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スディール・ヴェンカテッシュ「社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた」

実際に入り込んで、内側から観察する。
前作「ヤバい社会学」から続く手法。
コロンビア大学教授になっても、変わらない。
ヤクの売人や売春婦といった人とつながり、裏社会に徐々に深く入り込む。
なぜ、このインド系アメリカ人はこうも裏社会の人々から受け入れられるのか・・・

ニューヨーク=多様性の街というイメージだが、そうも簡単な話ではない。
保有している文化資本により、棲み分けがきっちりある。
尊大な「白い人」たちと「色のついた人」たちがどのように共生しているか、リアルな実態が分かる。

裏社会を覗き見る面白さに加え、社会学的な示唆もある。
目まぐるしく変化する大都市で生きるには、「たゆたう」ことが重要だ。
居心地のよい場所に留まらず定期的に動き、新しいネットワークとつながったり、自分の文化資本を更新したりすることだ。
そして、時には後退も許容しながらしぶとく進むことだ。


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