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親ガチャでSMを引く❷


❶からの続き

私がそのことに気がついたのはいつだったのでしょう。はっきりとは憶えていませんが、おそらく高校一、二年生くらいの頃だと思います。


私は男女共学の公立高校に通っていました。

私の通う高校は、男子の比率の高い学校で、日頃から教室内で男子がワイワイ言いながらエロ本やエロ漫画を読んでいました。
そして女子にもそれが廻ってきたりして、キャーキャー言いながら読んでいました。男女問わずそう言うことに興味が湧く年頃です。
また、女子の恋愛系少女漫画なんかもキュンキュン男子が読みたがったりして、みんなで雑誌や本をまわし読みするのが日常でした。

そんな中ある男子が、いわゆる「官能小説」と呼ばれるエロストロングスタイルの文庫本を持ってきました。
表紙が色っぽいお姉さんのイラストのヤツです。
もともと活字を読むのが好きだったのもあって、私はそれを借りて読んでみることにしました。
今思えば、好奇心の塊みたいな、妙にアグレッシブな女子高生でありました。

しっかりとブックカバーをかけて、それと判らないようにして家に持ち帰り、自室にこもってこっそり読んでみました。
今となってはタイトルも作者もわかりませんが、それを読んだ私はとても強い衝撃を受けました。

その時点で、たかだか16、17年位の人生でありましたが、新しい概念を得て頭が爆発してしまいそうな、涙が溢れそうになるような、そんな大きな気づきを体験しました。


その小説の主題は「SM」でした。

加虐性愛と被虐性愛。サディズムとマゾヒズム。
簡単に言えば、倒錯した男女の性愛についての物語。
そういった刺激の強い内容の小説ではありましたが、ただ肉体的な加虐、被虐の話しだけではなく、どちらかと言うと精神的なサドマゾ男女の心の機微を割と丁寧に描いたような作品でした。

そんな小説を読んだ事で訪れた青天の霹靂。

私はこの落雷級の気付きによって、ある問題の答えを見い出したのです。

幼い頃から私を悩ませ、苦しめて来た解けない難問。

この一冊の卑猥な文庫本の中にその答えがあったのです。


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❸へ続きます



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