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私と布花の出会いについて

きっかけは、市営図書館で見つけた本

もともと、手芸が好きだった私は、市立図書館でいろいろな手芸の本を借りていました。編み物やビーズ、布小物やちりめん細工、フェイクデザート、デコスイーツなどジャンルに制限を設けず、手当たり次第に読みあさっていました。そんなある日、山上るいさんの本「布で花をつくる」を手に取りました。

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今では少なくなった布花(アーティシャルフラワー)。30年以上の前、手芸の世界では布花は非常に流行したようでした。(実際、私の母も道具を一式持っていました)手にとった山上るいさんの本には布花のつくり方が丁寧に書かれ、また彼女の布花への思いが丁寧に書かれていました。

布を切り、染め、コテあてし、組み立てる。手芸の中でもこんなに工程のあるものは少ないでしょう。見ていて「大変だなぁ」と思ったのが第一印象でしたが、そこに掲載されている花はどれも自由で、山上るいさんの美しい世界が広がっていました。そしていつのまにか私自身「つくりたい」という気持ちになったのでした。

手始めに、お手頃なプリント布地で初めてみた

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最初は、プリント生地を使いコサージュをつくってみました。しかし、本で見た美しい姿はそこにはありませんでした。今では100円均一でも造花は簡単に手に入ります。また、プリザーブドフラワーの技術も発達し、美しい花をそのまま保存出来るようになりました。しかし、本で見たあの美しさには届かないのです。そしてどんどん沼にハマる

そこから、「どうしたら布花が作れるのか」という模索が始まりました。
岐阜県という土地柄と流行はとうの昔に終わってしまった布花。材料は思うように集まりません。当時、主人には「どうしてそんなに布花にこだわるの?」と言われてしまいました。「分からない」と苦笑いをしながら、大塚屋に通い様々な布を買いました。

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仕事の昼休みに布に形をうつし、休日は花を組み立てる日々。より美しい形を作りたくてコテを買い、気づいたら有給を使って京都の染料屋さんに足を運び、布花に適した染料の相談をしていました。そこから何度も何度も布花を作り続けています。

まだまだ山上るいさんのような自由な花は作れませんが、私も1人でも多くの方を魅了出来るような布花を作れるように活動を続けていきたいと思っています。


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図書館で見つけたこの本を手に入れたいと探した時、絶版になっていると知りました。通販で購入した古本は年代物でしたが本屋さんからの心遣いと小さなお手紙がとても印象的でした。素敵なご縁。私の大切な教科書になっています。

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