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【玉ねぎの本気】フランス・セヴェンヌ産の甘旨スウィートオニオン

皆さんこんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
もうすっかり秋ですね。

日没時間も早くなってきました…

本日の食材は玉ねぎなんですが、フランスの玉ねぎの中でも、一定の期間しか出回らない特別な玉ねぎを紹介します。

フランス南部はセヴェーンヌ産のスウィートオニオンです。

辛味が少なく、苦味は全くない、生のままで食べても楽しめて、そして加熱することで柔らかく、甘みと旨みが際立つ旬の食材です。

何世紀もの間、栽培方法は変わらず8月から9月に手作業で収穫され、乾燥させてから販売前に外側の皮を除去して売られいます。

そのため購入時点で既に中身が透けて見えています。傾斜地で栽培しているから機械化が制限され、値段も1kgあたり約10ユーロ位。安い玉ねぎに比べたら約10倍も価格が上がる旬の食材です。

今回はこの旬の玉ねぎを使って、つなぎを全く使わないオニオンタルトを紹介します。もちろん普段から購入できる玉ねぎでも、今回のレシピを再現できるので、一緒に作っていきましょう。


✅【材料と分量】
玉ねぎ 800g
オリーブオイル  30ml
塩 8g
無塩バター10g

〈パータブリゼ〉(冷凍のパイシートで代用できます)
薄力粉  100g
無塩バター50g 
塩 2g             
卵黄 20g
水 20g

〈玉ねぎのロースト〉
玉ねぎ  2個
オリーブオイル 10ml
フルール・ド・セル 

パルメザンチーズ 

1:パートブリゼを作る

まずはタルト生地から作り始めます。

薄力粉は濾さなくても大丈夫です

焼き上げるとパイ生地のような食感になるパートブリゼは、甘みがなく、水分の多いフルーツ系のタルトや、フランス郷土料理でお馴染みの、キッシュなどに使われることが多い生地です。

パイ生地と大きく異なる点は、バターを織り込まずに短時間で簡単に作ることができます。

冷凍保存もできるので作れるようになるととっても便利な生地です。注意点はすべての材料をしっかり冷蔵庫で冷やす必要があります。

パートブリゼ作り方は過去の記事、WECK瓶で作るタルト・タタンにて詳しく解説しています。

細くしたバターを薄力粉に混ぜていくため素早い手際が求められます。

バターを薄力粉に擦り合わせます

そのため少量で作る場合は動画のように手作業でも問題はありませんが分量を増やして作る際は、フードプロセッサーで素早くスムーズに作った方が無難です。

冷水と卵黄を合わせます
液体を加えたらはじめは切るように生地を合わせます

ある程度生地が混ざったら、上から押さえるようにして生地をまとめます。

水分を入れてからは捏ねないのがポイントです。

生地を平に四角くのして、乾燥防ぐためにラップで包んだら、冷蔵庫で一晩休ませするのが理想です。生地を休ませることで焼き縮を抑える効果がありますが、時間がない場合は1時間ほどでもオッケーです。

これで生地作りは完成です。

2:玉ねぎの下処理


生地を休ませている間に玉ねぎの調理に取り掛かります。

玉ねぎは繊維に逆らってできるだけ薄くスライスして炒めるだけ。

ご家庭でも再現できる、玉ねぎの美味しい魅力をひき出して味わうことができるのは、一つ一つの調理工程の中に、美味しくするための要素が詰まっているからです。

玉ねぎは繊維に逆らってできるだけ薄くします。スライサーをお持ちの方は便利なのでぜひ使ってください。

別で玉ねぎ2つをアルミホイルで包み、160°Cに設定したオーブンで1時間ローストにします。

これだけでも片手間でおいしい玉ねぎのローストを作ることができます。

3:玉ねぎを炒める

オリーブオイルを入れた鍋に玉ねぎスライスを入れて、塩はすぐに加えます。

塩をはじめからしておく事で、玉ねぎから水分が出やすくなり、旨味と甘みを引き出しやすくします。

まずは玉ねぎ全体が熱くなるまで中火で、目指している仕上がりは、柔らかく透き通るような見た目の玉ねぎのコンポートです。

より確実に素早く火入れを行うために、鍋に蓋をして炒めます。蓋をするのは、玉ねぎから出てくる水分と、鍋の中に熱を留めて蒸すように炒める事で、短時間で柔らかく玉ねぎに火を入れるメリットがあるからです。

蓋をしてから玉ねぎを炒める時間は30分ですが、鍋の種類や、各ご家庭にあるガスコンロやIHの威力は一定ではないので、長くても10分おきに蓋を開けて中を確認してください。

目指している仕上がりは、柔らかく透き通るような見た目の玉ねぎのコンポートです。

玉ねぎの旨味と甘みだけを引き出し凝縮したいので、鍋肌に焦げ目はつけないように炒めています。

火加減と時間をに注意を払えば、玉ねぎ本来の魅力を引き出しやすくことができるからです。

こちらが30分炒めた玉ねぎです。ゴムベラで軽く押すだけで簡単に崩れる位トロトロに仕上がってます。

これだけでも凄くおいしいのですが、コクと香りを強めるために火を止めてから少量バターを加えました。しっかり混ぜ合わせたら、別容器に移して保管しておきます。

4:玉ねぎローストを作る

丸ごとローストした玉ねぎを、オーブンから出したら、アルミホイルの中で15分ほど休ませておくとしっかり火を入れることができます。

使用してるスウィートオニオンは、1玉100g前後です。

オーブンで約1時間で火を入れることができましたが、玉ねぎのサイズが大きくなるほど、加熱時間は長くなるので、10分おきに加熱時間を伸ばして火の入り具合を確認してみてください。

半分にカットしてから皮を剥くと簡単に取り外すことができます。

玉ねぎのローストは、盛り付ける際の見た目の引き立て役で準備しているので、もし余裕がある方はぜひ挑戦してみてください。

5:パートブリゼを型にはめる

続いてのパートブリゼを伸ばして型にはめる工程です。

冷蔵庫から出したパートブリゼを半分に分けて、1つ90g前後に調節しました。

冷たい状態のパートブリゼは硬くて伸ばしにくいです。はじめは麺棒で上から押して硬さを調節してから伸ばし始めるとスムーズに伸ばすことができます。

生地を均一の厚さに揃えるために、このように45度ずつの回転させながら伸ばすと厚みにムラなく伸ばせます。

今回準備したタルト型の大きさは直径が1cm・高さが2cmのセルクル型です。

パートブリゼを型に敷き詰めて行きます。隙間ができないように、特に角を気をつけます。

一度角を決めてから外側の余った生地を持ち上げて下に再び押し込むようにすると角が決まりやすくなります。

外側の余分な生地はカットして取り除きますが、それでも約1cmほど残した状態にしておきます。

パートブリゼは焼くとどうしても少し焼き縮みが起こるのでこのように少し余分に生地を残しています。

フォークで穴を作り、焼いているときに、生地が膨らみにくいように、まんべんなく空気の逃げ道を作ってあげます。

さらにアルミホイルを生地に貼り付けます。

アルミホイルはいちど軽く丸めるってくしゃくしゃにしてから扱うとタルト型に合わせやすいです。

最後に重しのタルトストーンをのせてからオーブンで焼きます。

タルトストーンは約300g、一つのタルトに対して入れて重しをしています。タルトストーンがない場合は乾燥した豆やお米に塩で代用することもできます。

180℃度のオーブンで25分様子を見ながら焼いてください。

オーブンから出して重しを外すと、底の部分はまだ焼けていません。追加で10分から15分ほどオーブンに入れて再び様子を見ながらしっかり焼き色をつけます。

こちらは焼き上がったパートブリゼです。

全体的にきれいな焼き色がついて角もしっかり決まっています。

周りの余分な生地を包丁を使い取り除きます。少しずつ包丁を上下に動かしてカットしてください。

それでは最後の仕上げに取り掛かります。

玉ねぎのコンポートは冷ましてから盛り付けていますが暖かい状態でタルト生地に詰めてもオッケーです。

1つのタルトに対して約130g、タルト生地の上部までたっぷり玉ねぎのコンポートを詰めましたが、量はお好みで調節してください。

最後は180℃のオーブンで10分入れて玉ねぎの余分な水分を飛ばし、コンポートがタルト生地に馴染むようにします。

表面に焼き色がつかないように注意してください

6:玉ねぎローストを仕上げる


タルトをオーブンに入れている間に飾り用の玉ねぎのローストを仕上げていきます。

こちらは中火で熱したフライパンにオリーブオイルをひいて、断面に焼き色をつけます。

柔らかくて甘さが引き立つっている玉ねぎに、焼き色をつけることで香ばしさと見た目の美しさを加えます。

焼き色がついたらほんの少しバターを加えて香りおまとわせます。

最後にほんの少し塩を振ったら完成です。

7:仕上げと盛り付け


それでは盛り付けて行きます。

もうこれだけでも充分おいしいんですけど、柔らかい口当たりで、甘みが際立つ玉ねぎと相性の良いパルメザンチーズを最後にふりかけます。

市販の粉チーズよりも、やっぱり香りと味わいが印象の強い、ブロックのパルメザンチーズを、このようにすりおろすと見た目も綺麗ですし、ふんわりとした口当たりのになるのでお勧めです。

パルメザンチーズ以外にミモレットチーズも、特徴的な香りと味わいが際立ち玉ねぎのコンポートとの相性も良いと思うので機会があったら作ってみたいですね。

黒胡椒はほんの少しだけ。

焼き色をつけた玉ねぎのローストを載せたら完成です。

食べる時は、出来立てで暖かい状態でもらもちろん冷めて冷たくなってからでもどちらでも美味しく召し上がることができます。

パートブリゼの中途半端に余った生地は、まとめてから平らに伸ばし、長方形などのお好みの形にしてオーブンで焼いちゃいましょう。

焼く時は重しを忘れずに!

そうすればタルト型に敷き詰めなくてもこのように、ビールやワインなどのお酒のおつまみとして楽しむこともできます。

チーズを振りかけてから、オーブンで焼きなおしても美味しそうですね。

口の中に含むとバターの芳醇な香りとほろっと崩れる食感のパートブリーゼに、甘みと旨みが際立っているしっとりしている玉ねぎのコンポートとの相性は抜群です。

全体の味わいを引き立ててくれるパルメザンチーズに、みずみずしい玉ねぎのローストも、見た目だけでなく香ばしい香りが加わりとってもおいしいです。

出来立てを味わうおいしさもありますが、一晩経って玉ねぎの水分が生地に馴染んだ一体感のある味わいも最高です。

玉ねぎの魅力を味わえる、簡単レシピをぜひご家庭でもお試しください。

他にも私の料理をYouTube動画で紹介しています。

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Chef ichi

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