るなんてな、あいつもツイてないな、とりあえず帰るか。あれ、あいつ、帰ってきてるのかな。ただいま」

          短編『何も気にならなくなる薬』その200

          短編『何も気にならなくなる薬』その199

          祖母の家に行くと必ず出てくるのがおやつだ。 いろんなおやつを毎回用意してくれたが、中で一番多かったのはカステラだった。 なぜそこまで覚えているのか、正直なところあまり好きな食べ物ではなかったのだ。 味が嫌いというわけではなく、あの間違えて紙ごと食べてしまった記憶が、幼い私に嫌悪感を抱かせてしまっていた。 それでもお菓子を用意してくれるこの時間は嫌いではなかった。 少し心配そうに、そして楽しみにしながらお皿を出す祖母のそれは私に対する数少ないコミュニケーションだったのだ。 台

          短編『何も気にならなくなる薬』その199

          短編『何も気にならなくなる薬』その198

          用法用量を守って正しくお使いください。 説明書きには大きく記されている。 しかし、説明を読むような人間ならばこのようなことにはならなかっただろう。 彼女が眠りについてから長い事時間がたった。 彼女の意識は戻らない。 いくら泣いても現状は変わらない。それでも家族の嘆きは止まらない。 「先生、どうにかしてください」 私は人生で初めて匙を投げたいと考えた。 この患者がこうして病院にきたのは何回目だろうか。 通院記録でみれば正確な数字がわかるかもしれないが、そんなことはどうでもいい。

          短編『何も気にならなくなる薬』その198