見出し画像

学校心理士の活動

学校心理士が果たす心理教育的援助サービス
①心理教育的アセスメント
子どもの学習面、心理・社会面、進路面、健康面などにおける問題状況について、情報を収集し意味づけし、そして教育的な援助における判断のための資料を作成するプロセスである
・教師や保護者と一緒に援助を必要とする子どもの発達の状況や学校生活の状況、および学級の雰囲気や家庭環境について情報を集め、どのような援助を必要とするか把握
・子どもの自助資源(子どもの学習スタイル、性格、体力、趣味などで子どもの問題解決に役立つところ)と、子どもの環境における援助資源(子どもに援助的に機能する人的資源や施設など)を把握
援助チームとしての心理教育的アセスメント(学級担任、保護者、SCなど)

学校心理士の役割
・アセスメントの計画と実施に関する助言
・個別式知能検査など専門的なアセスメントの実施
・収集された情報の分析とまとめに関する助言
アセスメントの計画や結果のまとめは心理学や学校教育に関する高い能力が求められる。WISCーⅣやKーABCや他の検査などを実施することも学校心理士に期待される機会が増えている。

②子どもへのカウンセリング(直接的援助サービス)
個別面接、集団面接、相談室や保健室での自由な活動の促進、学級集団に対するスキルトレーニングまで幅広く実施。
子どもの(教師や保護者からの依頼もある)カウンセリング=子どもの問題状況の解決、危機の回避や対処、
・学校生活での情緒面の苦悩の軽減や解決
・進路に関する自己決定の援助
・学習面で苦戦する子どもに学習面での状況の理解
・得意な学習スタイル(認知スタイル)の発見
・学習方略の紹介
・学習計画の援助
・学力の向上などを通して学習の困難な状況を専門的に援助する

学校心理士は自分の立場(教育相談担当、特別支援教育担当、養護教諭、SCなど)を生かして子どものカウンセリングにあたる。その際、自分のカウンセリングが子どもへの全体的な援助サービスの中でどう位置づけられるか検討しながらチームの援助の一環として行う。
「学校心理士と子どもとの間での情報(守秘義務の対象)」「援助チームで共有する方が望ましい情報」「学校全体で共有する方が望ましい情報」など子どもと話し合いながら判断する。

③教師・保護者へのコンサルテーション
子どもを直接援助する人を援助する(コンサルテーション)子どもの問題状況の解決を効果的に援助できるように働きかける。
・援助チームでの作戦会議
・教師や保護者への援助能力向上の研修
・学校やPTAの研修会の講師

④学校組織へのコンサルテーション
学校心理士は、心理教育的コンサルタントとして学校が子どもの学習と発達の場所としてよりよく機能するように働きかける。子どもの学習面、心理・社会面、進路面、健康面での問題に学校として取り組むように援助すること。
・管理職へのコンサルテーション
・「不登校対策委員会」「いじめ対策委員会」「障害児支援委員会」など委員会へのコンサルテーション

⑤コーディネーション
子どもの援助者が集まり、子どもの苦戦する状況についての情報を収集しながら、子どもに対する援助方針を共有し、援助活動をまとめるプロセス。
学校心理士はコーディネーターと担うことのできる人材のひとつ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?