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高齢者が大金を動かそうとしたら

まだ、母がひとり暮らしをしていた5年前くらいのお話しです。
当時書いたものを、見つけたのでコピペっ!

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私の母は、軽度認知障害(MCI)で、認知症外来通院中、ドネペジルを内服しながら、慣れた家で一人暮らしをしています。私の家からは、車で約1時間半の一軒家です。MCI以外には、特に持病もなく、自転車に乗り近所に買い物に行きます。

2016/3/11(金)
11時ごろ、私の私用携帯電話がなりました。職場で事務作業中でしたので、そのバイブレーションに気が付きました。
普段、仕事中の知らない電話番号には出ないのですが、別件で連絡の入る可能性があったため、電話に出ました。
実家近くのY銀行の知り合いの女性行員からでした。

行員さん
「今、お母さまが窓口にみえていて、合資会社○○というところに400万を送金すると言っているのですが、お話きいてますか?」

「え?? 何も聞いてません。母は何と言っているのですか?」
行員さん
「私が聞いても、よく分からないのですけど、契約書をもっていて、どうもベンチャー企業に出資して、5月くらいからいくらか利益が反ってくるみたいな話のようなんです。その合資会社の担当の方と一緒に窓口に来ています。お母さまに代わりますね。」

「なんか、私も良く分からないけど・・・あんたがダメと言うなら止めるわ。」
私、行員さんへ
「止めてください。その会社の担当の方へ、私に説明をしろと言ってください。」

その後も色々なやり取りがあり、契約は破棄に、送金はしないことになりました。
銀行の方が110番して、警察官が来たら、合資会社○○の担当は、契約書に×を大きく書いて、その場からいなくなったそうです。

警察官からも電話がありました。

警察官
「そういう出資を募る会社もあるので、詐欺とは言えないですが、判断力の衰えた高齢者を狙って出資させるのは、詐欺まがいと言えますね。人を替えてまた来るかもしれないので、用心してください。出してしまったものは戻らないですから。今日は、ご自宅まで送りますね。」

夜、母に電話をしてみました。


「銀行? ああ行ったわね。なんで銀行なんか行ったんだっけ? 覚えてないのよ。」

行員さんの話、警察官の話を伝える。

「はじめて合った人じゃないわよ。何度か来てくれた。悪い人じゃないわよ。え?? 私が騙されたの? Y銀行に行ったら、個室に通されたのよ。そうそう警察の人がいてびっくりしたわ。パトカーで家まで送ってもらったのよ。」

騙された自覚ゼロ!
実家の貴重品の管理方法を変えようと思いました。母に任せておける状況ではないようです。

でも、一番は、何より銀行員さん、GOOD JOB です。
助かりました。

認知症の高齢者を狙った、詐欺まがいの事件はけっこうあるようです。
一事例としてご紹介しますので、ぜひ皆さんも自分に置き換えて対応を考えてください。

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