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5月のフランス菓子研究所 ブルーベリーシフォン

ミサリングファクトリーのある上永谷は駅のロータリーに沿って藤棚が設えてあります。毎年5月のレッスンの朝は甘い香りと目に鮮やかな紫の花を楽しめるのですが、今年はあっという間に咲き終わってしまいました。桜はじりじりと遅れ、つつじは気が早く、今年の花たちはなんだか調子っぱずれです。でもそれもこれもみんな、ニンゲンの勝手な振る舞いのせいなのかもしれません。

月に一回、自分のレッスンに通うようになって丸17年が経ちました。ムスメのレッスン送迎を始めたのはさらにそこから3年遡ります。私はお菓子作ることで起業したいと思っているわけではなく、なんならムスメもパティシエにはならず公務員をやっています。もちろんここで製菓の道こそ我が道と目覚める生徒さんもいるけど、半数以上は主たる業務が他にあるひとたちです。

そんだけ時間とお金を投資したんなら、製菓で稼いではどうかと夫は云います。レッスンフィーについては知らないと思うけど(知れば驚くと思う)私はそれでスキルを買ってるわけではなく、楽しくて安心なサードプレイスを確保しているのです。

5月はミサリングファクトリーの誕生月で、毎年お祭りをやります。今年もたくさんのお客様が来てくれて、とても楽しかったです。ただ、お祭りは準備から当日運営までなかなか重労働です。そのため、5月のレッスンは比較的短時間でできるお菓子を作ります。今年はブルーベリーのたっぷり入ったシフォンケーキ。それと、おまけのスープドフリュイ。フルーツたくさんのデザートスープです。

シフォンのポイントはメレンゲの立て方と材料の混ぜ方にあります。慣れてしまえばなんてことはありませんが、ブルーベリーのシロップ煮やピューレなど、水気が多いものがたくさん入るとなると少し気を使いますね。今回は表面の割れも均等に焼き上がり、上々の出来栄えでした。緩く泡立てた生クリームと、ブルーベリーのソースを添えていただきました。幸せなしゅわしゅわ感。最高。

スープドフリュイは最初にミント風味のシロップを作ります。柑橘の皮も入れるのですが、先生が「ベルガモットをもらったから入れてみよう」と。ベルガモットって柑橘系の果物だったんですね。皮の香りはまさに高級なアールグレイ。できたシロップを冷やして、小さく切ったフルーツと合わせてできあがり。何人もいるからぱぱっと作れますけど、一人で全部やったら大変そうです。贅沢な美味しさでした。

そうそう、シフォンは焼きっぱなしで持ち帰るため、型を持参します。前回、忘れたひとにスタジオの型を貸し出したら、なにやら白く曇った状態で返ってきたそう。アルミを食洗機で洗うと、洗剤のpHと高温のせいで化学変化を起こすのですって。「常識だよね」と先生。私はまったく知らなかった。うち食洗機無いしね。キャンプで使ったメスティンもケトルも手洗いだから助かってるらしいです。

来月はぐっと難易度上がる「スリー」というお菓子を作ります。それもまた楽しみです。

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