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満月ダイアローグがうまれたわけ

自分の真ん中を、表現を、自分そのものを、人前に出すのは怖い。

ほんとうに怖くて、自分で自分に「どうかしてる」と思うことがある。


身体の勉強で1年半前から師事している先生が、「【声】には、その人の全てが顕われる」と、つい先日話してくれた。 

声と音で表現をするーー自分の真ん中、一番繊細で柔くて傷つきやすい部分。すべてが顕われる部分を、人前に晒すなんて、どうかしてる。

でもそんなふうに思ったあとで、いつも思い出す。「大丈夫。真ん中の真ん中、ほんとうに一番大事な場所は、決して傷つかない。」


そして、そこに集うひとと、真に「対話」したいのならーーー

まずは私から、「ほんとうの声」を差し出して、はじめるのが礼儀だ。




10月29日。『満月ダイアローグ』

音と舞いをはじまりとして、そこに集うひとみんなで、「言葉による対話」「言葉以外の方法による対話」を行う。



このイベントが生まれたきっかけは、深く尊敬する表現者であり、体現者。前田ゆきのさん。

彼女と、スタッフのあいちゃんと、三人で喫茶店で話をしているときだった。



ゆきのさんが話す。

「久しぶりに、踊りたいと思ってる。 
千秋ちゃん、ラムピリカで、どうかな。踊れないかな。」


 「いいですね!」

ゆきのさんのことが大好きな上に、深く尊敬を寄せている私は、二つ返事でYESをいう。


すると、ゆきのさん、嬉しそうに

「やったー!一緒にやれるひと・・・音楽、できる人いるかな」 


「そうだなぁー」

と、知り合いの音楽家の面々を思い巡らす私。


この様子を見ていたあいちゃんが、突然


「この人、どうですか? 音楽する人。」と。

私を指さしている。


「えっっっ!!!」

私の目は、ひどく見開いたはず。


「あっ、いいね!」

と、即答のゆきのさん。


「えええ?!」(いいのか?!)

驚愕する私。


「そんなの、畏れ多すぎます・・・・!」

と言いかけた。(いや、実際に言ったかも)


いや、でも、と。

私の悪い癖。
自分を簡単に遜(へりくだ)らせようとする。

もう、そういうの、やめよう。
切り替えた。

信頼するひとが、私を信頼して、
「いいね」と言ってくれているんだ。

それはもう、「いいんだ」ってことだ。


「やります」

返事をする。


で、返事をした2秒後に、

「ええーーーっ!?うそーー!!!!? 私ーーーー?!」


第二波がやってきた。

パニック。


それに対してあいちゃん。バッサリ。

「表現、やりたいんでしょ。ほんとは、もっと」


う…。

ほんとうに、この人にはいつも敵わないな・・・・。


やりたいと言いながら、できていないのは、後回しにしているからだ。


「はい、やります」

もう一度言い直す。


そんなふうにして、今回のイベントが決定した。


その後、ゆきのさんと打ち合わせする中で、

「その場に集う人たちとの響き合いの時間を作りたいね」

ということで、まとまる。




ゆきのさんのことが、出逢ってすぐに好きになった理由。
知れば知るほど好きになっている理由。

うまく言えないけれど、あえて言語化してみるなら。


まずは、眼がとても好きだ。
透き通って、光って、青みがかった深みがあって、宇宙人みたいな印象がある。

そして、話せば話すほど尊敬の念が膨らむのは、ゆきのさんが、ご自分の命、他者の命、自然・・・生命全体に対して、とても真剣に、誠実に行動しながら生きている、と感じられるから、なのかもしれない。


彼女のことを、「アーティスト」とも呼べるのかもしれないけれど、それ以上に、儀式を執り行う人…仕事をする人…地球上でのご自分の仕事を、知っている人…

とても言語化しきれる気はしないのだけど、そんなことを感じる。


ただ、勝手ながら思うことは、「自分のため」とか「ひとのため」とか。そういうことを、ゆきのさんはあまり考えてなさそうだなと思う。

「自分のため」と「ひとのため」が、とても自然に「同義」となって、それでいて、そんな文言の意味そのものも、すでに彼女の中で、消失しているような印象を受ける。

身体や自然や生命と向き合うことを、自分の心根からの好奇心でやっていて、それが自然と人の役にも立ってしまっている。

そんな、稀有な存在だと感じている。



そんなゆきのさんと、初めて二人で、場をつくる。

まず二人で「響き合いのはじまり」を生み出す。

水面に、波紋を生む。


それが誰かに届いたのなら、その波紋は、その「誰か」の心のカタチに合わせて、新たな波紋を生み出す。


波紋は、言語化してみようとしてもいいし、言語ではない形で、スケッチブックなどに表してみてもいい。

表さないまま、ただ味わうがまま、でもいい。



ただ、その場に集うすべてのひとが、安心して、波を受け、自分から生まれる波を感じられたら、楽しめたら、いいな。


そう考えて、場を用意する。


ここでの時間、空間を味わいに、

満月の夜、ぜひ喫茶店までお越しください。


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