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育休4・5か月目~妻からの離婚宣言?〜

正直、夫婦の関係性まで踏み込む必要があるのかと逡巡してきた。

だが育休取得のメリットだけでなく課題もつまびらかにしなければ、いざ長期的な育休をとったパパたちが「想像と違った!」と、なりかねない。

我々夫婦の今後も踏まえ、あえて書き残すことにした。


育休をとってから妻とのケンカが増えた。
認めたくはないけれど紛れもない事実だ。

私「爪切りどこ?」
妻「えっ見ればわかるじゃん。目の前だよ」
私「え?どこどこ。ちゃんと言葉にしてよ」
妻「いやそこだよ。視野狭いね」
私「はーーーーーーーー!?」

気づくとケンカに発展している。

結婚当初からときどきケンカはしていたが、程よく衝突を繰り返すことでお互いが考えていることを理解してきた(と私は思っている)。

しかし育休生活に突入し、2人の時間が増えてからケンカがエスカレートする傾向にある。


離婚宣言


先日、ついに危険水域に達した。
ケンカの最中、妻の口から放たれたデンジャラスワードがこちら。

「子どもがいなけりゃとっくに離婚してるわ!」

り・こ・ん!
今まで一度も使われたことがない口撃手段だ。

妻としては、「子どもがいなければ」という非現実的な言い回しをすることでマイルドにしたつもり。だが私は違う。耳に残るのは「離婚」のみ。妻からの離婚宣言だと受け取った。

「さすがにそれは言っちゃダメでしょ。その気なら俺も考えるわ」

本当に離婚する気など微塵もないのに。動揺を悟られまいと口ぶりだけは努めて冷静に返す私。売り言葉に買い言葉で引くに引けなくなっていた。

すると、いつもと違う空気を察したのか妻の方から「言い過ぎた。ごめん」と謝罪してきた。内心ホッとしたのは言うまでもないが、なんとも後味の悪いケンカだ。



その余韻を引きづるように別の日には私がトリガーを引いてしまった。

「あぁなんで結婚したんだろう…」

と、頭に血が上ってつぶやいたのだ。文字に起こしてみてもゾッとする。
これまでの結婚生活を全否定する、夫婦間で絶対に言ってはいけないランキング第1位の言葉だ(おれ調べ)。

みるみるうちに妻の目に怒気が含まれていく。やってしまった。ようやく事の重大さに気がつく。完全に自分が悪い。
「ごめん。思っている訳ではないのについ言ってしまった」

しばらく妻は引きづっていたように思う。心の底から反省した。
後日、妻の大好きなスイーツを買ってきてなんとか許してもらえた。

ケンカの原因


そもそも、ケンカの発端は何だったのか?

実は振り返っても全く思い出せない…。妻にも「あのときなんでケンカしたんだっけ?」と聞いてみるが、「憶えていない」とのこと。きっかけは本当に些細なことなのだ。

では、なぜエスカレートしてしまうのか?

当初は、自分のことを棚に上げて、産後の妻に原因があると私は思い込んでいた。イライラしていることが増えたので、ホルモンバランスが崩れていたり、授乳による寝不足で慢性的な疲労があるんだろうなーと。

けれども出産から5カ月が経とうというのに状況は一向に変わらない。自分にも原因があるのは明らかだ。妻の負担を減らし、子育てを楽しむために育休をとったのに。これでは本末転倒。

また親がケンカしている姿を見せるのは子供にとっても悪影響だ。「落ち着いてー!」と、2歳の長男が仲裁に入ってきたこともある。

「子供のことを考えて、もうケンカはやめよう」
妻から提案があり夫婦でしっかり話し合うことにした。

イライラの正体


妻によると私もよくイライラしているという。

たしかに心当たりはある。家事や育児はやって当たり前。どれだけ頑張っても頑張っても(特に料理)、妻から労ってもらえないことでフラストレーションが溜まっていた。

育休前は、職場で上司から評価してもらう立場だった。その評価や言葉によって部下は仕事へのモチベーションが左右される。
しかし今は家庭しかない。唯一の評価者である妻が認めてくれないと、モチベーションを保つことが難しい。

妻から、ただただ「ありがとう」「居てくれて助かった」という言葉が欲しかったのだろう。

当然、自分だけ感謝してもらおうなんて虫が良すぎる。日頃から自分も妻にもっと感謝の気持ちを伝えなければいけないなと自戒した。
(「ありがとう」「美味しかったよ」が言えないパパにママがブチ切れたくなる気持ちもわかった気がする)


一方、妻のイライラはルーティンを崩す私の言動にあるという。

妻は長男が誕生してからの2年間、私が仕事などで家をあけている間に自分なりの家事&育児スキームを確立していた。そこへ「よーし!貢献するぞ!」と肩をブンブン回し、前のめりに合流してきたメンドクサイ夫。

「棚を一段あけてここに息子の服を移そうか」
「うーん。ソファの下は掃除機かけづらいから物を置くのやめよう」

人手が増えたことは喜ばしいものの、それなりに1人でも回ってきた家事にまで次々と口を出してくる。一体なにさまだ。

仕事に置き換えるとわかりやすい。順調に進んでいたプロジェクトに人手不足だからと突然、派遣されてきた新入社員。ほとんど経験がないにも関わらず、声高に改革案ばかりをあげてくる。とんだ迷惑なのに、本人は成果をあげたと至って満足げ。

いやーむかつくわ、そんな奴。汗

さらに主体的にやってくれたはずの洗濯物の干し方や、食洗器の皿の並べ方も、妻からすればちょっとずつ違うらしい。そうした積み重ねが妻のイライラを生んでいたようだ。

郷に入っては郷に従え。

まずは経験値とスキルが上回る妻のやり方を尊重し、一から学んで踏襲していく忍耐力が夫には求められる。

交わり合えない部分はスルー


そして夫婦とはいえ元々は他人同士。

全く別の価値観を持った家庭で生まれ育ったのに
「婚姻届」という名の契りを交わしただけで家族になった。
完全にわかり合おうとする方が無理がある。

夫婦に限らず人間同士が、仮に24時間365日ずーーーっと一緒に居続ければ、互いにとってストレスでしかないだろう。

コロナ禍の自粛期間中に「コロナ離婚」という言葉が生まれた。

リモート勤務で会社に行く必要がなくなり、夫婦がそろってずっと家にいる。これまで見えなかった違いや嫌な部分が顕在化してしまい、夫婦関係が破綻するという事例があった。

我々夫婦の境遇はこれに近いと思う。

家事育児に関するすべての価値観やプロセスをすり合わせる必要はなく、程よく距離を保ちながらスルーできるところはスルーする方が、夫婦円満でいられるようだ。

むむ、妻のここが気になるな、、
と腹の虫が疼いてきたら全く関係のないことを考えてやり過ごそう。

「なんで信号機は緑色なのに青なんだろう」とか。うん。なんでもいいのだ。

対策案


そのうえで2つの対策を妻と確認。

① 目標を設定「子供の前では声を荒げない」

声を荒げることで子供の心身に与えるストレスを考慮したものだ。
どんなに相手に腹が立っても子供のために一旦、立ち止まる。
夫婦で目標を設定し、同じ方向を目指す「仲間」であることを意識していく。

②夫婦の時間も大切にする

先程、程よく距離を空けると書いた部分と矛盾するようだが重要なことである。

毎週の同じ時間にドラマを一緒に視聴したり、耳かきをしてもらいスキンシップを図るなどして、パパとママ→夫と妻に戻る時間を作ること。

幼い子供が2人もいるとこれが難しくなってくるのだ。小さなことでも構わないので継続しようと話し合った。


育休を取得したことで、間違いなく子供との関わりは深まったし、家事育児の分担が進んで余裕がでてきた。
妻は2人目が生まれて以降も「子育てがツラいと思ったことがない。楽しい」と常々、話している。本望だ。

それだけに、つまらない夫婦ゲンカで家庭の雰囲気を悪くしたくない。

度重なるケンカも必要なプロセスで、育休生活が明けたときに「やっぱり育休を1年とって良かったよね」と、夫婦そろって言えることを願っている。

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