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皮肉たっぷりで本音が出たMATRIX 4

MATRIX 4をアマプラでまた観てしまった。それで上映時に映画館で観たときの記憶が蘇った。

まず最初に言っておかなければいけないのは、MATRIX 4は面白い映画だったということ。その上で。

およそ二十年ぶりに続編が作られたMATRIX 4であるが、なぜ今またMATRIXなのかという疑問を映画の中で答えている。それが痛烈なハリウッド批判になっていて、皮肉たっぷりで、そこを表現するためにメタフィクションを取り入れたという寸法である。

結果的に作りたくて作った映画という感じが全然しなくって、どうせやるならめちゃくちゃやってやろうという勢いで作った映画になった。

本編中で監督自らの気持ちを吐露しているが、オリジナルの作品を作ることがどれだけ難しいか、その証明をMATRIX 4自体がしてしまった格好となった。結局パート1をなぞるような形で物語が進行する。皮肉に力を入れすぎたせいで、謎らしい謎がなく、アクションも通り一遍で単調だ。

MATRIX 4はMATRIXに興味がなければ見る必要のない映画である。かつてその世界観に熱狂したファンだけが楽しめればそれでいい。ファンを落胆させ、怒りを買ったスターウォーズに比べれば遥かにマシであり、MATRIX 4をみて笑うひとはいても怒るひとはいないだろう。

MATRIX 4は、ハリウッドを批判しながらも現代のハリウッド映画の文法に則って制作された映画である。だから意味のない映画になった。本当は続編など今更作りたくなかったんですよと監督の本音が聞こえてきた。

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