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パンデミック・シリーズ

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2020年に世界中を席巻した新型コロナウィルスを題材にした詩の数々です。
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記事一覧

【詩】サーカス2021東京

窓を開けてくれたその人は 次の駅で降りていった 半年ぶりの得意料理 一人の部屋で一人で食べ…

【詩】フレア

プラットホームの屋根の隙間 名も知らない雛鳥が鳴いている 長い道程が必要だったのだ 空に取…

【詩】ワクチンの詩

私の家だと思っていたものは 貴方の家でもありました 「お帰り」と聞こえた気がして 戸を開け…

【詩】王冠

「ただいま」を口にしてしまったら 手にしていたものがたちまち消えてしまう そんな気がして遠…

【詩】ソーシャル・ディスタンス

いつの間にか倒れていた壁を踏みつける それが無ければ守れなかったものを拾い上げて 抱き締め…

【詩】Lockdown

干上がった支流のほとり もう聞こえないせせらぎを聞く 錆びたナンバープレートと刃先のこぼれ…

【詩】アマビエ

手持ち無沙汰だからガムでも買おうかと思ったら君の帽子が見えた いつまで見てられるのかな?こんな風に まだ始まってもいないのに わざと普段着で来た、何か拾ってくれるかな? 後輩だって気にしてないよ、今日は楽しむために来たんだから お酒強いこと内緒にしてる 期待なんかしたらバチが当たるから 二度とご免だとか思われなければ上出来 雨マークなのに傘を持って来なかった 君を幸せにするのはきっと他の誰かがやってくれる 私はまだまだ、生まれて来た意味を探し続けるだけ 元始女は太陽なんか

【詩】STAY HOME

飛行機雲が稜線に交わる 伝えたいもの手に入れたからSTAY HOME まだ出て行かないよこ…

【詩】クラスター

あなたが産んだって言うんじゃないよね? いけない事とわかっていても その優しさ誇りに思う …

【詩】パンデミック

今朝の霧を思い出す 柔らかだった触り心地と 預かった手紙は空色の便箋に 吹き付けるような雲…

【詩】アベノマスク(2枚)

神様の拵えた運命、だとしたら愛せるよ 愛してもいいよ 読めない唇に代わって背中が綴り始める…