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感謝を伝えたいということがもはやただの執着であったことに気づいた日

この日は武田双雲さんの展覧会のトークショーで、主に「無邪気になる時間」についてのお話をされていたのですが、邪気・エゴだらけの自分に気づいただけでも良しとしようと思える、それだけでも少しは執着を手放せるというまさに!なお言葉の数々。

そのときは、フムフムと納得していた時間だったのですが、私はこの日どうしてもお会いして直接お話できる時間があれば、お伝えしたいことがあったのです。

どちらかというと、トークに全集中するというよりも、終わってからどうお伝えしようかということに意識が飛んでいました。

2008年。
もう16年も前のこと。私が当時愛読していた、「Oggi」の企画で双雲さんに添削してくださる書道作品の応募があったんですね。

書道は、幼稚園から学生までやってましたが、社会人になってからはまったく書いていなかった私に、ふと思い立って応募したところ、なんと「双雲賞」なるものを頂きました。

なんかすごい方に褒められた経験が私にまた趣味の範疇ではありますが、書道を続けるきっかけになったわけです。

あなたにとって夢とはなんですか?
この手でつかみとるもの

この時の「夢」がなんであったかは正直忘れてます笑。「夢」というのは日々変動してくるようでは、大した夢ではないし願望に近いことかもしれません。

ただ願望だったにせよ、じっとそれを待っているのではなくて、何かしら動いて自分でつかみにいっていることが多いなと感じています。

そうすると、私が気になることが、どんどんと次から次へと、なんとなくなのですが、その機会に気づけたり、情報として入ってきたりするんです。

だから、直接的に”つかみ取る!”というほどの思いがなかったとしても、なんとなく手にすることができてきたように思います。

書道に関しても、細々と続けてきたおかげでいろいろな機会をいただくこともあったりしているので、本当にあの時完全に止めていなくてよかったです。

そしてそれから、この雑誌も引っ越しをするたびに保管場所が移動させてたので、結構ボロボロになってきてますが、

長い間ずっとこのきっかけをくださった御礼を直接ご本人に言いたいと思い続けてきたので、ずっと保管してたんだと思うのです。

そして、やっとご本人を目の前にして御礼を申し上げて、「この企画覚えてますよ」と言ってもらえたんです。時間にしてわずか1分もなかったような。。。

長年の思いが叶った瞬間です。

が、もっと感動するかと思いきや、意外とあっさりしていた自分がいて。

え、何?この感覚。。。

もっと喜んでいいんじゃない?
やっと言えたのよ?
感謝の気持ちが溢れていたんじゃないの?

あれこれ自分に問いかけましたが、すっかりシンとした自分の感情。


おそらくなのですが、
「感謝の気持ち」がいつしか「感謝の気持ちをご本人に伝えたい」というエゴと期待の塊に成長していただけということに気がついたのです。

過去の自分や肩書きや栄光にとらわれて、動かせなくて、ただ持ち続けていた点がそこにあっただけ。

もちろん、感謝の気持ちは変わりません。ずっとファンでしたし!!

ただ、「伝えたい」という気持ちが大きくなりすぎていて、本来の目的が薄れてしまっていたように思います。

まあ、16年も前の話ですしね。

あれだけずっと願い続けていたにも関わらず、なんだか、なんともいえない虚無感に包まれた瞬間、サーっと期待してた気持ちがどこかに消えていったのです。

あ、これめっちゃエゴってたなと気づけたわけです。
これ日常でもよくあることで、

期待しすぎて勝手に虚無る

期待というのは、執着でしかない。そしてその執着はたくさん持っている。
そんなことないですかね?

あれしてもらえたらいいな。
こうなったらいいな。
Wantばっかりな毎日。

それもいい悪いではなくて、そればかりだとただの執着なんじゃないかと思ってます。執着も別にあっていいこともあるし、でも過剰すぎるんですよね。私。

でもその執着というものは、気づけた瞬間意外と簡単に手放せるものだということにも気づいた日でした。

で、さらに、こんなにもすんなり手放せるということは大した執着でもなかったってこと。もうさっさとといろんな執着を手放して切り替えて生きていこうと思ってます。


もうすっきりした後は、ゆっくりと作品を観賞させていただけました。

素晴らしい作品でやっぱり私の好きな書道です。

今回は「愛」の題材に目がいきました。

これ最高に好き!!

作品に触れることで、その時の自分がどの言葉に、どの作品に反応するのかがわかります。

前回は「龍」、そして今回は「愛」
今の私の目に飛び込んできた作品、フォーカスしてる作品が「愛」なんだなぁと感じました。

感謝の気持ちを伝えたい
自分の気持ちを伝えたい

なんならわかってほしい
なんなら気づいてほしい

ああ、なんてエゴにまみれた意識だったのだろうかと、いまさらながらに恥ずかしさに包まれてます。

”思い”が重くなると、自分もしんどい。それは伝わる。だからもっとライトにいこうと思います。

そんなことを感じた執着のお話でした。


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