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SLEと伝えてから衝撃の事実を乗り越えての結婚

以前に「勇気をもって伝えることで出会えた幸せ」という記事を書きました。SLEという病気が比較的若い女性に多く、恋愛や結婚、妊娠・出産の時期と重なり悩むことも多いことから、経験を書くことにしました。

その記事内に「今の夫には出会ってすぐ病気のことを詳しく話した」とあります。そこから結婚に至るまでは短い期間でしたが実は精神的にはとても苦しい時期でした。今となってはその時のことはあまり思い出したくないのですが、少し書き留めておこうと思いました。

20年ほど前なので、今よりはSLEの認知が低かったため夫(結婚前)に説明するのは難しいなと感じながらも、自分の現状も含めて詳しく話しました。すると、「その病気は知ってる。実は元カノが同じ病気で死んだんだ。」と言われました。夫が病気のことを知っている驚きよりも、身近に同じ病気の人がいたことと亡くなっていたということに衝撃を受けて頭が真っ白になりました。SLEの認知は低かったものの研究や治療は進んでいたし、死亡率はかなり低いと言われていました。その上おそらく元カノは10代という若さで亡くなっています。

元カノのことを知りたいような知りたくないような複雑な気持ちでした。 部屋で元カノの可愛い写真や思い出の品を見つけてしまい「自分は元カノより大きな存在になれるのか」という深い沼にはまりました。その後精神的に不安定になり自分でもどうしていいのかわからなくなりました。もちろん夫のことは好きだったのですが「結婚すれば元カノに勝てる」というおかしな考えが浮かぶくらい異常でした。

その一方で、夫はきちんと私との将来を考えてくれていました。まず夫の家族は昔ながらの家で色々と厳しかったのですが、家族会議で私の病気や今後のことを伝えてくれました。また夫一人で私の両親に会いに行って話をしたり、電話をしていたようです。その後、元カノのお母さんに結婚のことを伝えに行き、お母さんから感謝の言葉を受けるとともに毎年のお墓参りも終了しました。私の診察に同行して、主治医とも話をしてくれました。

当時の私は未熟で自分のことしか考えられませんでした。夫の家族からすれば、私が息子の元カノと同じ病気という不安も大きかったと思います。元カノが亡くなった後にショックで鬱になっていた息子をまた苦しませるのでは?と思われていたかもしれません。私の母親は、私が結婚しても持病があることで色々と精神的苦労が増えると感じていたようでした(特に子どもを産める可能性が低いことについて)。

何度もお互いの気持ちをぶつけ合い、泣いて怒る日々が続きました。そんな中「一緒に住んで結婚という形をとればお互いにとっていい方向に進むのでは?」という結論になり短期間で結婚に至りました。もちろん結婚してからも数年は喧嘩が多く、何度も挫折しそうになりました。

当時のお互いの気持ちを書き留めたノートが残っているので、今でもそれを読み返すと胸が痛くなります。それでもそのことを乗り越えたから今があります。「結婚は二人だけの問題ではない」というのはあらゆる場面で感じました。それでも今は「二人が良ければそれでいい。大切なのは二人の気持ちなんだ」という夫婦共通の想いがあります。

元カノが私と同じ病気だったことも、今では冷静に受け止められています。夫を悲しませることが少しでも少なくなるよう、病気と向き合っていこうと思います。

悩んでいる方へ。好きになった人がいたら、勇気を持ってぶつかってみてください。時には沢山泣いて怒って、感情を出してみてください。しんどいけれどお互いの本音や気持ちの深いところを早めに知っておくことが幸せへの一歩だと思います。

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