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東洋一の栄華を誇った“日本一アクセスしやすい”廃墟【神奈川・横浜】

廃墟と言われて、どんなところを想像するでしょうか?
軍艦島のように船でなければ上陸できなかったり、人気のない山道を突き進んでいったり……
今回ご紹介するのは市民の憩いの場である公園内にそびえ立つ
“日本一アクセスしやすい”廃墟です。
それがこちら↓

めっちゃバスケットボールしてる!!
続いて、反対側と正面から見てみましょう↓

反対側
正面

美しい佇まいですね…!
ここは横浜市中区にある「横濱競馬場(根岸競馬場)一等馬見所跡」です。
明治維新より前の1866年(慶応2年)に日本初となる常設の洋式競馬場として開設。「根岸競馬場」の名称で長らく定着していましたが、1937年に「横濱競馬場」に改称され、第二次世界大戦の影響で1943年に閉場となりました。

「そんな昔からあったの?」と思いますが、これには歴史の教科書に出てきた生麦事件が関係しています。生麦事件発生後、幕府はイギリスに賠償金を支払っただけでなく、外国人居留民のために競馬のできるこの根岸の高台を提供。そして日本初の洋式競馬場「根岸競馬場」が誕生しました。当時東洋一の規模を誇ったそうで、右回りの周回コースやスタンドの構造など、のちに日本各地に作られる競馬場に大きな影響を与えました。また現在の天皇賞や皐月賞にあたるレースも行われていたそうです。

夕陽に照らされる旧一等馬見所
「横浜のラピュタ」の異名も

現在残されている旧一等馬見所は、関東大震災によりそれまでの馬見所が壊れた後、1930年にアメリカ人建築家、J・H・モーガンの設計で新たに建設されたものです。J・H・モーガンは旧丸ビルの設計を手がけたことで有名な人物。
この一等馬見所も、凛々しくそびえ立つ3基のエレベーター塔、凝ったデザインの丸窓など、実にインパクトのある建物ですね。2009年には経済産業省によって近代化産業遺産に認定されました。

根岸競馬場観覧席全景
根岸競馬場一等観覧席設計図および写真
根岸競馬場一等観覧席写真

近づくと、やはり建物の腐敗が進んでいるのがわかります。

旧一等馬見所からの眺め

この旧一等馬見所の手前の広場には、滑り台のほかにターザンロープもあって、子供たちが楽しそうに遊んでいます。
子供たちの笑い声と、それを静かに見守る廃墟。
そんなコントラストがこのスポットの魅力をより引き立てているなと思いました。

それでは、次の珍スポットでまたお会いしましょう!

・スポット:横濱競馬場(根岸競馬場)一等馬見所跡
・住所:神奈川県横浜市中区簑沢13−283
・アクセス:JR根岸線山手駅 徒歩約20分


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