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日本語教師になるために、どこで教授経験を積む?

日本語教師になりたい人からよく聞くのは、「日本語教師の資格を取っても教えられない」ということです。

教師は経験が大事です。でも日本語教育の教育実習って、1、2回だったり、もう勉強したことがある学習者がアルバイトで参加していたり…(私の教育実習はそうでした)。学校教育の教育実習と全然違いますよね。
かと言って、日本語教育って経験があった方が優遇されるし、教えた経験や自信がないまま現場に立つのも不安です。じゃあ、経験ゼロからどうやって積み上げていくのか?考えてみました。

現場を見せてもらう

まずは、教えている現場を見せてもらうのが第一歩だと思います。私も、大学(学部)時代に留学生のクラスに参加できる制度を利用して、週に1回大学内の聴解・会話授業に参加していました。今思えば、先生の授業の仕方だけでなく、ネイティブがゲストで参加したときにどんなことができるか、1学期間の留学生の日本語の成長などいろいろなことを知ることができました。
現場はいろいろあって、大学以外にも日本語学校、地域の日本語教室、オンライン授業など、知り合いで見学させてもらえるところを探してみるのがいいいと思います。できれば、1回ではなく1コースずっと見学させてもらって、先生や学生の関係性の変化や評価の方法についても見学できると自分の授業を作るときに役に立つと思います。

セミナーに参加する

近くに現場がない、という人は、他の日本語教師とコミュニケーションをとるのもいいかもしれません。今はオンラインでも無料のセミナーが行われているので、まずはこういった機会に参加するのもいいと思います。
日本語教育についての知識も得られるし、実際に教えている先生の雰囲気なども掴めると思います。講義形式のセミナー以外に、他の教師の実践や授業を見学できるセミナーもあるみたいですよ。
セミナー以外にも交流イベントもいろいろ行われているようです。こちらも気軽に参加できてよさそうですね。

インターンシップをする

それでも、やっぱり教えてみないと分からないこともあります。私は1年間海外で日本語を教えるインターンシップができたのが、教える自信につながりました。教案を細かく見てもらってフィードバックをもらえたことで、どのように授業準備をしたらいいか、授業準備にどのくらい時間がかかるかがわかりました。全く勉強したことがない学生に1から教えられたこと(会話練習だけですが)で、どのように日本語能力が伸びていくのか、どこでつまづいてどんな質問が出るのかなども体感することができました。その結果、テストでどう測られるのかもみられたのはよかったです。
今はインターンシップも難しいのでしょうか?私は生活費が出るスタイルでしたが、できればそういうところだといいですね。

思い切って教えてみる

思い切って、教えてみるというのもいいかもしれません。例えば、オンラインのプラットフォームでは、日本語教師の資格がなくても登録できるものもあるようです。それを逆手にとって、「今日本語教育を勉強しています」と書いて登録したらどうですかね…?
それ以外にも、言語交換(Language Exchange)なども可能性があるかもしれません。

どうしたら「経験を積んだ」と言えるのか?

日本語教育能力検定試験を見てもわかりますが、日本語教師って様々な知識や能力が必要なんですよね。しかも、あの試験でも足りないという。
私が考える、「日本語が教えられる」という状況は、

教案作って教えて、宿題チェックして、テストで評価できる

というクラス運営に加え、

ただ教えるだけでなく、学習者の質問に答えられる(答えがどこにあるかわかって、後で調べてもいいので答えられる)

ことが必要だと思います。それ以外にも学生の対応やカリキュラムを組むなどいろいろできた方がいいことはありますが、まずはこれが一人でできることが、日本語を教えるための必要な能力だと思います。これができないから教えちゃダメ、というのはないですが、これができるとある程度自信を持って教えられると思います。
しかし、言語は生きているから、いくら勉強しても足りないことが出てくるんですよね。教え方だって日々変わっているし、新しい知見やツールも日々出てきています。海外と日本国内など、教育現場が変わるだけでも大きな違いがあります。変化にどう対応するかわかってきたら、「経験を積んだ」と言えるのかもしれません。

私もまだまだですが、少しずつ経験を積めていればいいなと思います。

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