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詩  6月の風

6月の風が
身体を包み込む
今にも雨が降りそうな
傷ついた風が
頰を刺していく
時が経てば
今度は
熱い日射しが刺していく
そうやって
いくつもの季節を過ごして
心が削られて
理性もなくしていく

無邪気だったあの頃に
ちゃんと笑えたあの頃に

戻れることのできない
幼い日々に
もう
似合わなくなった私は

行くあてもなく
今日もひとりで
グラスの涙を飲み干した

サヨナラが似合うようになって

あといくつの季節を
見送ればいいだろう









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