見出し画像

【芸術の秋】初心者による美術館の楽しみ方【ちょっと芸術ってたのしいかも】

 だんだんと寒くなってきていて、「〇〇の秋」というように様々なものを秋が背負わされている季節がやってきている。その〇〇に入る言葉の中でももっともメジャーなのが「”芸術”の秋」ではないだろうか。
 自分はこれまで、絵画とかデザイン作品とかを見ても”なにがおもしろいかわからんなあ”となっていた側の人。でも、半年前くらいに上京してきて、いろんな美術館に行くにつれて自分なりの楽しみ方がわかってきた。
 というわけで、自分の楽しみ方についてまとめていく。これをみて、少しでも美術館に興味を持つようになったり、考え方の参考になったら嬉しい。

0.美術館に興味を持つようになった経緯

LINE_ALBUM_豊島の思ひ出(おじゃじゃ)_211021

 自分は大学生になってすぐにカメラを購入し、それがきっかけでお出かけをして写真を撮るのが好きだった。そんな中、インスタグラムを見ていたら岩倉しおり(iwakurashiori)さんというフォトグラファーと出会い、この人の写真のことを直感的に大好きになった。そして、岩倉さんが撮ってきた写真の中でも、香川県の豊島てしまと直島での写真がすごく好きだと感じて、当時の友達と行くことになった。

 自分はそこで、初めて美術館にいった(記憶にある限りでは)。そして、それが美術館にハマったきっかけとなった。

 このときに行った美術館が豊島美術館と地中美術館ってところなんだけど、両方自分にとっては衝撃的だった。特に豊島美術館は、今まで行った中でも一番良かった。地中美術館は地中美術館で、自分が建築を好きになるきっかけである。

 実は自分は初めて美術館に行ったのが2019.8.19で、好きになってからまだ2年ちょっとだ。それに、1年以上行ってない期間もある。そんな自分が美術館の楽しみ方とか言っていいのかと感じるけど、この前一緒に美術館に行った人が

「アートが好きな人に上下はないよ」

って言ってくれたので、それを胸に、自分の楽しみ方について書いていってみようと思う。これから述べる楽しみ方が正解って訳ではなくて、そういうモノサシもあるんだ、という程度に読んでくれると嬉しい。


 一応、この2年ちょっとで行った美術館と建築家、よかった度を3段階評価で表したものを箇条書きで記しておく。

画像2

1.”くうかん”を楽しむ

画像4

(東京都台東区 東京都美術館)

 美術館に行く上で一番気楽に楽しめるのは、”くうかん”だと思っている。なんの前知識も必要とせずに、その場にいるだけで楽しめる。

 例えば、その場の全体を使って体験できる「インスタレーションアート」というものが存在する。上の東京都美術館での写真もそうだが、自分が一番最初に行って感動した豊島美術館もインスタレーションアートである。

 そのくうかんにいることで、ものすごく落ち着いたり、逆にワクワクしたりして、どうなっているんだろうとか、規則性はあるのかなあという純粋な疑問が溢れてきたりして、そのくうかん全体への興味が掻き立てられる。

画像3

(東京都港区 21_21 DESIGN SIGHT)

 さらに、”くうかん”を楽しむ方法は、インスタレーションアートだけではない。それは、建築物であったり天気であったり季節であったりする。上の21_21 DESIGN SIGHTは自分が一番好きな建築家の安藤忠雄さんの設計した作品で、簡単に言うと、「光と影のコントラストにこだわった建築」が特徴的。(つまり、写真との相性がすごく良い!!いい写真が撮りやすいんよ☺)こういう、こだわりのつまった”くうかん”がたまらなく好きなんだ。

 多くの美術館は有名建築家による作品であり、有名建築家の設計した建築物はどれも特徴的。そんなこだわりのつまった建築物に触れることが、楽しくないことはあるだろうか(いや、ない)。

画像5

 自分は、地中美術館(建築:安藤忠雄)に行ったときに「なんなんだこの地下に埋まったコンクリートだらけの美しい建築は!」となって、安藤忠雄さんの建築物巡りをするようになった。これはほんとにたまたまだったけど、美術館に行ったことをきっかけに、新しい楽しみ方が増えたという意味でも美術館はいいところだなと感じている。

2.世の中を見る幅が広がるのを楽しむ

画像6

 自分はそもそも本当に教養がない人間で、上の写真のKAWSのことも知らなかったしイサム・ノグチも横尾忠則も、隈研吾という名前さえも聞いたこともなかった。

 別に知らなくても、楽しく過ごすことはできるし、そんな雑学知っても役に立たないって感じる人もいるかも知れない。自分もそうだった。でも、いろんな美術館に行って深く知ることによって、楽しむことができる幅が広がった。

画像7

 たとえば、自分の好きな人がたまたまKAWSのTシャツを着ていてちょっと嬉しくなったり、イサム・ノグチの〈AKARI〉と呼ばれる照明器具が、とあるカフェに使われているのを見かけてこだわりを感じることができたり、この建築物隈研吾っぽいって思って調べたら本当に隈研吾建築だったり。

 本当にささいな楽しさかもしれないけど、自分の中で小さな楽しさを感じることができる機会がどんどん増えていって、その積み重ねで幸福度を10%くらいは上げてくれてるんじゃないかなって思う。こだわりを知ることって本当に楽しい。

3.作品を楽しむ

画像8

 本来、ここが一番最初に来るとは思うが、自分はまだ初心者なのでわかりやすい空間や、知見が広がるということを先に書いた。特に、絵画は楽しむことができるようになったのが、2021.09.04で本当にごく最近である。(ちょうど、休学を本気で悩んでいた頃...笑)

 今まではずっと、絵画は”よくわかんないな”と感じていたんだけど、仲良くしてくださっているボルダリングジムのスタッフさんが武蔵野美術大学の油画を専攻していたって聞いて、もし自分も好きになれたら共通の話ができて仲良くなれそう!っていう動機からアーティゾン美術館で油画を観賞しに行った。


そしたら、超ハマった。”油画、おもしろっ!!”ってなった。


 その日に行ったアーティゾン美術館は、15時から入ったんだけど時間を気にせずに見ていたら半分も観切ることなく閉館時間の18時を迎えてしまって驚いた。

 このときに一番好きだなと感じた油画が、上の写真の、黒田清輝『針仕事』という作品。全然油画に関して詳しくないから専門的なことはなんにも語れないんだけど、ぱっとみたときから”すっごく美しい”って感じた。光のやわらかな表現と、それに照らされてる女性の髪の毛が1本1本繊細に画かれてて、影の中に緑や青色を使ってるのにバランスが取れていて、差し色の赤がいいアクセントになっていて、構図も画角も自分好みで楽しくなった。(写真と実物では、全く違うから興味を持ってくれた人はぜひ本物を!)

 たぶん、自分は作品を観るときに、今までカメラを趣味としてきたからこういう視点でしかまだ観ることができていないけど、これからいろんな絵画をみて、説明をみて、値段をみたりお店に飾られているものを見たりして、いろんな「モノサシ」を手に入れていくことで、より一層楽しめそうだと感じている。

画像9

 一人のアーティストや一つの作品に焦点を当てた展示を見るときは、作者のこれまでの経歴について、ブログやYouTubeを用いて結構調べてから観るようにしている。背景を理解しながら作品を鑑賞することで、多面的に捉えられたらいいなという期待を込めてのことだが、実際には正直わからないことが多い...

 でも、自分のペースでなにか楽しむことができたならそれでいいのかなとも感じている。ゆるーくゆるく。

4.自分の価値観探しのきっかけとして楽しむ

画像10

 作品を見たときに「これ、好きだな」とか「よくわからんな」とか「嫌いだな」というような自分の意見が出てくると思う。そのときに、自分の心に響いたものに関しては、なぜそれに対してその意見を持ったかを考えてみることも楽しい。

 自分でいうと、やっぱり建築に対して興味があって、それは何をするにあたっても空間がつきまとってくるから。そして、どんな空間が好きなのかを考えていくと、光と影をうまく取り入れているような、かっこいいとかわいいが共存しているような空間を好む。でも、その他にもちょっとしたこだわりとか工夫を感じられると嬉しくなる(その工夫を感じられるようになる事自体も楽しい)。

 自分の心を喜ばせることができる場所を理解していくことで自分の価値観が見えてくる。自己理解が深まることって、楽しい。少なくとも自分にとっては。

 だから、作品を見終わった後に少し一人の時間をとって、何がよかったかまとめてもいいと思う。今後、気軽に更新するために、自分もnoteでやっていきたいと思った。

番外編.ミュージアムショップや周囲のカフェ巡りなどを楽しむ

画像11

 美術館に併設されているミュージアムショップには、そこに展示してあった作品の関連グッズがおいてあったりするので、お気に入りを見つけることができたら、買ってみるのもおすすめだ。油画は実際にみた絵とグッズ化されたものはまったく違う印象を受けがちだから、それを体感するためという意味でもぜひ、ミュージアムショップには足を運んでみてほしい。

 また、美術館の周りにはいろんなカフェがあったりするので調べて行ってみることをおすすめする。一緒に行っている人がいるなら作品をみた感想を聞くことができるし、一人なら自分の価値観を深堀りしていく時間に当てても良い。ゆっくり、非日常に包まれたら良いと思う。 

 もし、東京でカフェを探しているならYouTuberさんのく う か ん channelさんとFUJIWARA LIFEさんをすごくおすすめする。特にく う か ん channelさんは建築を学んできている人だから、その視点はすごく勉強になるし、選んでいるカフェも最近話題になっているからとかではなく、”素敵な空間だから”を基準にしておすすめしてくれる。優良なYouTuberさん。

以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また!


サポートいただけると非常にありがたいです!これから記事を書くモチベにも繋がりますのでぜひよろしくお願いします!!