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チノアソビ大全

Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュースも交えながら林田(専門:総務省地域力創… もっと読む
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記事一覧

偏見が外れる瞬間:巨峰との和解篇

5月はとにかく遊び倒したので、真面目に働いている6月の後藤です。 顧問先で待ち時間が発生したのでこれを書いているのですが、最近、というか近年、 「大人になると、価値観が変わる、というか、受け入れられるものが増えていく」 と感じる機会が増えるように思っています(あくまで当社比)。 先日、 「まつげの長いおじさん(いわゆる演歌歌手系のアイシャドウ入ってそうな外国人顔)が小さい頃こわかった」 という話を友人としまして。

論語講座(東京) vol.03のご案内&島田虎之助 篇

1. 縦の歴史と横の歴史 5月17日(金)に論語講座(東京)を開催しました。  相変わらずナチズム・ファシズムの話から島田 虎之助のお話まで脱線しまくっていて、90分かけて5段くらいしか進まないという。しかし、本当の学問というのは枝葉から辿り着く幹が大事なのです。そして、幹から枝葉へと広がっていく雑談の中にこそ、本当の学びがあります。  思えば、学校の歴史の授業で学ぶのは根幹にも到達せず、枝葉にも広がらない縦の流れを暗記するものに終始しています。  ぼくたちが学生時分には

どんなに訓練しても、事故は起きる:献杯篇

今週は、奈良と伊勢に行っておりました。 3日で5万歩以上歩きました。 あーもう帰らないとかいけないのか、と思いながらの昨日、伊勢から福岡へ戻る途中。 陸上自衛隊の手りゅう弾のニュースを目にし、言葉になりませんでした。 手りゅう弾というのがどんな爆発の仕方をするのかがわからないのでなんとも言えないのですが、破片で亡くなるということは、散弾銃のような飛び散り方をして、それが急所に命中したか、血管から入って心臓まで達してしまったか…そんなことを想像しながら、この奈良伊勢旅の目的

リスナーは、江戸にいた。:チノアソビ篇

先週はほぼ江戸で遊び倒していた後藤です。 (ちなみに、西東京は江戸じゃねぇ!という声もあろうかと思いますが、後藤の周辺というか一部では東京出張そのものを江戸への参勤交代と表現しておりますので、そのまま通させていただきます) そしていまだにCOMPLEXの余韻から抜けられず、車でずーっとDVDを観ています…。 ついには今年デビュー40周年という祭りを迎える吉川先生のLIVEのチケットをゲットしてしまいました。 佳い時間をいただいたので、お祝いに駆け付ける所存('◇')ゞ さ

死生観 -織田作之助- 篇

1.浪速のユーモアの源流織田 作之助というと、もう今の人には馴染みが薄いのかもしれませんね。しかし、その絶望的なまでに暗い物語を、見事なまでにポップに描き切った文体は、明治初期までの候文(です・ます調ではなく、語尾が「そうろう」で終わっていた文体)を、現在の日本語に仕立て直して創作した夏目 漱石を経て、上方文学の集大成(それも全国的に売れた!)です。  昭和15年、織田 作之助こと通称、織田作(おださく)が27歳のときに書いた『夫婦善哉』は、五年間の雌伏の時を経て戦争が終わ

大人になるって素敵なことね♪:BE MY BABY篇

一昨日、今年も515事件を迎えまして、齢44となりました。 コメントやメッセージをくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)> 思えば昨年は、月曜担当の林田先生の投稿が間に合わないので「俺がバースデー投稿しとくわ!」とかってやってたんだけど、気付けばもうすっかりそれも気にしなくなり(笑)。 ほんと皆さま、ほぼ後藤大全なのにお付き合いくださりありがとうございます。 立ち上げ以来、一度も更新を飛ばしてない自分を自分で褒めたりはしません。 (委員会の娘なんで、決めら

チノアソビ再開します:お待たせしました篇

福岡はここ数日鬼のように気温が下がり、ちょっと喘息を出したり頻脈になったりラジバンダリしている後藤です。 さて。今日は5月10日。そう、510の日。 我が家も父から受け継いだ「510」を普段遣いしております。 それは小4の砌。 小体連のメニューでバスケットを選んだ後藤は、バスケットシューズ、いわゆる「バッシュ」なるものを、しかもよりによってコンバースのごっついやつを買ってもらい、「初心者がこの重さで走り回れるのか」問題を携えながらも、まぁ頑張ろうと思っていたわけです。 よ

死生観 啄木 篇

1.金にルーズな天才詩人石川 啄木といえば、日本人の誰もがその名を知る天才詩人のうちの一人といってよいでしょう。 という歌を由来とした傑作『一握の砂』。この中に収められている幾つかの詩は、覚えていなくとも日本人の記憶のどこかに、まさに一握の砂のように落とし込まれていて、一度も聞いたことがないはずのビートルズのフレーズをなぜか知っているような、そんな感慨を持つにいたるのであります。  説明も全く必要がないほど、貧乏です。本当の貧困とはかくあるべきか。しかし啄木はニートという

劇場版名探偵コナン・最新作の横糸と縦糸:ネタバレになるようでならない解説篇

世の中はGW(ゴールデンウィーク)。この文化はあくまでもJAPANオンリーであり、とある映画が発端である、という話はかつてチノアソビのコナン回でしたのだが、 後藤にとっては、毎年コナンが来ればGWだし、コナンを観終わったらGWは終了。 しかし、今年はちょっと待てずに4月下旬には観に行ってしまった。 昨年の『黒鉄の魚影(サブマリン)』が凄まじい興行収入(以下:興収)をたたき出し、国民的映画になったと言われはじめたなか、翌年というのは何かと気になるもので、いてもたってもいられ

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チノアソビBAR:明日開店篇

君が想うよりもぉ~♪ 僕は、君が、好き♡ と唄ったのはASKAだが、 何度名前が変わっても たぶんきっと、君のことはずっとこう呼ぶよ。 「福岡ドーム」って。 と、エモを叫んでしまいたくなる程度には、「みずほPayPayドーム」への衝撃が街に浸透している気がする。 ま、どんな名前になろうと「福岡ドーム」と言ってしまう後藤はそれ以前だったりするのだが。 (とはいえ、原稿などにはちゃんと正式名称を書くのでご安心を) ☝「博多弁の女の子は可愛いと思いませんか?」の作者・新島秋一

論語講座(東京) vol.03のご案内&島田虎之助 篇

1. 縦の歴史と横の歴史 5月17日(金)に論語講座(東京)を開催しました。  相変わらずナチズム・ファシズムの話から島田 虎之助のお話まで脱線しまくっていて、90分かけて5段くらいしか進まないという。しかし、本当の学問というのは枝葉から辿り着く幹が大事なのです。そして、幹から枝葉へと広がっていく雑談の中にこそ、本当の学びがあります。  思えば、学校の歴史の授業で学ぶのは根幹にも到達せず、枝葉にも広がらない縦の流れを暗記するものに終始しています。  ぼくたちが学生時分には

癖と現状のあいだ:福岡都市開発篇

昨夜のこと。 トイレに入ろうとして、右足の薬指を壁にぶつけて悶絶した。 つい数日前にネイルを変えたばかりなのに、爪が割れでもしたらまたネイルサロンに行かねばならぬ、そしてまた怒られるんだろうなぁ、などと余計な考えが一瞬で駆け巡る。 不幸中の幸いで爪は割れてはいなかったが、おそらくネイルの下で打撲した爪はダメージを喰らっているだろう。 半年後にそのときの傷みがあがってくるはずだ。 歳を重ねると、知識が増え、できることが増え、経験が増え、しわも増え、といろんなものが増える気がす

なぜ生きるのか、どう生きるのか。:宇久島メガソーラー篇

今週頭、大変複雑なニュースが飛び込んできた。 五島本でも取材した、五島列島最北端の島・宇久に日本一のメガソーラーが着工という報道。 離島を覆う太陽光パネル152万枚 「日本一」のメガソーラー本格着工へ 長崎・宇久島 実は五島本の中でも冒頭で書いたのだが、宇久島は平成の大合併で佐世保市に吸収され、それまで独立した自治体として稼働していた様々なセクションが九州本土の佐世保市管轄に統合されてしまった。 その結果、教育委員会ひとつをとっても本庁の意向なしでは実行の権限も予算も

裏金問題と四知 篇

1.裏金問題の本質 自民党が、いわゆる「裏金問題」(本義的には政治資金問題と言うべきか)で揺れているんですけれども、個人的には、あのぉ、何というんでしょう、そのぉ、大したことないんじゃないのかなぁ、と感じているわけです。  いや、全体的に見ると大したことなんですね。でも、なんか「裏金」というワードが先行して、本質を見失っているような気がしてなりません。だって、そもそも、政治資金規正法に基づく収支報告書に記載しなかっただけじゃないですか。  そもそも政治資金パーティーなどに