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推し活始めました。

頓地気さきなちゃんというアイドルが好きだ。
きっかけは忘れしまったが、可愛いなと思って前からSNSをフォローしていた。

去年からソロデビューをし、定期的にライブを開催している。
僕はそれに行ってみたいと思っていたけれど、中々足を運ぶ勇気がなかった。

僕はロックバンドのライブは好きで直々行くものの、アイドルのライブは全く行ったことがなかった。

行ってみたいけど、気恥ずかしい。
そんな気持ちをずっと抱えていた。

そしたら、急遽GW中に下北沢でライブをやると発表された。
さきなちゃんがインスタライブで
「トークとちょっとだけ歌うから気軽に来て」と話していた。

下北沢は僕のうちからも近い。
GWこれと言って出掛けることのない僕は行ってみようと思い、意を決してチケットを買った。
今年は初めてのことにも挑戦したい!

下北沢の小さいライブハウス。
会場時間前にはもう沢山の人が来ていた。
さきなちゃんのファンは女性の方が多い。
ライブで顔見知りになっているのか、
同世代くらいの女の子たちがライブ楽しみだねと談笑している。

僕は不思議だった、女の子が同性のアイドルを好きになるのってどういう感覚なんだろうと。

僕は話す人もいないので、
ただスマホをイジリながらさきなちゃんの登場を待った。

開演時間になると、さきなちゃんが綺麗な衣装に包まれて登場し、歌を披露してくれた。

ファンの子たちは緑のペンライトを取り出し、音楽に合わせて振りながら楽しんでいる。
僕は何も持ってないし、ライブのノリ方も分からないからただ突っ立てライブを見ていた。

ファンの子たちが合いの手を入れたり、
同じ振り付けを踊ったりしている中、
僕は又吉さんのコントでライブのノリが分からずひたすら戸惑う人のコントを思い出していた。

今まさにそれじゃん!!!

さきなちゃんは可愛らしい笑顔で元気に歌ってくれた。

歌い終えると、ここからトークライブになる。
僕はさきなちゃんの緩いトークが好きだった。
夜中によくインスタライブをやっており、
それを聴きながら寝るのが好きだった。

話の内容はたわいもないものばかり、
友達100人作りたいとか、
今年は恋愛運が2月と5月にいいとか、
それにファンの子たちが同じ目線で一緒に話しているからビックリした。

料理教室に行ったら友達出来るかもよ!と提案したり、同窓会を開いたら出会いがあるかもよ!と提案したり、本当の女子会を見ているような感覚だった。

僕はお笑いライブにもよく行くが、
トークライブで基本的に舞台からお客さんに話しかけることはしない。
さきなちゃんのライブが特殊なのか分からないが、ファンとの距離が近くて凄くいいなと思った。

続いて、お悩み相談のコーナーもあった。
さきなちゃんがみんなに「なんかある?」と聞くなか、僕も何か話せる相談あるかと考えた。

けれど、特に何も思い浮かばなかった。
副鼻腔炎が直りません」くらいしか思いつかなかった。(医者に言え)

すると、1人の女の子がスッと手を挙げた。

「どんなに仲が良くても人の幸せが素直に喜べません。」

僕は結構重めの質問するなと思った。
誰にだって隣りの芝生が青く見えることはある。
それに対してもさきなちゃんは100点の回答をしていた。

「人生はじゃんけんみたいなものだから、どれが1番強いってないんだよね。
あなたが羨ましく思ってるように、誰かがあなたのこと同じように羨ましく思ってるかもよ。だから気にすることないよ。」

僕はいいこと言うなと関心して見ていた。
僕だって人を羨ましく思ったり、妬んだりすることはまだまだある。
その度に悲観したり傷付いたりしていたけど、
人生がじゃんけんだなんて考えたこともなかった。
少し自分も生きやすくなったようなそんな言葉を貰えた。

最後には撮影タイムがあった。
みんながスマホでさきなちゃんを撮り始める。
一眼レフを持ったおじさんもいて、
こういうオタクらしい人もちゃんといるんだなと思った。

僕もスマホで撮ってみたけど、あまりに上手く撮れなかった。
さきなちゃんはサービス精神旺盛でファンからの要求に全て答えていた。
僕も「こっちに手を振って」とか言ってみたかったけれど、
勇気が出なかった。
(ライブ中一言も声を出せてないよあんた)

最後に集合写真も撮ったけど、
さきなちゃんはステージから降りてファンの真ん中に入って写真を撮ってくれた。
どこまでもファン思いだ。

さきなちゃんのファンになぜ女性が多いのか、
最初にライブに来て思った疑問がこの短い時間で分かったような気がした。

それは女の子にとってさきなちゃんは憧れで、
どこか友達のようでもあり、同世代ならではの視点を持っているからだ。
一緒に成長してくれる、そんな風に自分を重ねることができるアイドルなんだと思った。

ライブ後にチェキ会もあったけど、僕はそれには参加しなかった。
やっぱりちょっと勇気がなかった。

まずは初めてアイドルのライブに参加出来たことで満足だ。
チェキなんて緊張して何を話せばいいか分からない。

今日でますますさきなちゃんのことを好きになれたから、
これから本格的に推し活を始めるかもしれない。

今日来ていたお客さんはみんないい顔をしていた、
推し活は人に生きる活力を与えてくれるものなのだなと思う。
次はチェキ会に参加するくらいのオタクになってみようじゃないの!

みんなもさきなちゃんの曲も聴いてみてね。


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