日本家屋の空気

自転車で出かける。
何の予定もない午後、祖母の墓参りをする。

自宅から30分、小さな寺。
本堂の横にある家屋で線香が買える。
自宅兼用の建物なのだろう。

昔ながらの開放的な廊下と和室、生活の気配がある。
木の香り、ほの暗い廊下、通り抜ける風。
外の残暑を僅かに受け入れつつも、涼しい空気。
外と内の隔たりの曖昧さと簡素さがある。
九鬼周造が「粋」の要素のひとつに挙げる「諦め」に通じる。
「粋」な空気を感じられる日本家屋が好きだ。

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