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キツネなシッポと遊びましょ、の話エピソード3その③お姫ワンコと遊びましょ


とりあえず話④を読んで頂ければココの世界観が伝わります。
うっすーい世界観でスイマセン。日々に疲れたそんな時、ぜひどうぞ。
中身はショーもないのですが。今回は力作です。すでにシッポの存在を忘れてますね…

窓の外の紫陽花あじさいを、ボクは一人で眺めていた。五月の雨に打たれて、静かに揺れながら薄青や薄紫の花を空へと掲げるその凛とした姿を、ボクは部屋の窓からぼんやりと眺めていた。

課長との秘密の花園での逢瀬おうせを見失ったボクは、喪失感から少し気が滅入っていたのかもしれない。曇り空も、雨も、ボクには全てが少しうつに感じられていた。ひとときの高揚感は、やがて祭りの後のようなもの悲しさを連れてくるものだ。ボクは気怠けだるさに身を任せて、休日の朝を呆けて過ごしていた。奥さんは朝からお出かけだ。今日は妊婦友達と水天宮さまにお参りに行くのだそうだ。そしてボクは静かな部屋にひとり取り残されていた…

昨日は午後に送別会があって、久々に飲んだんだよな。お蔭でさっさと寝ちゃったんだ。シャワーを浴びた後、バスタオルのままリビングに来てみると、ふとソファーの横に人影を見つけた。そういえば、昨日誰か家に来てたような…あ、ミーちゃんだ。それは昨日ウチに預けられた、アフガンハウンドかいう珍しい犬種のミーちゃんだった。子犬のくせに結構大きい。しかもワンコにしてはどこか気品を感じさせる外見とたたずまいだ。コイツは昨日ウチに来て僅か数秒でこの家での順位付けを済ませていた。当然1.奥さん、2.コイツ(みーちゃん)、そして3.ボク、だ。コイツ、ワンコのくせにやるじゃねえか。そしてミーちゃんは僕を同族の仲間として認識したのか、犬同士がじゃれあうように僕に懐いてきた。いや、じゃれついてきた。デカいワンコの攻撃は何気に重くて結構痛い。

wikipediaさんからです

ミーちゃんは床に丸く伏せの姿勢をとると、じっと何かにかじりついていた。白いふかふかの何か。あれは…オムツだ!それは昨日遊びに来てた宮内さん夫妻の上の子のオムツだった。何かの拍子に置き忘れたのだろうか。既にミーちゃんの歯でところどころ穴が開いていそうだ。かわいそうに、オムツなのに。本来の役目も終えられずに…!!

ボクのカラダに突然、雷鳴とともに稲妻が走った。
ボクはミーちゃんの隣に腰かけると、頭を優しくなでてやった。ミーちゃんは僕を一瞥すると、あまり興味もなさそうに立ち上がると、大きく体を伸ばした。ひとり遊びにも飽きていたのだろう。ひとつあくびをすると、自分用のお皿の水を舐めだした。チャンスだ、ボクはさっと置き忘れたオムツに足を通した。少しキツいが、でも伸縮性はある。腰をねじって何とか股間を押し込むことに成功した。オムツプレイ…ボクはなくした夢を取り戻したような、感慨深い感覚に酔いしれていた。ああ、これがあの、かのオムツプレイなのか…

作者注:このお話はフィクションです。実在の個人、団体組織などとは一切関係はありません。作者個人の願望とも関係はありません。ご注意ください。今回も下品な表現が満載ですが、あくまで当時の時代背景を尊重し原文のまま公開させて頂きます。

ホントにもう僕は何もしていません。
ボクが勝手に走り出して、僕の脳内でボク独自の世界をつくってます…

ボクは人気のないリビングで、ひとりえつに入っていた。と、そばに気配を感じた。ミーちゃんだ。きっと自分のオモチャを仲間に横取りされて心外だったのだろう。その目は僕を非難するかのような静かな怒りと悲しみに満ちていた。そしてその気品あるお顔は、今の僕の前で「お姉さま」の立ち姿を彷彿ほうふつとさせたのだ…

「お姉さま…」
ボクが膝立ちでミーちゃんににじる寄ると、ミーちゃんは何かを察したのか一度後ずさりをした。その瞳は侮蔑のような、汚いモノでも見るかのようだった。と何かを考えついたようだ。ミーちゃんはボクに飛びつくと、ボクごと床に転がった。ボクのオムツの端をかじり、引っ張って鼻息を荒くしている。その様子は興奮したお姉さまのようだった。ああ、いけません。勘弁してください。いきなりそんな大胆な。ボクらはこうしてお互いのココロに火をつけあっていった。激しく絡み合い、オムツは裂け僕のお尻はむき出しになった。ああ、いけません、お姉さま。恥ずかしいのです。ボクは初めての羞恥プレイの恍惚さに酔いしれていた…

「何やってんの、アンタ!」
突然の奥さんの声に、ボクは我に返った。え、奥さん。もう帰ってきたの?辺りを見回すが、人影はない。とテレビの脇に置かれた小型カメラが目に入った。イヌのシルエットを丸くかたどったような、小型サイズの置き型遠隔操作カメラだ。ああ…ボクの記憶が急速に昨晩へと回帰していった。

そういえば宮内さんたちは数日県外の親戚のお見舞いに出かけるとかで、ミーちゃんを預かって欲しいって言ってたんだ。ウチにはもう一頭いるから、全然大丈夫よ。奥さんのオトコ丸出し発言に、夫妻は嬉しそうな眼をしつつも引いていた。そして僕を見る目には哀れみと同情の念がこもっていた。ついでにこのカメラも置いていくって。wifi接続でスマホでも遠隔監視できて、音声も送れるんだって言ってた…え、まさか。奥さんたちに見られてた…そう言えばこのカメラ、動体検知とかで、コッチの動きに反応して作動するんだった。だからリビングで恥ずかしいコトしないでねって、奥さんに3回くらい言われてた…と、いうことはボクのフロ上がりに奥さんのスマホに連絡がいってて、そこに映ったのはオムツ姿の変態ヤローと気品あるミーちゃんとの熱き羞恥プレイの一部始終だ…終わった。ボクは上体を起こすと、そばにあったクッションを顔にのせた。恥ずかしい、穴があったら入りたい。しかも奥さん、今日は由美ちゃんと一緒だ。あの娘カワイイんだよな。後でウチに来るって言ってたな。ああ、全部見られてた…

ボクは我が身とカメラを見つめて思った。アタマ隠して、シリ隠さず。
ミーちゃんは知らん顔でカメラに向かってシッポを振っていた。


(イラスト ふうちゃんさん)


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