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全身麻酔の手術を控えて過去を振り返る

来月後半に神経の手術を行う予定です。後悔しても仕方がないのですが「アロママッサージを受けに行かなければきっとこんなことにならなかったのに」という想いをどうしても消し去ることができません。少し自分の気持ちを落ち着かせるために過去の自分を振り返ってみようと思います。

私にとって全身麻酔の手術は3回目になります。1回目は12歳頃で顎のあたりに生まれつきあった良性の腫瘤を取る手術でした。ちょうど大量のステロイド服用を始めた頃で顎のラインも気になり腫瘤が目立ってきていました。専門的には何だったのかわかりませんが、執刀外科医からは「珍しいので摘出したものを保存します」と言われました。子どもの頃だったので辛かった記憶はだいぶ薄れています。2回目は30代半ばの子宮全摘術です。

このことにより子どもを授かるという道は完全に閉ざされました。でももしこのことがなければ、身体も精神もボロボロになりながらも「どうしても欲しい」という暴走を止められなかったと思います。
当時、あらゆるハイリスク妊娠と出産を受け入れている母子医療センターにもセカンドオピニオンで行きました。私のように暴走した患者さんをたくさん診てこられただけあって、冷静に厳しいお話をしてくださいました。
「仮に妊娠できても出産まではとても大変な道のり。妊娠後はすぐに入院し、薬など様々な調整をしてとても早い段階で帝王切開しなくてはいけない。母子が安全で健康でいられる保障はない。貴方が透析になる可能性も高いし、命を落とす可能性もある。それでも生まれてきた子どもに責任を持てますか?誰がその子を育てるのですか?」
残念ながら当時の私には先生のその言葉は響きませんでした。周りの言葉は耳に入らずに自分の気持ちでしか物事を判断できず暴走を続けていました。
でも今ならその言葉の重みが痛いほどわかります。悲しいけれどきっと私には荷が大きすぎたことも、諦めるべきものだったことも。

この時の手術は、私達夫婦にとって一緒に乗り越えた最大の出来事かもしれません。自分が悲しい時は相手も悲しいのだということが痛いほどわかりました。触れてほしくないけれど本当は誰よりも触れて受け止めてほしかったことも。
控えている3回目の手術は前回に比べると大きな手術ではありません。それでも無事に手術を終えて戻ってくることを待ってくれている人がいることは本当に心強く幸せなことです。この手術が終われば、私達夫婦はさらに強くなれると信じて頑張ろうと思います。


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