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平隊士の日々 元治元年皐月十七

元治元年皐月十七  


森を起こし、朝食の準備。
ご飯を炊き、昨日の炊いたんを皿に盛り、漬物を出し、味噌汁を作る。

朝食、炊いたん、漬物、味噌汁、ご飯。

本日の隊務割。
午前が当直、午後が西巡察、夜が東巡察。

土方副長が、
「幕府直属の京都見廻組と言う組織が出来、
巡察で会うこともあるだろうが、問題を起こさないようにすること。」
昨夜、角屋であったのがそうかな、
組長に任すしかないかな、と思う。

当直なので、いつでも出れる準備をして、稽古。

昼食、魚の味噌漬け焼き、茶碗蒸し、澄まし汁、漬物、ご飯。

十番隊と西巡察。
今川通りから東堀川通りを戻る途中、
以前、会ったことのある長州藩士、石川清之助に合う
井上組長が礼をして通り過ぎたので、
原田組長、
「源さん、どこの藩士です?」
井上組長、
「長州藩士だ。これから薩摩藩邸に用があっていくそうだ。」
原田組長、
「見た感じ、長州藩士ぽくないですね。」
井上組長、
「何か理由があるのだろう。」
特に何事もなく、屯所に戻る。

夕食、山鯨の味噌漬け焼き、ネギ雑炊、味噌汁、漬物。

三番隊と東巡察。
斎藤組長、
「午後に東巡察に向かった新八さんが、京都見廻組ともめたらしい。」
井上組長、
「まぁ、新八さんも喧嘩早いからなぁ。わしらも気を付けないとな。」
そこへ、新選組の提灯を見た武士の集団が近寄ってきて、
「わしらは、京都見廻組のもだ。御所の周辺は、我々が見廻る。」
井上組長、
「松平さま、お預かりの新選組と申します。
ご用件は松平さまを通してお願いします。」
「なにをっ」
井上組長、
「松平さまのご指示にて、京都の治安巡察を行っているので、
どうぞ、松平さまにお目通りの上、ご指示ください。」
「うぅむ・・・」
井上組長「行くぞ」
速足で脇をすり抜け、巡察を続けて、屯所に戻る。
西岡と少し飲んで寝る。


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