31話〜42話

31話。美都里さんに抱き止められてようやく本心を打ち明ける算太。見るたび算太に泣かされてしまう。謝りたかったのに、ダンスを見せたかったのに。 算太のそれこそ嘘と本当の境目がわからない話、境目に母小しずさんが現れる。この世とあの世の境目、そこからこの世へ帰ってきた。
背中の”War is over"は、"My rover crossed over"に合わせてきているんですね。算太ももう彷徨わなくてもいいはず、だったのに。

32話、美都里さんがるいとおはぎを「半分こ」する、おはぎが割れる画像がアップになる。「半分こ」の強調だと思っていました。でも、離れ離れになる暗示でもあったのかもしれないとふと思いました。
野球部の試合を見にきている美都里さんと千吉さんの背後の机に急須と湯呑茶碗。「大月」のお店のものと同じもの。おはぎを食べた後のシーンでさりげなくそっと映り込む。 スコアボードの対戦相手は「竹野物産」、「竹」の文字、竹取物語。その次のシーンがディッパーの店内。るいとじょういちろう。
おばあちゃんが亡くなって悲しむるい。そこにSilent Nightのトランペット。おばあちゃんとお父さん、母子を偲ぶよう。るいは一瞬だけ振り向いてトランペットを見るがすぐそらす。トランペットの向こうのじょういちろうとはまだ会わない。
Yasuko began to think that the long war was finally over. 重ねられる"over"。 それにしても冒頭の算太の戦地の回想のわざわざ言う、「たちばな」のおはぎ、普通ならうちのおはぎ、でいいのにたちばなが強調され、ロバートの思いも寄らない場所まで連れていってくれます、がああなるとは。

33話、雪衣さんが勇ちゃんに梅干しを潰して入れたお茶を出している。この時はまるで魔女のようにも見えます。99話で雪衣さんの梅干しが登場して、そうではなかったことが示されるまで長い時間が経っていました。
千吉さんの提案を盗み聞きした後の雪衣さん、様子が明らかにおかしくて、この時点でもう。勇もまさか安子と結婚したらどうかと言われるとは想像してなかったからなんだろうけど。
岡山県の繊維業界の大会で優勝(賞状記載の会長名が「武元」さんって「竹」関連でしょうか)するまでになった雉真繊維野球部に進駐軍から試合の申し込み、一方安子はるいとディッパーに。他の席ではお砂糖を入れてあげる男性が背後に映り込む。
サニーサイドをるいと聴く、お父さんとお母さんの大切な曲、のところにロバート。幼い頃のお菓子のプレゼントを覚えていてハキハキと英語で話するい。さすが稔の子じゃ、と言われる、賢いるい。それがサニーサイドの曲を忘れていた、のは思い出さないようにしたんだな、ずっと。

34話。カムカム英語が終わる、テキストの「ゆきだるま」には"Christmas is over now"ナレーションは太陽のような存在でしたと。木漏れ日は光と影のダンスと言うロバートと安子が近づく中、るいは大阪で傷の診察、雪衣と算太と勇の間で一悶着。雪衣さんの意見は世間の見方でもあるようです。
雪衣さん、たちばなの兄妹を雉真の家に棲みつく怪物のように思っていたのでしょうか。算太は雪衣さんの想いがわかっていて、でも女中では無理だろうと思っていたのかな。人のいい算太、まさか深い仲だとは知らずに雪衣さんを庇おうとしてた。
千吉さんがるいにアイスを食べさせていた大阪のお店、入口の床やカウンターがナイト&デイのもののようで、カムカム世界だともう暗示にしか見えません。これまでも戦後の朝丘町に戦前のタバコ屋さんだったり、「村田」工務店という看板があったり(竹村クリーニングって「竹」と村田さんから?)しました

35話、雪衣さんに謝る勇、きつう言うてしもうてすまなんだ、さらに、すまんと重ねて。事情を全部わかってから見ると、色々察してしまいます。算太もいるし、怒るより他なかったけど、わかってしまうと勇が謝る案件だけどそれで済まされてしまうのか。わしが励まされてしもうたとは。ありがと、そしたら、って、安子と一緒になるからこれで関係は精算、ごめん今までありがとう、ってことか。当時だったらそんなものだったのかもだけど酷い話だ。 一方周りの動きに全く気づかない安子はロバートの英語のあんこのおまじないにかかってしまった。
仲良くなる安子、るいとロバート、野球でアメリカと戦う勇、全然交わるところはないけど劇伴は「月の光」(ひなたの選曲?) 3人で町に戻ってきたるいの背後の電柱に竹野●呉服店、奥の看板は難波理髪店、のように見えます。電柱を竹に見立ててるみたい。

36話、安子が勇のことを話すきぬちゃんのそばにお地蔵様。いろいろ想像してしまいます。 ロバートにおはぎと英語の夢を語る安子、私の姿をるいに見てもらいたい、それでるいが笑ってくれたら私は幸せです、と言った後にロバートといるところを勇に見られてしまい全てが崩れてしまう。
夢まで後少しだったけれどそれは周りが見えておらず独りよがりだったのかも。勇が酒を飲んで暴れて帰って雪衣と、はエデンの東の世界線のよう。雉真の家を出るしか無くなった安子は、千吉に今まで追求されなかった、るいの傷のことを指摘されてしまう。安子の罪の印だと言われてしまう。家父長制の価値観でのるいにとっての良かれで動く千吉さん、その価値観とは合わずに出ていく選択をする安子、額の傷をつけた者も指摘した者もその罪を負ってしまったように見えます。

37話、るいを置いて出ていくことにした安子、るいが幸せになるために必要なことじゃに、るいはちゃんと嫌じゃと意思表示しているのに聞いてくれない。算太を探しに大阪に出て、和傘をさす親子とすれ違う、洋傘をさす安子。日本とアメリカということでしょうか。
失踪する朝の算太のスーツにカーテンの隙間から光が当たっているのは59話のるいの部屋のジョーの洗濯物に月の光が当たっているのと対比なんでしょうか、あの朝勇の部屋から出てくる雪衣と会わなければ、もしくは算太がもっと強ければ、あんなことにはならなかったということなんでしょうか。

36〜38話、初見時は訳がわからないながらも苦しい気持ちで見ていましたが、ひなたが断片的に集めた話、111話で夜遅くまで聞いた母と祖母の話で書いたから、こんな展開、だったんだろうな。色々なことをI hate youの一撃に象徴させてアメリカに行ったとした。
英語のテキストだから、詳しく説明する必要などなかった、親子が断絶したことだけがわかればよかった。

38話、岡山編の終わり。るいの"I hate you"は、小説「エデンの東」のキャシーがアダムを撃ったシーン、安子がしていたことはアダムが楽園(農場)を作ろうとしていたこと、それが無惨に砕けてしまったことなのかと思い至りました。銃で撃たれたも同然の安子だから、もう立ち上がれなかった。
額の傷を周りに色々言われ気遣われ、母の弱みだとわかって、額を見せた。この瞬間、額の傷はるいの罪の印にもなってしまった。そして、成長して岡山を出る、さすらい人のように。
母とロバートとの抱擁を見た小さいるいが雨の中大阪の街をかけていく先の正面の店に、蛸酒造、というポスターが貼ってあるのが見えました。蛸、たこ焼きのタコ?この先の暗示?
るいを探しに飛び出した安子の行く道にお地蔵様の祠が見えている。お地蔵様はどう思われているのでしょうか。

39/40話
とうとう大阪編突入、数え切れないくらい見てるので新しい発見はさすがにないだろうと思っていたのですが、40話、宇宙人ジョーさん初登場前のお客さん、お揃いの赤いコートを出しにこられてました。コリーと双子ちゃんの散歩の様子を想像するるい。「双子」、やっぱりそうなんや。
岡山編にどっぷり浸かった後の大阪編の温かなこと、口数の多くないるいにやかましい(でも適度な距離感)和子さん、気のいい平助さん、もう泣けてきますね。日数もさして経っていない39話と40話でさえもるいの表情が違う。

前から気になってたんですけど、39話の千吉さんのお葬式の朝のテレビのそばにあるのは天球儀?大阪編のかぐや姫と七夕のイメージとして登場なんでしょうか?

41話、こわもての田中、よくよく見たら、7話と同じ服装なんですね、6月くらいの設定でなんで冬物っぽい服装なのかと思ったら。どこからやってきたんでしょう。
田中シリーズを笑って見ていたけれど、時空を超えて、時空が歪んでいることをちゃんと知らせてくれてたんですよね。平助さんはほんとに一瞬よそ見しながら自転車に乗ってて確かにこれは和子さんに言われるなあと納得しました。

42話、冒頭の円環的?殺陣や虚無さんの斬られた額とか黍之丞の紋が雲に月とか、映画館の前に着物姿のトランペットを吹く人とかあれど、和子さんと平助さん、西山さんのやりすぎない大阪的掛け合いの中の温かさにホッとします。安子編序盤の家族の優しさから見知らぬ土地の人の優しさに。
映画館の前でラッパを吹く着物姿の男性、笠を被って顔が見えない=この時点ではまだ正体不明だったジョーのことなのかな?


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