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IAEA 報告書 2023年07月

Twitter (現 X)で、ももまろ さんとやり取りをしている中で、  

と言われ、自分が関係した場所や技術ぐらいには
アンテナを張っていますが、 使うところがないですね。
まぁ、自己満足でしかありません。
と言う返答をしたので、これは記事にしなければと思いました。

処理水放出に反対する方も、賛成する方も含め、 
多くの方々が、直接、IAEAの報告書を見ていないような気がするので、  
直接見ることができるページを記事にします。  

リポートは英語ですが、それほど難しくはないです。

https://www.iaea.org/sites/default/files/iaea_comprehensive_alps_report.pdf

一部を訳してみます。

IAEA包括報告書の概要
事務局長序文 III
要旨 IV
第1部 序論 1
1.1. 背景 1
1.2. 包括的な報告書 9
1.3. IAEA国際安全基準 10
第2部 安全の基本原則との整合性評価 13
2.1. 安全に対する責任 14
2.2. 政府の役割 15
2.3. 安全のためのリーダーシップとマネジメント 17
2.4. 正当化 18
2.5. 防護の最適化 20
2.6. 個人に対するリスクの制限 23
2.7. 現在および将来の世代とその環境の保護 25
2.8. 事故の防止 28
2.9. 緊急事態への備えと対応 29
2.10. 既存の放射線リスクを低減するための防護措置 31
第3部 安全要求事項との整合性評価 33
3.1. 規制管理および認可 33
3.2. 排出を管理するシステムとプロセスの安全関連側面 43
3.3. 発生源の特性評価 54
3.4. 放射線環境影響評価 59
3.5. 線源および環境モニタリング 84
3.6. 利害関係者の関与 94
3.7. 職業放射線防護 98
第4部 モニタリング、分析および裏付け 103
4.1. 裏付け活動の概要 103
第5部 今後の活動 111
5.1. レビュー任務 112
5.2. IAEAの独立サンプリング、データの裏付け、分析 114
5.3. リアルタイムモニタリング 115
5.4. FDNPSにおけるIAEAの継続的プレゼンス 116
参考文献 117
寄稿者リスト 119
付録1:IAEAのレビューミッションと公表された技術報告書の概要 121
付属書 2:IAEA の安全レビューで使用された関連国際安全基準の概要 122
付属資料3:東京電力の実施計画および規制当局の規制審査マイルストーンの更新・修正リスト 123
付録4:FDNPSに適用される日本の法規制条項 125
付録5:環境中のトリチウム 129

環境についての部分は

2.7. 現在と未来の世代とその環境の保護

世代とその環境
現在と未来の人々と環境は、放射線リスクから保護されなければならない。

将来世代と環境の保護は、正当化、最適化、個人のリスク制限の概念に
組み込まれた重要な概念である。
それにもかかわらず、国際安全基準では別個に示されている。
この基本的な安全原則は、現在および将来の人々と環境を
放射線リスクから保護しなければならないというものである。

その活動の一環として、日本政府と東京電力は、放出に起因する
放射線リスクが国境を越え、長期にわたって継続する可能性があることを
考慮しなければならない。
排出に起因する放射線リスクは、国境を越え、長期にわたって持続する
可能性があることを考慮しなければならない。
したがって、排出を規制するための措置は、現在および将来において
起こりうるあらゆる結果を考慮したものである。
特に重要なのは、国際的な安全基準は、地元住民だけでなく、
放出から遠く離れた住民にも適用されるということである。
また、その影響が何世代にもわたる可能性がある場合には、
次の世代を適切に保護しなければならないし、
何世代にもわたって影響を及ぼす可能性がある場合、
その後の世代は、重要な保護措置を講じる必要なく、
適切に保護されなければならない。

これは、現在FDNPSで想定されているALPS処理水の長期的な排出方法を
考慮すると、重要な基本的安全原則である。
FDNPSにおけるALPS処理水の排出について現在想定されている
長期的なアプローチを考えると、これは重要な基本的安全原則である。
IAEAは、その作業を通じて、東京電力が作成し
NRAが審査したREIAでは、
近隣諸国の代表的な人々に線量が検出されず、
無視できるものであることを示していることを指摘している。

将来の世代の適切な防護を確実にするために、
タスクフォースは、被曝線量ではなく、被曝確約線量がコンプライアンスを決定するための基本的な量であることを確認することを決定し、
国際安全基準への準拠を決定するための基本的な量は、
発生した線量ではなく、線量のコミットメントであることを確認し、
国際安全基準への準拠を決定するための
基本的な量が被曝確約線量であることを決定した。
線量を評価するための基本的な量は、
1年間の外部被ばくによる線量とする。
その年の外部被ばくによる線量に、その年の放射性核種の摂取による
線量を加えたものでなければならない。
つまり、計算される年間総線量は、生涯(70歳までと仮定)にわたって
放射性核種の摂取から受ける線量となる。
このことは、計算された年間総線量が、
指定された年に海洋に放出されるALPS処理水による放射性核種の摂取から
生涯(70歳までと仮定)に受ける線量であることを意味する。

トリチウム、14C、129Iの総放出量は、ALPSの処理水から放出される
放射性核種をはるかに下回る。
これらの放射性核種は、宇宙線と大気圏上層部のガスとの
相互作用のような、自然過程、宇宙線と大気上層部のガスとの
相互作用のような、毎年の自然プロセスによって生成される
これらの放射性核種の量をはるかに下回ることに留意すべきである。

参考

宇宙線による大気中での自然プロセスによる3 H、14C、129Iの生成
太陽コロナ質量放出に由来する高エネルギー粒子による大気中の生成
太陽からの直接降着。
地球上の自然なプロセスによって生成されたトリチウムは、
速やかに次のものに変換され、地球規模の水循環に入る。
自然プロセスによるトリチウムの年間生産量は約280グラムと推定され、
太陽周期の変動による宇宙線強度の変化により、
年間発生量は220~330グラムの間で変動する。

年間の平均値280グラムは、年間100PBq(10万TBq)の放射能に相当する。 世界のトリチウム在庫は約2,000PBq(2,000,000TBq)と推定される。
この 毎年放出される処理水中のトリチウムの限度量は22TBqである。
これは、自然プロセスによる地球上の年間発生量の約5,000分の1であり、
年間発生量の年ごとの変動よりもはるかに少ない。

まぁ、このように中国の放射線科学者も含めた、ICRPの提言を遵守して、
IAEAの報告書に明記しており、本文には

ICRPが設定した環境保護のハイレベルの目的は、生物多様性を維持し、
生物種の保全と自然生息地の健全性を確保することである。
生物多様性を維持し、種の保存と自然生息地の健全性を確保すること
であり、 生態系の健全性を確保することである。
動植物の個体群に対する放射線リスクはごくわずかで
無視できると予想される。
動植物への影響を評価する方法は、放射線の影響に関する現在の
科学的知見に基づいている。

実際の被ばく量の記述

被ばく線量は、ヒラメが0.0000007(0.7E-06)mGy/日、
カニが0.0000007(0.7E-06)mGy/日、
褐藻類が0.0000008(0.8E-06)mGy/日でした。
これらの値は、国際的な安全基準の一例として示され、
ICRPによって設定された派生的考慮基準レベル(DCRL)を
はるかに下回っている。

まぁ、文章が長くなったので、
見ない人は見ないでしょう。
それでも、英語が苦手で、世界の国際機関のHPの報告書など
見つけ難い場合もありますので、
おおざっぱではありますが、
最新のIAEAの報告書の抜粋となります。 


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