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キリスト教について(2)

前回の記事で、「イエスが言った」と言う文章を知りたいと言う 
話があったので具体的にマルコ福音書から、 
その部分を抜き出して、見てもらえればわかりやすいので 
先に、その部分を抜き出して記事にします。 

ただ、マルコ福音書の一番古い言語で残っているのは、 
ギリシャ語のモノになります。 
文章の特徴から、書いた人は日常的にはラテン語を使っており、 
イエスの時代に話されたアラム語にルビを振っていたりしています。 
ラテン語、ギリシャ語、日本語の文法や連結語が異なる為、 
日本語にすると文章が少しおかしく感じるところがあります。 

マルコ福音書

01:38イエスは言われた。
「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。
そのためにわたしは出て来たのである。」
02:19イエスは言われた。
「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。
花婿が一緒にいるかぎり、断食はできない。
02:20しかし、花婿が奪い取られる時が来る。
その日には、彼らは断食することになる。
02:21だれも、織りたての布から布切れを取って、
古い服に継ぎを当てたりはしない。
そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、
破れはいっそうひどくなる。
02:22また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。
そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、
ぶどう酒も革袋もだめになる。
新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」
02:25イエスは言われた。
「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに
何をしたか、一度も読んだことがないのか。
02:26アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、
祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、
一緒にいた者たちにも与えたではないか。」
02:27そして更に言われた。
安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。 02:28だから、人の子は安息日の主でもある。」
04:11イエスは言われた。
「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、
外の人々には、すべてがたとえで示される。」
04:13イエスは言われた。
「このたとえが分からないのか。
では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。」
04:21イエスは言われた。
「ともし火を持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためだろうか。
燭台の上に置くためではないか。」
04:11イエスは言われた。
「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、
外の人々には、すべてがたとえで示される。
04:12それは、『彼らが見るには見るが、認めず、聞くには聞くが、
理解できず、こうして、立ち帰って赦されることがない』
ようになるためである。」
04:13イエスは言われた。
「このたとえが分からないのか。
では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。
04:14種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。
04:15道端のものとは、こういう人たちである。そこに御言葉が蒔かれ、
それを聞いても、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれた御言葉を奪い去る。 04:16石だらけの所に蒔かれるものとは、こういう人たちである。
御言葉を聞くとすぐ喜んで受け入れるが、
04:17自分には根がないので、しばらくは続いても、
後で御言葉のために艱難や迫害が起こると、
すぐにつまずいてしまう。
04:18また、ほかの人たちは茨の中に蒔かれるものである。
この人たちは御言葉を聞くが、
04:19この世の思い煩いや富の誘惑、その他いろいろな欲望が心に入り込み、御言葉を覆いふさいで実らない。
04:20良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて
受け入れる人たちであり、ある者は三十倍、ある者は六十倍、
ある者は百倍の実を結ぶのである。」
04:21イエスは言われた。
「ともし火を持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためだろうか。
燭台の上に置くためではないか。
04:22隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、公にならないものはない
04:23聞く耳のある者は聞きなさい。」
04:24また、彼らに言われた。
「何を聞いているかに注意しなさい。あなたがたは自分の量る秤で
量り与えられ、更にたくさん与えられる。
04:25持っている人は更に与えられ、持っていない人は
持っているものまでも取り上げられる。」
04:26イエスは言われた。
「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、
04:27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、
どうしてそうなるのか、その人は知らない。
04:28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、
そしてその穂には豊かな実ができる。
04:29実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」
04:30イエスは言われた。
「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。
04:31それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、
地上のどんな種よりも小さいが、
04:32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、
葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」
05:34イエスは言われた。
「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。
もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」
06:38イエスは言われた。
「パンは幾つあるのか。見て来なさい。」
07:06イエスは言われた。
「イザヤは、あなたたちのような偽善者のことを見事に預言したものだ。
彼はこう書いている。
『この民は口先ではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。
07:07人間の戒めを教えとしておしえ、むなしくわたしをあがめている。』
07:08あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」
07:09イエスは言われた。
「あなたたちは自分の言い伝えを大事にして、よくも神の掟を
ないがしろにしたものである。
07:10モーセは、『父と母を敬え』と言い、
『父または母をののしる者は死刑に処せられるべきである』
とも言っている。
07:11それなのに、あなたたちは言っている。
『もし、だれかが父または母に対して、「あなたに差し上げるべきものは、何でもコルバン、つまり神への供え物です」と言えば、
07:12その人はもはや父または母に対して何もしないで済むのだ』と。
07:13こうして、あなたたちは、受け継いだ言い伝えで神の言葉を
無にしている。また、これと同じようなことをたくさん行っている。」 
07:18イエスは言われた。
「あなたがたも、そんなに物分かりが悪いのか。すべて外から
人の体に入るものは、人を汚すことができないことが分からないのか。
07:19それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、
そして外に出される。こうして、すべての食べ物は清められる。」
07:20更に、次のように言われた。
「人から出て来るものこそ、人を汚す。
07:21中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。
みだらな行い、盗み、殺意、 07:22姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、
ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、
07:23これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。」
07:27イエスは言われた。
「まず、子供たちに十分食べさせなければならない。
子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない。」
07:29イエスは言われた。
「それほど言うなら、よろしい。家に帰りなさい。
悪霊はあなたの娘からもう出てしまった。」
09:12イエスは言われた。
「確かに、まずエリヤが来て、すべてを元どおりにする。
それなら、人の子は苦しみを重ね、
辱めを受けると聖書に書いてあるのはなぜか。
09:13しかし、言っておく。エリヤは来たが、彼について聖書に
書いてあるように、人々は好きなようにあしらったのである。」
09:23イエスは言われた。
「『できれば』と言うか。信じる者には何でもできる。」
10:05イエスは言われた。
「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。 10:06しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。 10:07それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、
10:08二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。 10:09従って、神が結び合わせてくださったものを、
人は離してはならない。」
10:18イエスは言われた。
「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。
神おひとりのほかに、善い者はだれもいない
10:19『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、
父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」
10:29イエスは言われた。
「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、
家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、
10:30今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も
百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。
10:31しかし、先にいる多くの者が後になり、
後にいる多くの者が先になる。」
10:52イエスは言われた。
「行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」
11:22イエスは言われた。
神を信じなさい
11:23はっきり言っておく。
だれでもこの山に向かい、『立ち上がって、海に飛び込め』と言い、
少しも疑わず、自分の言うとおりになると信じるならば、
そのとおりになる。
11:24だから、言っておく。祈り求めるものはすべて既に得られたと
信じなさい。そうすれば、そのとおりになる。
11:25また、立って祈るとき、だれかに対して何か恨みに思うことがあれば、赦してあげなさい。そうすれば、あなたがたの天の父も、あなたがたの
過ちを赦してくださる。」
11:29イエスは言われた。
「では、一つ尋ねるから、それに答えなさい。
そうしたら、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。 11:30ヨハネの洗礼は天からのものだったか、
それとも、人からのものだったか。答えなさい。」
12:17イエスは言われた。
皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」
12:29イエスは言われた。
「第一の掟は、これである。
『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。 12:30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、
あなたの神である主を愛しなさい
。』
12:31第二の掟は、これである。
隣人を自分のように愛しなさい。』
この二つにまさる掟はほかにない。」
12:38イエスは言われた。
「律法学者に気をつけなさい。
彼らは、長い衣をまとって歩き回ることや、広場で挨拶されること、
12:39会堂では上席、宴会では上座に座ることを望み、
12:40また、やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。
このような者たちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。」
13:02イエスは言われた。
「これらの大きな建物を見ているのか。一つの石もここで崩されずに
他の石の上に残ることはない。」
13:05イエスは言われた。
「人に惑わされないように気をつけなさい。
13:06わたしの名を名乗る者が大勢現れ、
『わたしがそれだ』と言って、多くの人を惑わすだろう。
13:07戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞いても、慌ててはいけない。
そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。
13:08民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、
方々に地震があり、飢饉が起こる。
これらは産みの苦しみの始まりである。
13:09あなたがたは自分のことに気をつけていなさい。
あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で打ちたたかれる。
また、わたしのために総督や王の前に立たされて、証しをすることになる。 13:10しかし、まず、福音があらゆる民に宣べ伝えられねばならない。
13:11引き渡され、連れて行かれるとき、
何を言おうかと取り越し苦労をしてはならない。
そのときには、教えられることを話せばよい。
実は、話すのはあなたがたではなく、聖霊なのだ。
13:12兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。 13:13また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。
しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」
14:06イエスは言われた。
「するままにさせておきなさい。なぜ、この人を困らせるのか。
わたしに良いことをしてくれたのだ。
14:07貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるから、
したいときに良いことをしてやれる。
しかし、わたしはいつも一緒にいるわけではない。
14:08この人はできるかぎりのことをした。
つまり、前もってわたしの体に香油を注ぎ、埋葬の準備をしてくれた。 14:09はっきり言っておく。
世界中どこでも、福音が宣べ伝えられる所では、
この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」
14:24イエスは言われた。
「これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。
14:25はっきり言っておく。
神の国で新たに飲むその日まで、
ぶどうの実から作ったものを飲むことはもう決してあるまい。」
14:27イエスは言われた。
「あなたがたは皆わたしにつまずく。
『わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう』
と書いてあるからだ。
14:28しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」 14:29するとペトロが、「たとえ、みんながつまずいても、
わたしはつまずきません」と言った。
14:30イエスは言われた。
「はっきり言っておくが、あなたは、今日、今夜、鶏が二度鳴く前に、
三度わたしのことを知らないと言うだろう。」
14:62イエスは言われた。
「そうです。あなたたちは、人の子が全能の神の右に座り、
天の雲に囲まれて来るのを見る。」

以上が、マルコ福音書に見られる「イエスは言われた。」と言う
部分を抜き出したものになります。
一番前に書かれている数字は 章:節 になります。
日本語訳なので、文章を読んでも意味がとれない部分もありますが、
古代ギリシャ語の文法の場合、
大文字のみで、単語間のスペース無しで書かれていた為、
「イエスは~」と言う場合、Ο Ιησούς δήλωσε.
「イエス(Ἰησοῦς」と言う文字の前に「Ο」が加えられ表記されます。
日本語の聖書では、「イエスは言われた~」と言う文章と、
「イエスは~と言われた」と言う文章で表記され、
日本語では同じ意味で使われますが、
ギリシャ語では、「イエスは言われた。」は
「Ο Ιησούς δήλωσε.」と言う文字になり
「イエスは~と言われた」は
「Ο Ιησούς είπε ~.」と言う文字になり異なります。
詳しくは、ギリシャ語の文法を見てください。

内容的には、当時は標準的だった例え話も、
現代では意味不明なモノも多く、
日本語だけでは意味がとれないものも多いです。
意味がとれ難いモノは、ギリシャ語聖典のギリシャ語にあたり、
ギリシャ語のほかの意味から、推察するようにしました。
文章は日本聖書協会の「聖書 新共同訳」から使用して、
意訳はしていません。

これらの文章から、「イエスは言われた。」は、
大まかに三っにまとめられます。
① ユダヤ教の形式的律法主義の批判
② ユダヤ教的終末論に基づいた神の国の実現の時が迫っていること
③ 神への愛と隣人愛、敵も愛しなさい

結論は前回の記事で確認してください。

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