39歳ワーママが、慶應大学院に合格するまでの46日間【前半は無料で読めるよ】
4月から大学院生になることを、前回書きました。
私が慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科の受験を決意してから、1次試験まで、たった12日間。しかもそのうち、はじめの5日間はアメリカ旅行中でした。そこから2次試験を経て、合格通知を手にしたのは46日後。日本人で合格したのは、私の受けた時は10名ちょっとでした。
「こんなにスピーディに大学院って受かるの?」
今の私が見ても仰天のスケジュールです。
私は高校時代、勉強が嫌いで苦手でした。当然ながら慶應を受けるなんて夢のまた夢。さんざん私に「勉強しなさい!」と怒ってきた母は、「あんた、そんなに勉強好きだった?」と、この決断をポカーンとした顔で見ています。
そうなんです。私はもともと受験勉強ができるタイプではなく、仕事をして育児や家事をして・・という、ごく普通の毎日を送るワーママです。
でも今回受験してみて、大学院受験は社会人や育児など多様な経験がある人ほど有利に働くと思いました。さらにゴールまでスケジュールを切り戦略的に進めるのは、社会人になってからの方が圧倒的に得意になっているはず。
そして何か勉強したいテーマがある人ほど、大学院の受験はとても面白くて、全力で挑むだけでも意味があると胸を張って言えます!
今回は合格するまでの46日間の様子、具体的な志望理由書などの書き方、面接対策の仕方をお伝えします。私が大学院を受ける前に「これが知りたかったんだよ!」と思う情報を、全て詰め込みました。大学院へ合格したい方はきっと参考になるはずです。
受験の戦略を練る!
大学院に興味が湧いたときに、まず最初に確認すべきは受験内容です。私の受験した慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科は、1次試験の書類選考と、2次試験の教授面接に分かれていました。
1次試験で合格した人しか2次試験に進むことができないし、面接では1次の提出物に沿った内容を話す必要があるため、1次試験がこの受験の肝になると思いました。そこには以下の書類提出が必要でした。
志望理由、ビジョン、実績まで、全部合わせると20,000字!まっさらな白紙の状態から、12日後には20,000字を完成度を高めた状態で提出する必要があります。
しかし、締め切りに追われて仕事を完成させることも、0→1のものを作り上げることも、社会人生活で慣れっこの私。しかも子供が産まれてからは、働ける時間が限られるぶん、スピーディに物事を進める癖がついています。「やってやるかぁ!!!」と、締め切り前の馬鹿力を存分に発揮できる気がしました。
ただ、何も計画を立てずに突き進むのだと、きっとこの短期決戦には負けてしまいます。そこで私は頭の中で受験の戦略を立てました。その戦略とは、以下のような計画に沿って準備することです。
先に書いたように、私は本格的に受験を決めてから1次試験までの5日間、アメリカ旅行中でした。そのため旅行中でもできるものを「下調べ期」に組み込みました。旅行中の移動時間や、子供たちが寝た後&起きる前の時間などで、無理のない範囲で進めました。(そうは言っても観光優先でした)
そうしてアメリカ旅行から帰ったら、3連休がありました。ここが「執筆期」のヤマになるように準備を進めました。それぞれの時期にやったことについて、ここから詳しく解説していきます。
0、ボンヤリ期
小さく行動しながら迷うべし
「大学院を受験しようかな、どうしようかな」と迷っていたこの時期は、去年2023年12月中旬。
YouTubeで大学院の説明会動画を見たり、卒業生のインタビューを読んだりして大体の情報や雰囲気をつかみました。この時期は「なんだか楽しそう」と妄想がふくらんで、ワクワクと楽しい時期でした。
しかし1次試験の日程が、そこから1ヶ月ないことを知ります。私は受けるかどうかわからないけれど、とりあえず卒業した大学から「卒業・成績証明書」を取り寄せました。受けなくても数百円の損失で済むし、これがないと大学院を受けることができないので、先に済ませておいてよかったことの1つです。
さらに迷う時期にやっておいてよかったのが、合格した人の「志望理由書」や「研究計画書」を読んでおくこと。
大学院で求められる文章は、就活や転職活動で書いてきたものとは大きく違って、文章の流れの型があります。文章の雰囲気も私がこうしてnoteや仕事で書くものとは全然違い、かなりアカデミックな文体で書く必要があります。そうした傾向をつかむためにも、志望理由書・研究計画書を読んでおくのはマストだと思いました。私が読んだ中で、以下の本は今回の受験でとても役立ちました。
そもそも「研究計画書」って何なのか、構成のつくりかた、先行研究の調べ方、分析の方法など、大学院入試の要である研究計画書を書くのに必要な情報が全て網羅されていました。私は今まで「研究」というものをしたことがないので、基礎的な部分からこの本を読むことで理解できました。
「志望理由書」と「研究計画書」の書き方で参考になったのがこの本です。この本はMBA受験のための本ですが、同じく社会人からの受験をする私にとって、「職場でのどのような経験を背景に、大学院の志望理由へと論理展開していくか」という視点が大きく参考になりました。
また「私には書ける職場の実績なんてない」と思う方も、この本を読むときっと、書けるネタが見つかりそうだと思います。
大学院を受けようか迷う時期は、小さくできることを進めながら考るのがおすすめです。語学や小論文が必要な大学院であれば、それらの対策をしてみながら考えたり。ただ考えるよりも、動きながら考えると思わぬ発見があるし、時間を無駄にせず進められます。
(それでやっぱり辞めたとなっても、調べたこと・勉強したことは自分の中に絶対に残ります!)
1、下調べ期
本を読み考えた2つのこと
そうして大学院受験を決意してからの「下調べ期」には、とにかく志望大学院の中で、興味のある研究を行っている教授の書いた本を読みました。私の志望教授の書いた本は10冊くらいあり、それら全てをまずは一次受験までに読むことを目標にしました。
この時、ただ漠然と読むのではなく、以下2点を意識しながら読みました。
私はこの下調べ期はアメリカ旅行中だったので、kindleで本を買って読むことが多かったのですが、kindleだとアンダーラインを引け、自分がラインを引いた箇所だけを後から見返すことができます。志望理由書を書くときや面接前などに読み返すのにとても便利で時短でした。
研究テーマのヒントになった夫の一言
そうして本を読みつつ、考えていたのは「研究テーマ」のこと。
大学院入試には自分のやりたい研究テーマこそが受験の肝といっていいくらい、重要視されます。この研究テーマは、私が仕事でつくる「コンセプト」に似ていて、志望理由書・研究計画書・面接など、大学院受験におけるすべての提出物を一気通貫するテーマである必要があります。
この研究テーマを考えるとき、私は夫の「ある一言」から、仕事に関する悩みが浮かび上がり、それがヒントになりました。
その内容はちょっとプライバシーに踏み込んだ内容になり、全体に公開することが少しはばかられるため、ここから先でお話しさせてください。
その研究テーマを考える時のヒントになったのは、あるときの夫の一言でした。
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