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11種類のハーブとスパイスでグリーンカレー(ペースト編)

本日紹介するのは以前から丁寧に紹介したかった、ペーストから作る僕の大好きなグリーンカレーのレシピです。

過去にもグリーンカレーのレシピを紹介したことがありますが、今回は以前紹介したレシピをより詳しく紹介すると同時に、以前作っていたレシピに比べ、少し変更点があるので改めてYouTube動画で詳しく紹介させていただきました。

僕が作るグリーンカレーの最大の特徴は、辛さが抑えられ、複雑なハーブの香りとココナッツミルクのコク・甘みが絶妙なバランスで味わえる点です。

このレシピを再現する以前は、グリーンカレーと言ったら辛味の強いレシピが特徴的で、美味しいけど、個人的にどこか我慢しながら食べる料理の印象でした。

「本格的なグリーンカレーは、ハーブの香りと共にあと引く辛さが病みつきになるからこそ美味しいのだ!辛くなければグリーンカレーではない!」

と言われてしまえば、それまでなのですが、僕は辛い料理は苦手ではないが、好んで食べる嗜好ではないし、複雑で奥深い様々なハーブの組み合わせによる香りは、辛味で印象が薄れてしまうくらいなら、しっかり全面的に味わえる料理のほうが好きなのです。

その方が僕の大好きなワインとも楽しめるし、フランス料理の中でも様々な食材と合わせて、新しい味わいや風味が強調されると思い、今回のレシピ紹介に至ります。

日本でグリーンカレー、もしくはタイカレーと呼ばれている料理のオリジナルは、タイ料理のゲーン・キャオ・ワーンです。

ゲーンはタイを代表するスープ料理
キャオは緑
ワーンは甘いで、文字通り、甘い緑の汁物を意味する料理のことです。

グリーンカレーの食材の1つで欠かせないのがこちらのタイバジルです。

タイ語でポーラパーといいます。日本でよく見るスイートバジルと異なり、香りが強く、アニスやクローブのような甘いスパイスの香りが特徴のバジルです。

紹介する食材は、日本ではなかなか手に入りにくい食材ばかりです。今回レシピを紹介しても、「私も挑戦してみようかなぁ〜?」という気には、申し訳ありませんがなりにくいと思います。

フランスでは、大きな街に必ずと言っていいほどあるアジア食材を扱うお店に行けば、アジア料理に必要な食材は一通り揃えることができるので、今回のレシピに必要な食材も容易に揃えることができました。

ちなみに、知人のタイ人(妻の同僚)から教えてもらいましたが、本場タイのグリーンカレーはスープ料理であり、スープの中でも少しとろみのあるものをはゲーンと言うそうです。彼いわく、タイの首都バンコクに住むタイ人の多くは、カレーと言ったらタイでも人気の日本のカレー店、coco壱番をイメージするとのこと。

それではレシピの紹介です!!紹介しているレシピの分量は、タイバジルなど、購入しづらい材料を少量では準備できないので、一度にたくさん作って冷凍することも考慮しているため、分量は多めです。

✅【材料と分量】
グリーンカレーペーストの分量(20人前) 
ワケギ   500g
青唐辛子 100g
ホーラパー(タイバジル)1束
ガランガル(タイ生姜)  45g
パクチー 2束(100〜130g)
レモングラス 50g にんにく 
30g コブミカンの皮 2個分
ライムの皮  3個分  
クミンパウダー 15g
コリアンダーシード 15g
グレープシードオイル 500g

1:スパイスをローストする


まずはコリアンダーシードをバットの上で、荒く砕いて、クミンパウダーと軽く混ぜます。

香りを引き立たせるために170°Cのオーブンで約7分間ローストします。

スパイスをオーブンから出したら、後ほどすべてのハーブと合わせるので粗熱をしっかりとっておきます。

2:ハーブの下処理

下処理するハーブは、最終的にローストしたスパイスと一緒にミキサーに入れます。家庭用のミキサーでも攪拌しやすように、まずは包丁で食材ごとに、細く切ります。

玉ねぎとネギの交雑種のわけぎは薄くスライスします。

代わりに玉ねぎやエシャロットで代用することもできますが、仕上がりのペーストを緑色にするには、ワケギの緑の部分も含まれていた方が、強い緑色のペーストが作りやすいです。

続いて日本人にとって、好き嫌いがはっきり分かれるパクチーです。フランスでは意外に思うかもしれませんが、身近で購入しやすく、家庭やレストランでも多用されるハーブの1つです。

こちらは柔らかい葉っぱなので大体2~3cm幅にカットするだけです。今回は130gと多めに入れています。レモンに似た爽やかな香りが特徴のレモングラスは、硬い食材なので、ミキサーで細く撹拌しやすいように包丁であらかじめ薄くスライスします。

包丁でスライスしている食材は、全て同じ容器にまとめています。

続いてカットする食材は、タイの生姜とも呼ばれているガランガルです。表面の薄皮はスプーンを使って削るようにして皮を剥きます。

見た目は生姜に似ていますが、味わいは生姜とは異なり、東南アジアの料理でよく使われる食材です。

断面は白く、また生姜よりも固いです。味わいは、生姜と胡椒を混ぜてような辛みがあり、白い花のような香りがするのも特徴的です。

皮をむいた、ニンニクは半分にカットして中の芽を取り除きます。調理工程で焦げるような加熱工程は無いので、ニンニクの芽は取り除なくても問題ありません。気になる方は取り除いてください。こちらも他の食材同様に薄くスライスしました。

青唐辛子は未成熟の辛い品種の唐辛子を使用します。目指す仕上がりのグリーンカレーペーストは、誰にでもまたどんな食材とも合わせやすいように辛味を抑えた仕上がりを目指しています。

そのため辛みの成分カプサイシンが付着している種やワタは、小さいスプーンを使ってしっかり取り除きます。

辛さを残すのであれば、種がついたままそのまま青唐辛子を輪切りにしでもいいと思います。種とワタをしっかりと取り除いてから包丁でスライスします。素手で唐辛子を下処理した後は、間違っても目をこすったり、顔に触れないように気をつけてください。

タイバジルは茎はとても硬いので、葉の部分のみを使用しします。今回購入できたタイバジルは、葉っぱ全体がきれいな緑色の状態のものではなく、少し黒ずみ始めたタイバジルしか購入できませんでした。

よっぽど痛んでない限り、最終的な仕上がりには影響しないので問題ありませんが、やっぱりできるだけきれいな緑色のハーブを選びたいです。

より新鮮なハーブを購入する場合は、予めお店に食材の到着日時を確認した上で当日購入しない限り、フランスのアジア食品店で個人で購入できる品質はこんなもんです。すべてのハーブの下準備が完了したので、大きめの容器にハーブを移し替えました。

爽やかな香りが特徴的なライムの皮をすりおろします。果汁はソース作りの時に使用するので、皮をすりおろした後に果汁を絞り出しておきます。

タイ料理には欠かせないコブミカンも同様に皮をすりおろします。

英語でカフィアライム・フランス語ではコンヴァンワと呼ばれています。一部の高級フランス料理では、魚介料理の香り付けに使われている食材です。

タイでマックルーと呼ばれていて、日本でも聞いたことのある、コブミカンの葉っぱはバイマックルですね。

果肉は料理ではあまり使われません。強いシトラス系の爽やかな香りが特徴で、今回のレシピでは欠かせない存在です。

ローストして粗熱が取れた、スパイスをハーブと合わせます。

最後に分量のグレープシードオイルを加えます。グレープシードオイルは、香りに癖の少ない米油でも代用することができます。

オイルを加えることで、ミキサーで撹拌しやすくなるのと、仕上がりの色合いが鮮やかな緑色に仕上がりやすくなります。

最後はオイルとスパイスが全体に馴染ようにゆっくり混ぜてあげます。

しっかり戦隊が混ざったらすぐにミキサーで撹拌しても良いのですが、ハーブがミキサーの熱の影響で温まり、変色するリスクがあります。そのリスクを少しでも軽減して、しっかりきれいな緑色に仕上げるために、冷蔵庫で1時間から2時間ほど冷やします。

3:具材の下処理


それではハーブを冷やしている間に、グリーンカレーの具材となるお肉と野菜の下準備をします。鶏胸肉は、ソミュール液につけます。冷水に塩、砂糖加えてしっかり混ぜた後、鶏胸肉を液体に浸します。

グリーンカレーに使用する食材は、これといった決まった食材はありません。

冒頭で紹介したように、グリーンカレーは、タイ語でゲーン・キャオ・ワーン。直訳で甘い緑の汁物料理です。今回紹介する具材以外でも、鶏もも肉、豚肉、また魚介類を使用してもかまいません。

とはいっても僕は日本のグリーンカレーでよく使われている鶏肉、茄子、パプリカは、やっぱり、グリーンカレーの具材として手に入りやすいですし、何より様々なハーブの香が複雑に、絡み合うソースとの相性は抜群なので、いつも同じ具材を選びます。

茄子は細長くカットします。日本の茄子に比べてフランスで購入できる茄子はとてもえぐみが強く、また皮に厚みがあります。

えぐみを取り、また少ない油で加熱調理しやすいようにするために、あらかじめ茄子の両面に塩を振ります。

カットしたなすの両面に塩を振ったのはえぐみを取り、また少ない油で加熱調理しやすくするためです。茄子を放置している間にパプリカをカットします。こちらも茄子と形を揃えるように三角形に細長くカットしました。赤パプリカ、黄色や緑のパプリカを使って、彩りがきれいな仕上がりにしてもいいですね。

パプリカも三角形に細長くカットして、茄子と形が揃うようにしました。

茄子から水分が出てきたら水洗いします。

日本の茄子ならばここまで下準備ができていれば、加熱調理に移って問題ありませんが、フランスの茄子ならば、さらに20分ほど水に晒して強いアクを取り除きます。

水から茄子を引き上げたらしっかり水分をキッチンペーパーで拭き取ります。

鶏胸肉をソミュール液から引き上げます。液体から引き上げたら、まずはキッチンペーパーなどでしっかり水分を拭き取ります。

ここまできたらまた 適度な大きさにカットしてフライパンで焼いても、しっとり仕上げることができます。

今回は少し手間と時間はかかりますが、さらにしっとり柔らかい口当たりに仕上げるので、ラップで筒状に形を整えてから低温調理します。

しっかりラップで形を整えて両サイドはしっかり縛ってから、余分な部分はハサミでカットします。ラップは鶏肉が筒状にしっかり形を保てるように、二重にしました。ここまできたらポリ袋に入れて加熱前の下準備は完了です。

鶏胸肉を湯煎で加熱調理します。湯煎の温度は60°Cから63°Cの間を保ちながら1時間低温調理します。

ちょっぴり手間のように感じるかもしれませんが、63°C以上に温度が上がってもそれほど気にすることではありません。

一番大切な事は鶏肉に火が入ることで、安全面の方が優先度は高いです。もちろん紹介している通りに調理できる事がベストですが、何度も繰り返して慣れると結構放置できる時間も長いので簡単で、それほど神経質にならなくなります。

すぐに食べる場合は、火から下ろした湯煎の中で保温して下さい。

4:ハーブをミキサーで撹拌

それでは冷蔵庫で休ませておいた下準備したハーブをミキサーでまわします。

家庭用のミキサーだと、水分量が少ないので最後に入れたグレープシードオイルを利用して細かく撹拌します。

フードプロセッサーがあると結構スムーズにハーブを細くできると思いますが、あいにく、適当な、フードプロセッサーが自宅にないのでミキサーで回します。

写真のように、蓋をとって上からゴムベラで潰すようにしていますが、このやり方はほんと危ないのでお勧めしません。

一部細くなると撹拌しやすくなるので、ここからはスムーズに食材を少しずつ入れて行きます。

これぐらい細かくペースト状になったら完成です。別の容器に移して残りもペーストにします。

残りは下に沈んだオイルも一緒に入れるので、簡単にペースト状になります。

すべてペースト状にしたら、大きめの容器に移し替えて全体の濃度が均一になるようによくゴムベラで混ぜます。これでペーストの下準備は完了です。

5:ペーストを冷凍する


たくさんできたのでココナツミルクを加えて、ソースにする分以外は小分けにして冷凍します。すぐに使用しない場合は、ペーストは変色しやすいので冷凍保存するのをおすすめします。ペーストは1人前70gです。今回は2人前仕上げる予定なので、140gを作ったペーストからとりわけました。

冷凍する分も、1人前70gずつラップで包みます。

1つずつラップで包み、ジップロックに入れて冷凍保存すれば、冷凍保存の状態にもよりますが、半年から1年間は状態に変化のないままきれいに保存することができます。

ジップロックに入れる前は、平らなバットに並べて、一度凍らせてからジップロックに入れると、かさばらずきれいに冷凍保存することができます。

これでグリーンペーストの仕込みは完了です。僕の大好きなレシピで作るグリーンカレーを仕上げます。では、次回のグリーンカレー後編でお会いしましょう。

他にも僕の料理を紹介していますので、参考にしていただけると嬉しいです。

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Chef Ichi

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