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【医学部】国際医療福祉大学のカリキュラム

こんにちは!医学生のちひろです。

自分が医学部受験の時に知っておけたらよかった事は何かな、と考えていました。

学費、立地、偏差値などは調べればすぐに出てきますし、時間もかからないと思います。ただ、カリキュラムについてはパッと見ても分かりずらいですよね。

僕も受験期に色々な大学のカリキュラムを見ましたが、具体的なイメージは全く付きませんでした。

カリキュラムは大学ごとによって若干違ったりするので、今回は僕が実際に通っている国際医療福祉大学のカリキュラムを紹介していこうと思います。

僕は今3年生なので、4年生以降は先輩から聞いた話を頼りに書いていきます。

1年生

入学したてですが、1番大変な学年と言われています。結構エグいです。
ほんの一部を除いて基本的に全ての授業が英語で行われます。
とにかく一日中英語漬けの毎日が始まります。

特徴的なのはいきなり解剖の授業が行われることです。
多くの大学では入学してすぐには解剖を教えないそうですが、容赦なく英語で授業が行われます。
本格的な解剖実習は2年生の冬ですが、この頃から少しずつ解剖に触れることは今思えばとても良かったことだと思っています。

少しずつ大学に慣れてきて、初めての夏休みを終えたら、地獄が待っています。
基礎医学のすべての科目が英語で行われます。
基礎医学というのは、循環器、消化器、皮膚科、など診療科の授業ではなく、そのベースとなるような基礎知識の学問です(勝手にそう思っています)。

具体的には、生理学、生化学、分子生物学、微生物学、病理学、薬理学、組織学、解剖学、発生学、免疫学です。これも勿論全て英語で行われます。

試験はまとめて行われるわけではなく、その科目が終わったらすぐに実施されるので、2週間に1回のペースで試験があります。
これらの試験は必修の科目なので、1つでも単位を落とせば即留年です。

と言ってもそんなに身構える必要はありません。

英語に不安がある方が多いというのは教授も十分理解しているので、出来るだけ分かりやすく授業をしていただけます。

試験も皆と一緒に勉強してしっかり対策していれば基本的に落ちることはありません。

地獄の2学期を終えたら、憩いの3学期がやってきます。ようやく器官別の授業が始まります。

1年の終わり頃から循環器の授業がスタートして、2年生で全ての器官別の授業が終わります。

やっと医学っぽい授業が始まるので、ここでモチベーションが高まる学生が多いような印象です

2年生

器官別の授業が中心です。全ての診療科の授業が2年生の間で、もちろん全て英語で行われます。
皆口を揃えて言うことがあるのですが、それは

日本語簡単じゃね?」

そうです、感覚がバグるのです。英語に浸された脳で、日本語の「病気が見える」を読むと、びっくりするくらいスラスラと頭に入っていくのです。

じゃあ初めから日本語で勉強すればいいのに、と思うかもしれません。

しかし、国際医療福祉大学の学生の多くは、将来日本に留まるだけではなく、海外に飛び立って医師として活躍したいと考えている学生が多いので、日本語から勉強をして英語で学び直すより、英語で学んでから日本語で学んだ方が効率的なのです。

英語で勉強しているとそれなりに辛いですが、日本語だけで勉強するよりも得られる知識が多くあったり、英語の文献が読みやすくなったりと、良いことだらけなので、ぜひ英語の世界に飛び込んで見てください。

3年生

CBTに向けての対策がメインの学年となります。CBTとは、4年生から始まる病院での臨床実習に出るために、その学生に十分な能力と知識があるのか問う試験です。

これに合格しなければ臨床実習に出ることができないので、自動的に留年することになりますが、今まで自分の大学ではCBTで留年した人は聞いたことがありません。

CBTの後にOSCEという、実技の試験も行われます。OSCEは数週間の勉強で十分なので、CBTの勉強に多くの時間を割く学年となります。

4年生

いよいよ実習です。東京エリア、栃木エリア、福岡エリアに学生が分かれて実習を行います。楽しみです。

5年生

成田の病院で臨床実習を行うらしいです。

6年生

海外での臨床実習が行われます。東南アジアがメインらしいですが、熱意がある学生はアメリカやヨーロッパの病院にも行けるらしいです。

夏頃に実習が終わり、そのあとはひたすら国家試験に向けて勉強しているイメージでした。

特徴的な授業

他大学にはなく(多分)、国際医療福祉大学に特徴的な授業がいくつかあります。

1つ目は「医療プロフェッショナリズム」と呼ばれる授業です。将来医師になるものとして、身につけておくべき倫理観などを学習します。

医療事故、インフォームドコンセント、病名告知、終末期医療、訪問医療の実態など、将来医師になって必ずぶつかるであろう課題について、グループワークやディスカッション、発表を通じて学習します。

実際の医療事故の当事者や、不適切な医療行為に対して医療訴訟を起こした方、治療法のない疾患をお持ちの方を招いて直接授業をしていただくこともあるので、とても勉強になります。

非常に大切なことを学べる授業ですし、自分はこんな医師になりたい、というイメージを作り上げてくれるような授業だと感じています。

この授業は1〜3年生を通して行われます。

2つ目の特徴としては医療面接について扱う授業が多いことです。
医療面接とはいわゆる問診のことですが、これについてしっかりと教わることができる大学はあまりないらしいです。

1年生から3年生にかけて教わるので、日英両方で患者さんに適切な医療面接をすることが出来るようになります。

試験ではすでに患者情報が与えられて、そこから鑑別疾患を考える、というものが多いですが、実際には自分で医療面接を行なって情報を聞き出す必要があります。

これはいきなりできるものではなく、繰り返し練習を行う必要があり、国際医療福祉大学ではみっちりと教えてくれます。

どんな人に向いているのか

最後に、カリキュラムの面から考えて、どのような方に国際医療福祉大学がおすすめなのか書いていきます。

研究に力を入れたい、というよりは臨床の現場でバリバリに働きたい!という方に向いていると思います。

研究活動もないことはないですが、実際に参加してる学生はとても少ないです。反対に、救急サークルなど、臨床の現場で役に立ちそうな活動をしている学生がとても多くいる印象です。

僕もシミュレーターを用いた臨床現場を想定した実習を行う課外活動に参加しています。

研究したい!と思って入学すると、少し自分のイメージとは違う大学かもしれないので要注意です。


以上、大雑把に国際医療福祉大学のカリキュラムについて説明しました。
何かご質問などがあればお気軽にコメント欄までどうぞ!


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