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「親友だよ」は「あなたが好き」って意味だった


冬の朝のツンと澄んだ空気を吸うと、高校生の時を思い出すことがある。


朝は戦いだった。準備に追われているからではなく前髪を整えるのに、だ。

たかが前髪、されど前髪。
通学中も乱れないように、毎朝欠かさずストレートアイロンでしっかり伸ばして整える。何せ学校までは自転車で片道50分かかる。

「よしっ、いってきまーす。」


私は癖っ毛だし、おまけに周りの同級生に比べて化粧っ気もなかった。それも私にとっては別に大した問題ではなかった。

あなたと初めて話した、あの日までは。

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