「食べていいんだよ」に愛を感じたハナシ

こんばんは、ただいま夜食を食べようか否かでめちゃくちゃ葛藤中の未(ひつじ)です。

こんな遅い時に食べるなんて良くない。それは分かってるんです。

もう14年ほど前の話ですが、拒食と過活動になり、入院設備のない主治医の病院をいったん離れ、心療内科に入院したことがあります。

元々私はぽっちゃり~肥満体型で、太っている以外にも容姿に対するコンプレックスが強いタイプでした。

地毛は縮毛でチリチリ。老け顔だったこともあり、小学生のときから一学年下の工作クラブの後輩から『おばさん』と呼ばれる始末。

(当時好きだった男子にも当時流行っていたゲームのまるっこいメガネのおっさんのキャラ名をあだ名で呼ばれてましたね……)

その時は「だったらひとつしか違わないあんたもおじさんでは?」と言い返す余力というか自分を守る上でのある種の自尊心があったのですが、小学生高学年のときに家庭内のごたごたがあり、不安だったり、大きな悲しみストレスを抱えるうちに、いつの間にかそんな自分を守るほどの大切な余力は消え失せてしまいました。

そして、17歳のときに拒食と過活動が始まりました。

最初は痩せたら綺麗になれるコンプレックスもなくなって前向きに生きれるようになるんじゃないか、という一心でした。

その気持ちは残念ながら良い方向に人生を進めることはできず、半年で80kgあった体重が半分になり、最終的に行き過ぎたレコーディングダイエットによって、私はカロリーが確実に計算できる、コーンフレークとヨーグルトしか口にすることができなくなってしまいました。

せっかく(行き過ぎた)標準体重になったのに。少しでもカロリーをはみ出したらまた元通り太ってしまのではないか。

今想うとカロリー計算に対する脅迫観念もあったのだと思います。

もうしんどい。でもカロリー計算せずにはいられない。矛盾した辛い状態から解放されたい一心で主治医に入院治療をさせてほしいと頼んだのでした。

紹介してもらえたのは主治医の同級生の先生でした。本当に良いお医者様で、摂食障害の治療経験も豊富で、ハキハキと質問にも答えてくださいました。

ただ、その後、さらに辛い事実が待っていました。

摂食障害、拒食と過食はコインの表裏だということ。

拒食が治ったら今度は過食を患う可能性が高いこと。

これは当時は本当に摂食障害治療の定石だったので、入院先の先生のせいではないと思いたいのですが、実は摂食障害の専門家、水島弘子先生の著書

『「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』

によると、患者さんの弱点である、『体重への不安』を煽ってしまうため、あまりおすすめしない考え方なのだそうです(詳しく水島先生の著書をご覧くださいね)。

水島先生によると、拒食から過食に移行すると言っても、『失くした栄養を取り戻そう』と本能が過食を促しますが、少し体重が戻りすぎたと思っても、そこで焦らずにいればだんだんと体重は落ち着いてくるのだとか。

もっと早く水島先生の本たどり着きたかったー!!

と思う頃には、私は摂食障害を主に過食気味にこじらせていました。

主治医から「せめて吐くのは癖になる前にやめておいておいたほうがいい」と言われ、埋め合わせ行為はしない『無茶食い障害』になり、体重を量るたびに、鏡を見るたびに落ち込むほどリバウンドしました。

何より、『食べ物に対して我慢ができない自分』に幻滅していきました。

自己嫌悪のストレスから逃げたくて過食をしてしまう悪循環に陥り、17歳のときに半年間で半分の42kgまで落ちた体重は元通りになってしまいました。

今も、実は体重はその時からさほど変わっていません。痩せたい気持ちもないと言えばウソになります。

けれど、主治医に相談し、病院の心理士さんのカウンセリングを受け始めたころから少し考え方が変わりました。

痩せるより先に、病気を治そう

と。

今までずっと苦しかったのは、ダイエットという『できない要求』を自分に強いていたから。痩せても痩せなくても、私は私なのに『痩せられない自分は死んでよし!』なんて、ちょっとおかしな話です。

なので、まず体重はどっちでもいいから、摂食障害だけでも、ゆっくりでいいから、健康になりたい。

そう思ったら、いつの間にか夜間以外ドカ食いは治まるようになりました。

(今は今で夜食症候群に悩んでいるんですけどね~)

そして、何より心理士さんのこんな言葉に愛をいっぱいもらった気持ちになりました。

「未さん、とりあえず今はストレスもかかっている時期なので、夜食べてもOKにしませんか?」

「食べたい気持ちを満たしてあげることは、頑張る未さんへのご褒美です。心の栄養なんですよ」

と。

その言葉に目から鱗が落ちました。食べてはいけないと思っていた自分の頑なだと思っていた思い込みの壁は、その心理士さんの言葉で崩れました。

心理士さんにとっては治療上、当たり前のアドバイスだったのかもしれません。

でも、私は本当にその言葉に愛感じて救われました。

おかげで今も少しだけ体型は気になる日もありますし、夜食完全にやめられているわけではないのですが、前より自分を(体型的な意味では)許せている気がします。

そんなこんなで、なんとか生きています。

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