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アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館訪問記【2023年12月】

人生で1度は訪れたかったアウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館に行くことができました。奇しくも、イスラエルとハマスの戦争中に。


ガイドの予約

今回私はアウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館唯一の日本人ガイド 中谷剛さんの案内で訪問することができたので、博物館の予約の仕組みについて備忘録として残しておきたいと思います。

①中谷さんに都合を確認

まず、中谷さんに連絡を取ります。理由は、既に日本のパッケージツアーや、一時帰国のご予定が入っている可能性があるためです。メールの宛先は他の方のブログをご参照ください。わたしはiCloudのメールアドレス宛にご連絡させていただきました。

②団体案内と個別案内

個別案内は、いわゆる貸切です。今回私はこちらを選びました。アウシュヴィッツとビルケナウを合わせて3時間、1グループ620ズオチ(見学時)です。
自分でアウシュヴィッツの公式サイトからアカウントを作成し、申し込み、費用を支払いました。2週間前までキャンセルができるそうですが、どこからキャンセルができるのかは不明です。

団体案内は、上の個別案内の申し込みを中谷さんが代行し、中谷さんが個別にメール等で連絡を取った方複数名を集めてガイドを行う形です。費用は620ズロチを人数で割った分となるため、さまざまな人のブログを読んでも微妙に値段が異なるのだと思われます。

最初にメールをお送りした際は、中谷さんも私もお互い団体で案内する(される)つもりでしたので、代行予約のためパスポートに記載の名前を求められました。その後、貸切のような手段はあるかお伺いし、個別案内の申し込み方法を教えていただいた形です。

なお、私の見学時、アウシュヴィッツの日本人ガイドは2人 中谷さんとポーランドの方がいらっしゃるそうで、申し込みが個別であろうと団体であろうと、どちらが選ばれるかは博物館次第だそうです。

また、今回私は個別案内を選択しましたが、今後日本からの観光客数が戻った際にも同様に選べるかは不明です。訪問する際はよく中谷さんに確認してください。

③申し込み〜前日

申し込みが終わったら、あとは当日までできることはありません。
中谷さんも以下の通りおっしゃっておられました。あとは、祈りましょう。

私たちガイドは見学者を選べず、見学者はガイドを選べすというある意味で健全なシステムなので、前日までに私がご案内できるかどうかわかります。

メールより

アウシュヴィッツ=ビルケナウ訪問のため、事前学習として見た/読んだコンテンツは次のものです。

余談ですが、今回アウシュヴィッツ博物館案内を日本から持参したところ、「私じゃない人が本を転売してるみたいなんですよね」とお怒りになっていらっしゃいました。お知り合いの方と電子書籍化するお話が出ているとか出ていないとかされておりました。

博物館見学中に中谷さんからお勧めされた本は『女の一生』です。第二部「サチ子の場合」にアウシュヴィッツ強制収容所に収容されていたコルベ神父について描かれているため、お時間がある方はこちらもお読みになると、中谷さんのご案内がさらによく理解できるかと思います。

見学予定の前日に「明日のガイドを引き受ける」旨ご連絡を頂戴しました。メールには当日の集合時間、場所等が記載されていました。

アクセス

今回私はイギリスを拠点とし、ポーランドに3日滞在しました。ですので、空路を用いたクラクフからのアクセスについて記載します。

ヨハネパウロ2世・クラクフ・バリツェ国際空港

ヨハネパウロ2世はポーランド人初のローマ教皇です。
今回、深夜帯の到着ではなかったため、鉄道を使用してクラクフ中央駅(Krakow Główny)まで行きました。

クラクフ空港のI♥KRK(誰かのキャリーバッグ付き)

入国審査(これがすごく長くて30〜40分かかった)終了後、空港に出たらTrain to cityの表示に従って鉄道駅に向かいます。別の方のブログでは、「エスカレーターを登る前にチケットを購入!」と書かれていましたが、私は愚かなので見事に忘れました。でも大丈夫!!駅のホームのエスカレーターを降りて先へ進むとキオスクがあります。そこの小さい小屋の中にいるおじさんが切符を売ってくれました。どこまで行くか聞かれるので、Krakow Centralと伝えれば大丈夫です。クレジットカードOKです。切符(青い紙)を持って、電車に乗ります。途中、切符の確認をされますので捨てないようにしてください。

駅名の表示。新しい
キオスクで発券された切符。QRを読まれる

なお、電車は1時間に2本程度しかありませんので注意してください。
https://www.kolejemalopolskie.com.pl/pl/rozklad-jazdy/rozklady-kolejowe/wieliczka-rynek-kopalnia-krakow-glowny-krakow-lotniskoairport

クラクフバスターミナル〜アウシュヴィッツ(バス)

行きはバスを利用しました。
クラクフ中央駅の東口方面にバスターミナル(Autobusowy)があり、そこから博物館の目の前まで直通のバスが通っています。私はLajkonik社を利用しました。事前にオンラインでチケットが購入可能です。おそらくバスターミナルのカウンターでも買えると思います。なお、車内は飲食禁止ですので注意してください。(No coffee!!と怒られました)

http://www.lajkonikbus.pl/krakow---oswiecim.html

バス停のすぐ横にあるパン屋さん
オシフィエンチム行きのバス乗り場

オシフィエンチム駅〜クラクフ中央駅(電車)

帰りは電車を利用しました。
Uberを捕まえられず、流しのタクシーは10€と言われ、(Uberでみたところ5€相当だったためぼったくられてると判断)行きと同じだと面白みもなかったため博物館〜オシフィエンチム駅まで徒歩で向かいました。

oswiecim駅外観。きれい

一度機械で切符が買えるか試してみましたが、ポーランド国内の路線も会社も全くわからず、どれを選べば良いかすら一切解らなかったため大人しくカウンターに行きました。

カウンター。この写真の右側に券売機のようなものがあります。

Google mapでOswiecim→Crakow glownyまでの電車を使ったルートを出し、直近の時間のものを表示してカウンターのお姉さんに見せて「two people!」でなんとか買えました。ありがた〜い。

バスと違い本数はかなり少ないですが、鉄道を使ってヨーロッパ各地から送られてきたユダヤ、ロマ、ソ連軍捕虜のことを考えながら乗ってみるのもまた良いと思います。(結果的に中谷さんにも良い判断と言われました)

その時乗った電車 oswiecim駅撮影

アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館

中谷さんと合流

見学前日にくるメールに時間と集合場所が書いてあります。当日指定場所に向かうと、アジア人はわかりやすいらしく中谷さんから話しかけていただきました。

見学について

見学は、アウシュヴィッツ第一と第二(ビルケナウ)を合わせて3時間です。
アウシュヴィッツ第一が2時間程度、第二が1時間程度でした。
もちろん3時間で全て回れるわけではないですし、案内してくださる場所以外に各国の展示もありますので、中谷さんのガイド終了後に個人で見学チケットを取ることを大いにおすすめいたします。
各国の展示は、基本的にヨーロッパの方が歴史勉強に来た際に自国の負の歴史について学ぶのが目的のようなのですが、他国民が見ても非常に興味深いため、ガイドで回れなかった棟含めて見てみるのが良いかと思います。

27号館 ユダヤ人

訪問時期

もし、このnoteを読んでくださっている方がいつ、どの時期に悩んでいる ということがあれば、参考までに記載します。


見学には適しているため、混んでいる
但し、見学可能時間は長い


雪も多く、見学にあまり適していないため、空いている
見学可能な時間が短い(〜16時ごろまで)
積雪の都合で見学できない場所ができることもある
(屋根上の雪かきや建物の耐久の問題)

通路が除雪されているのに、入場はできない

私は冬に訪問しましたが、いくら寒くてもろくな防寒着も与えられず厳しい労働に従事させられた収容者のことを考えるには冬がいいのかなと思いました。

さいごに

アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館は、20代での訪問を推奨しているとのお話を中谷さんから伺いました。
それより若すぎると全体知識が浅すぎるし、上だと自分の考えが固まってしまうからだそうです。今回、ちょうどその時期にあたる年齢で訪問できたことは奇跡だと感じました。

日本から訪問するには決して近くはありませんが、様々なことを見て、感じて、考えることができる場所です。このnoteがたくさんの日本の方に訪問していただける一助になったら嬉しく思います。

ありがとうございました


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