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平隊士の日々 元治元年皐月十四

元治元年皐月十四  


森を起こして、布団をしまい、掃除して、稽古。

朝食、梅干し、味噌汁、豆腐、ご飯。

本日の隊務割。
午前が当直、午後が東巡察、夜が西巡察。

当直なので、準備をして稽古していると、
監察方より、高瀬川沿いの東九条河原町の船宿の南家で、
五番隊にけが人が出ているとのことで、急いで、向かう。
監察方からの話では、
十番隊が表から捕縛に入ったら、十数人の浪士が裏に逃げ、
五番隊と鉢合わせしてしまい、いきなり隊士数人が斬られ、
今も、高瀬川の河原に追い詰め斬り合っているとのこと。
高瀬川に着いた時には、
浪士は捕縛されており、斬り合いには参加せず。
五番隊の和田隼人と牧野源七郎が大怪我、
木島芳太郎が足の指を落とす怪我をしている。
大八車を借りてきて、南部先生のところに運ぶ。

昼食、焼き魚、出汁とろろ、大根の味噌汁、漬物、ご飯。

一番隊と東巡察。
巡察に出ようとしたら、山南総長が俺も行くとついてきた。
木屋町通りの大門字町に入ったところで、浪士を発見。
沖田組長が合図をしたので、一番隊が後ろに回るべく、路地に走る。
井上組長が立ち止まり、山南総長がゆっくり近づき誰何した。
浪士が懐から何かを出して、総長に見せている。
総長が礼をして、わきを通り抜け、沖田組長に向かって歩く。
浪士が通り過ぎて、井上組長が、山南総長に話しかける。
「どこの藩士ですか?」
「長州藩士の石川清之助と言っていたな。」
「ふーん」
「坂本君と同じなまりがあったが、藩さつを持っていたから、関係者には違いあるまい。」
「そうですか。」
そのまま、巡察を続け屯所に戻る。

夕食、ネギ雑炊、漬物、玉子。

三番隊と西巡察に出る。
特に何もなく、屯所に戻る。
西岡、森と少し飲んで寝る。


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